『北原白秋 高村く太郎 萩原朔太郎』から「萩原朔太郎」 日本文学全集19 集英社 昭和47年「舌のない真理」「鏡」「家」
日本文学全集 19
270ページ~410ページ
集英社
萩原朔太郎
解説 伊藤信吉
昭和47年初版
先日から読み続けていた『北原白秋 高村く太郎 萩原朔太郎』「萩原朔太郎」(270ページ~410ページ)を楽しむ。
萩原朔太郎は前回は今年の4月に読み、その時には「陽春」と「内部への月影」(萩原朔太郎詩集 新潮文庫)を選んだ。
「陽春」萩原朔太郎
「内部への月影」萩原朔太郎
『萩原朔太郎詩集』 「陽春」「およぐひと」「遺伝」
今回は【宿命】の中から三編 「舌のない真理」「鏡」「家」を写してみた。
「鏡」という詩を朔太郎は複数編残しているが、なかでも私は書き出した「鏡」が好きで、以前から暗記していたもの。
宿命
舌のない真理
とある幻灯の中で、青白い雪雪のふりつもってゐる、しづかなしづかな景色の中で、わたしはひとつの真理をつかんだ。物言ふことのできない、 永遠に永遠にうら悲しげな、私は「舌のない真理」を感じた。景色の、幻灯の、雪のつもる影を過ぎ去っていく、寂しい青猫の像(かたち)を感じた。 (372ページ)
鏡
鏡の後ろに廻って見ても、「私」はそこには居ないのですよ。お嬢さん! (379ページ)
家
人が家の中に住んでるのは、地上の悲しい風景である。 (380ページ)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます