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国立国際美術館  すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合  大阪府大阪市北区中之島4丁目2−55 国立国際美術館

2022-12-21 | 美術・文様・展示物

国立国際美術館  すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合  大阪府大阪市北区中之島4丁目2−55 国立国際美術館

 

 

 

 国立国際美術館  すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合を観たが、イメージの貧相な私は、安部公房先生やアングラ劇団を思い浮かべた。

 また、古くの具象画である達磨絵図に類似点を認めるものまで展示されていた。

 昭和の後期になっても行動美術の画家が「丸」をいかに丸く各科を目標とされていたのを思い出す。

 そして行ってしまいば、MRI写真いさえ見えてくる作品を描き上げていた。

 

 今回展示されていた作品群が斬新かといえばそうでもないものも多く、また中には作品として完成度の高いものも見られた。

 解説を読み進めるうちに、彼らの考えている抽象画が作品としてよりも理屈の上になるたった部分が大きいのではないかといった作品も見受けられた。

 私は京都生まれなので、どうしても須田国太郎で有名な独立美術のような具象画が落ち着きはする。

 その一方で、愛知まで行った表現主義のフランシス・ベーコンなども好きなので、自分で言うのもなんだが、柔軟はあるように思う。

 今回の展示は兵庫である理念のもとに集合した画家たちの熱い思いをを感じた。

 しかしその理念が安部公房先生の好きな私には心をくすぐる。

 特に、菅野聖子、山崎つる子、吉原通雄らの文字にした捉え方は、興味深かった。

 三人のうちの一人である菅野聖子の言葉と理念をここでは紹介したい。

 

 

菅野聖子

 数学の法則を用いて描き進むようになって、規則があるために自然な美しさが出て、間違って規則を外すと、不自然でつまらなくなる。(要約)

 菅野聖子のこの考え方も一理あると思う。

 菅野聖子はそう言いつつ、「作品」1967の4枚の絵にはツルツルのアクリルカバーが表面を覆い、展示場の他の作品や鑑賞者や、会場の息吹さえも作品に取り入れ、規則性の緩和を狙い、芸術性を高めていると感じた。

 つまり規則性のある幾何学的数学性のある作品に、アクリル板を毛わ得ることにより、時空を超え、時模型化をプラスさせることに成功した。数十年以上を経た今この作品を観ても、何ら古さを感じさせず、今を生きる作品政策に成功したといえよう。

 彼女は規則における必然と、偶然とを鹹味して作品を手がけていたことに感動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合

 

以下は国立国際美術館 公式HPより

    ▼

 具体美術協会(具体)は、1954年、兵庫県の芦屋で結成された美術家集団です。

 画家の吉原治良(1905-72)を中核に据えたこの集団は、絵画をはじめとする多様な造形実践をとおして、「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示」しようとしました。

 吉原による指導のもと、会員たちがそれぞれの独創を模索した18年の軌跡は、いまや国内外で大きな注目を集め、戦後日本美術のひとつの原点として、なかば神話化されるに至っています。

 

 本展覧会は、そんな具体の歩みを、「分化」と「統合」という二つの視点からとらえなおす試みです。

 誰の真似にも陥らず、互いに異質であろうとしながら、あくまで一個の集団としてまとまろうとするその姿勢は、吉原の考える美術のあるべき姿、つまり「人間精神と物質とが対立したまま、握手」している状態とも、重なりあうものだと言えるでしょう。

 

 大阪中之島美術館と国立国際美術館、二会場によって構成される本展覧会は、具体の活動拠点である「グタイピナコテカ」が建設された地、大阪の中之島で開催される初の大規模な具体展です。

 

 大阪中之島美術館で具体を「分化」させ、それぞれの独創の内実に迫りつつ、国立国際美術館では具体を「統合」し、集団全体の、うねりを伴う模索の軌跡を追う。

 それによって目指すのは、新しい具体の姿を提示することにほかなりません。

 

 解散後50年となる2022年、「すべて未知の世界へ」と突き進んでいった彼ら/彼女らのあゆみをご覧ください。

 

 

統合|国立国際美術館

 具体は、少なくともその出発点においては、「画家」集団でした。

 時代が下るにつれ多様化していく造形実践の数々も、もとをたどれば、絵画という規範からの自由をめざした結果と言えます。

 問題は、絵画らしさをいかに解体し再構築したか、です。

 絵画「らしさ」をどう捉えているのか、また、それを解体してなお絵を描こうとするのか否かで、導き出される新しさはおのずと変わってくるでしょう。

 国立国際美術館では、マクロな視点に立って具体のあゆみを眺め、さまざまに展開される問いなおしの作業に、いくつかの傾向を見出そうと試みます

 必ずしも一枚岩でないこの集団の、内なる差異をあぶりだし、そのうえで「統合」してみせることが主な目的です。

 

 

分化|大阪中之島美術館


 具体は、常に先駆性と独創性とともに語られてきました。

 吉原治良の「人のまねをするな、今までにないものをつくれ」という言葉が、端的にそのことをあらわすものとして語り継がれていますが、その認知度とは裏腹に、具体の先駆性と独創性は内実は、明らかにされていません。

 

「分化」をテーマとする大阪中之島美術館では、具体の制作からいくつかの要素を抽出し、個々の制作のありようを子細に検証します。

 

 本会場がめざすのは、具体は多様であるという結論を導き出すことではありません。多様であることは前提とし、どのような表現が受け容れられてきたのか最大限可視化することで、具体というグループの本質にせまろうという試みです。

 

 

 

出品作家:

今井祝雄、今中クミ子、上前智祐、浮田要三、大原紀美子、小野田實、金山明、菅野聖子、聴濤襄治、喜谷繁暉、木梨アイネ、坂本昌也、嶋本昭三、白髪一雄、白髪富士子、鷲見康夫、田井智、高﨑元尚、田中敦子、田中竜児、坪内晃幸、猶原通正、名坂千吉郎、名坂有子、堀尾昭子、堀尾貞治、前川強、正延正俊、松田豊、松谷武判、向井修二、村上三郎、元永定正、森内敬子、山崎つる子、吉田稔郎、ヨシダミノル、吉原治良、吉原通雄

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