そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

小林秀雄の「徒然草」

2006年01月24日 | 字余り
古本屋の特売でで50円で買ってきた「モオツァルト・無常という事(小林秀雄)」という本がある。小林秀雄の批評美学の集大成であり、批評という形式の可能性を提示したという表題作のほかに13編がおさまっている。どの編もわたし自身の興味の対象である。
さて、その中に「徒然草」という1編があり、小林が徒然草をどうみていたのか読んでみた。ページ数にして3ページ、2000字たらずの小文である。
・イントロの「徒然なる儘、日ぐらし・・・・」は、兼好の苦しい心が、洒落た名前の後ろに隠されているという。一枚の木の葉で月が隠されるようなものだと説明してくれる。
・徒然草は、なんていうか退屈つぶしにかかれたものではなく、退屈にまかせて書いたということである。書いたから兼好の心がすっきりしたかというと逆で、眼が冴えかえって、いよいよ物が見え過ぎ、物が解りすぎる辛さを抱えていて、「怪しうこそ物狂ほしけれ」ともらすのである。
・兼好は家集を出しているが、家集からは何の情報も得られない。彼は詩人ではなく批評家である。徒然草が書かれたということは文学史上の大きな事件であり、空前絶後のことである。兼好はよく引き合いに出される鴨長明にはまったく似ていなくて、兼好はモンテエニュがやったことをやったに過ぎない。ただし、モンテエニュよりも200年以上前に、彼よりも遥かに鋭敏に、簡明に、正確にやったらしい。
・文章も比類のないほどの名文である。一見そう見えないのは、彼が名工で鈍い刀を使っているに過ぎない。この文体は、ものが見えすぎる眼をコントロールするのに必要であり、文体の精髄でもあるとも小林は言っている。
・鈍い刀で彫られた名品の一例として、第40段の「因幡の国の栗食い娘」をあげている。兼好がどんなに沢山のことを感じて、どんなに沢山のことを言わずに我慢したかとしている。
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堀江氏他幹部逮捕

2006年01月24日 | 日めくり帖
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「ホリエモンとうとう逮捕市場へのわざわい多くさきゆきいかに」
「米国流株価至上の経営はいきつくところ豚箱なるか
(エンロン、ワールドコムの倒産と同じとか)」
「堀江氏のすべてが悪の風潮もあらがいがたき流れであるか」

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徒然草(行雅僧都#42 )

2006年01月24日 |  / 徒然草
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「唐橋の中将の子で行雅ありのぼせる病で面相かわる」
「二の舞の面のような顔になり坊に籠もりてやがて死ぬなり」
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