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「み空行く月読壮士ツクヨムヲトコ夕さらず目には見れども寄るよしも無し(月に寄す#7.1372)」
「空をいく月読壮士は一晩中目には見えるが近寄れないよ()」
「春日山山高からし石上イソノカミ菅根見むに月待ちがたし(#7.1373)」
「春日山山高いのか石上菅の根を見るに月待ちがたし()」
「闇の夜は苦しきものをいつしかと我が待つ月も早も照らぬか(#7.1374)」
「闇の夜は苦しいものをいつの間に私待つ月早く照らぬか()」
「朝霜の消ケやすき命誰がために千年もがもと吾が思はなくに(#7.1375)」
「朝霜の短い命誰のため千年もなんて思わないけど()」
「(右ノ一首ハ、譬喩歌ノ類ニアラズ。但シ闇ノ夜ノ歌人ノ、所心ノ故ニ並ニ此ノ歌ヲ作ム。コレニ因リテ此ノ歌、此ノ次ニ載ス。)」