がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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ガサシワカチャラ那覇公演’17

2017年12月26日 | ・現代版組踊レポ

現代版組踊舞台レビューについて

 


月光の按司 ガサシワカチャラ

2017年12月10日(日)

タイムスホール

 

風邪気味でぎりぎりまで迷いましたが、
熱はなかったので思い切って観に行きました!

ガサシワカチャラ那覇公演!

9月に久米島で2回目みて、
今回は3回目。

観劇からだいぶ間が空いてしまいましたが
メモを頼りに思い出して書いてみようと思います。

 

 

+ + +

 

 

まず、前回の公演レビューで書いていた
最初の登場人物の紹介シーン、
分かりやすくなってた!

紹介される人ごとに
登場していき、
中央にあつまる、
という風に。

最後に出てくる主人公のワカチャラは
紹介者の「母」の後ろにぴったりついて、
兄たちとはとは差別化。

グッ!(`・ω・´)b☆

 

 

キンマモンが登場するシーン、
バックライトでの逆光が神々しくて
かっこよかったな。

むしろその逆光のまま、
キンマモン顔をはっきり見せない演出でも
いいと思いました。

そのほうが威厳もあって神秘的な気がします。

バックライトという設備が許されるのであれば、
ですけどね。

 

 

前回、がっつりお父ちゃん(=伊敷索按司)にヤラレタわたし。

その印象が強かったから、
お父ちゃん贔屓、
というのもあるかもしれませんが、
父子のシーンはもっと伸ばしてもいいなぁ。

お父ちゃんが本音を語るのが
割とすぐな印象なので
(初めてワカチャラを攻めたその時に、な印象)
何回かの戦を重ねた末に…
という感じがもっとしっかり出せたらいいな。

 

そしたらその後の母子のシーンでの
ワカチャラの独白、
何故父や兄者たちに憎まれるのか、
という苦悩や
でもやっと父の本心を知ることができた、
っていうセリフの重みが出てくる、はず。

 

 

前回レビューで
お父ちゃんが本心を隠して

"わしや兄たちを差し置いて
久米島の平和を乱そうとしている"

と、わざと憎まれるような物言いをしたところに
お父ちゃんの全てがある!

と書きましたが、

 

…あれ、

 

それ、
ワカチャラよりも先に
堂之比屋に言ってるわ。

 

うーむ。

 

ワカチャラだけにそれを言うなら
そのセリフの重みもありますが
そうでないとすると…

…でも、かといって
堂之比屋に正直に首里からのお達しだ
と言うのも妙だし…

ちょっと考えちゃいますね。

 

(そもそも私が深読みしすぎなのか)

 

 

さて、その堂之比屋。

ワカチャラの理解者として登場する彼。

お父ちゃんがワカチャラ討伐を決めた時、
何故ワカチャラを攻めるのかと
伊敷索按司に問い詰め
上のように返され、袖にされるのですが…

その時の彼(の演技)には
動揺というよりは怒り
を感じました。


なので
その後の堂之比屋について考えてみると面白い。

堂之比屋の「寝返り」は、
果たして
伊敷索按司への恨みか
ワカチャラの仇か
久米島を想ってのことか
それとも首里へのおもねりか
私利私欲か……

 

首里が堂之比屋に近づいた時も
彼が何も反応しない所が実にいい。

 

そして、劇の冒頭、
っていうね。

これは一度は劇全体を見ている
リピーターがしか味わえない面白さなのですよ。

むふふ。

堂之比屋のミステリアス具合が
色んな憶測をさせてくれるので
とても面白いです。

個人的には善悪が分かりやすい人物よりも
こういうキャラにとても惹かれます。
(史実の堂之比屋も合わせて考えるとまた面白いのですよ)

 


ワカチャラは相変わらずの美形でした

劇中では15歳の設定なんだね。
(死ぬときはもしかしたら数年たってるかもだけど)


ところで、ワカチャラが死ぬ時のシーン、
尺が短くなっているような気がしたのは私だけ?

……気のせい?

一度見て知ってるからそう感じただけ?
(でも観劇2回の時は感じなかったんだけど)

見てて
「…あれっ?終わり??」
ってちょっと物足りなく感じてしまいました…。

死ぬシーンと言うか、
死ぬまでのシーン。

アンサンブルさんの格好いい演舞がもっと見たいなー。
(現代版組踊では戦いのシーンの集団演舞がどれもこれもかっこよくて好き)

 

 

前回もドキュンときた正妃(ウナジャラ)ちゃんは
今回もサイコーなSっぷりでした(笑)

同じように、託宣の後とかは
長男や次男も
もう少し毒出してもいいかもね(笑)
(正妃ちゃんほどではなくとも)

カーテンコールのあと、
正妃&真牛(母)がペアで退場するところは
前回はそのキャラそのままでしたが、
今回はやさしくてかわいかった。

…ギャップ萌えかっ!!

(前回までのツンデレ退場も捨てがたいですが)

 

+ + +

 

ところで、もしかしたら
今回の公演は高3メンバーの卒業公演でもあったのでしょうか?

こうやってまた世代交代がなされて行くのですね。

メンバーが変わっても、
久米島の子たちが
久米島を誇りに想って作り上げる舞台
であることに変わりはありません。

次にガサシワカチャラを見る時は
いったいどんな人がどんなキャラクターを演じ、
どんな舞台になっているのでしょう。

 

また、この舞台を観る時を楽しみにしています

 

 

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大変革!百十~MOMOTO~(ネタバレ含む)

2017年11月12日 | ・現代版組踊レポ

現代版組踊舞台レビューについて

 


百十~MOMOTO~

2017年11月4日(土)・5日(日)

きむたかホール

出演/肝高の阿麻和利高校生メンバー・Team NEXT TAO

  

※今回のレビューは、ストーリーのネタバレを含みます。

 

土曜日の昼・夜公演、
日曜日の夜公演に行ってきました!

 

和々的泣ける現代版組殿堂入りのこの舞台。

現代版組踊で初めて落涙した初演から、
毎回必ず行っているので
(百十観劇は今回で10回目★)
そろそろ慣れてきてもよさそうなのです、が、

 

今回も泣かされました…。

 

土曜日の昼公演で涙ぼろぼろ、鼻水ぐしゅぐしゅ

客席にいるのでこれでも抑えてたつもりだけど、
もし周りに人がいなければ、
終わった頃にはティッシュ山盛りだったはず。

 

しょっぱなからこんなに泣かされるんだから、
もう一回は見ないといかん!
と、予定外だった土曜日の夜公演もチケット取ったもん(笑)

 

落涙ポイントは前回までのシーンはもちろん、
(カーテンコールでも泣けるって百十以外にない)

今回は、

王妃

の存在がとにかく大きかった…。

 

新キャラとして王妃(=百十踏揚の母)が出る、
ということは事前に聞いていて
(HPなどでも紹介があったし)


なるほど、
これまで以上に「母」に趣を置いてくるのね(ニヤリ)

とある程度読めてはいたのですが、

 

いやはや、
想像をはるかに超えていました。

 

まず、
王妃の出番、がっつり。

百十踏揚が首里に戻ったところでのやり取りは
思戸から全て王妃にチェンジ。
(思戸とは越来で再開)

百十踏揚の自殺未遂を身を挺して止めるのも
あなたのせいでない、と言いきかせるのも王妃。

そして傷心の百十踏揚に寄り添い、
「生きるのです」と励まし、指針を与えたのも王妃。

王妃自身、父である護佐丸を殺されており
身内を身内に殺されるという
大きな傷を抱えていて、
百十踏揚の気持ちは痛いほどに知っているからこそ。

 

金丸の進言によって、
百十踏揚の心の傷も癒えぬままに
再度賢雄に嫁入りさせることを決めた尚泰久が
そのことを告げに部屋に行ったシーン、良かった。
(尚泰久のあの内容のセリフがここで復活(笑))

賢雄への嫁入りの命を受け、
ショックを受ける百十踏揚、
抗議する王妃、

 

「お国のため、お国のためにと…
お国の前に、わらわたちの心が壊れてしまいます」


その抗議に対して

 

「そんなこと、わしも分かっておる!」


と一喝する尚泰久。

 

この3人の心のせめぎあいと葛藤が
痛いほどに伝わってきて。

最初に泣いたのはここでした。

 

嫁入りに反対の意を重ねる王妃に
業を煮やした尚泰久は王妃を"謀反人(護佐丸)の子"として
追放を命じる。

 

うわーーーーーん(涙腺崩壊)

 

抑える侍女たちを振り払い
百十踏揚にかけより最後の言葉をかける王妃、
縋りつく百十踏揚…。

 

「父上は私たちが憎くなってしまわれたのですか!」

 

尚泰久!ひどい!
…ということは到底思えず、
ただただ、3人それぞれの苦悩が伝わってきて。

 

「どうしてこうなってしまうのだ」
「家族の幸せを願わぬ父親などいるはずもないのに」


ほんとにね(´;ω;`)

 

そして幼い頃の百十踏揚と母との思い出の回想シーン。
楽しかった、母との思い出…。

 

 

これだけでも十分なのに、
たたみかけるように
今度は百十踏揚の越来への嫁入りシーン。

祝言を祝う越来の民たちの雑踏に混ざって
王妃が嫁入りの百十踏揚を見つめる。

百十踏揚は一瞬母を見た気がして、
雑踏の中を探すけれど
もうそこには母の姿はなくて…。

 

うわーーーーーーーん

(いかん、今書いてて思い出しても泣けてくる)

 

百十踏揚は辛い気持ちを持ちつつも、
母の強さと「生きるのです」という言葉を胸に
新たに進むことを決意する。

 

このシーン、
日曜日の夜公演を見た時は
尺が長くなっていました。

 

雑踏の中で母を見つけることはできないのですが、
簪?を拾い、母がいたことを確信する百十踏揚。

これまではそこでそのままハケていた母が
最終では、時が経ち百十踏揚は子を産み…という
次のシーン(演出)まで遠くから見守っていて。

娘を見守り幸せを願う「母」の想いが
より強く出ていました。

 

 

この王妃と百十踏揚のシーンは
母をテーマにした「にぬふぁ星」の曲で
一連の流れをつないでいました。
(にぬふぁぶし=北極星のこと、道しるべ)


この曲が、また泣かす。


歌詞もメロディーも歌声も、
すごくすごくきれいで
この曲抜きではこのシーンは成立しないほど
効果抜群でした。

百十のCD化、お待ちしております!

 

今回、この王妃とのシーンががっつり入ったことで
百十踏揚の傷心具合や賢雄との再婚との葛藤、
そして少しずつ立ち直っていこうとする
リアルな心の移り変わりが感じられて
とても良かったです。

前回までの展開も特に無理があったわけではなかったのですが、
今回は更に深みとリアリティが出た感じ。

 

+

 

最初の頃は小説「百十踏揚」の舞台化!
と言っていいほど小説そのまんまの印象が強かったですが、

今回の王妃とのやりとりはオリジナル脚本。
(小説では護佐丸討伐前に王妃は病死しています)

それからこれは初演からだけど
賢雄や百十踏揚の最期のシーンなど
小説にはないオリジナルの場面がどんどん入ってきて
しかもそれが物語の核になっていて、

もう小説の舞台化とは違うな、
もうオリジナルの「百十」になったな、
と思いました。

 

本当に、素晴らしいです

 

+ + +

 

 

百十踏揚は去年と同じくチヒロさんと、
去年肝高の阿麻和利を卒業したリサコさん。

どちらも安定の百十踏揚

お二人とも、去年よりも
「強い百十踏揚」になってると思いました。

強いというか、きっぱりしてるというか。

幼少期の百十踏揚と賢雄が登場するようになって感じたのは
やっぱり幼少期のおてんばお嬢様っぷりと、
大人になってからの麗しく儚いTHE姫というキャラクターや、
幼馴染として身分の差なく言い合ってた賢雄との関係のギャップ。

百十踏揚のキャラクター表現がより強くなったことによって
これらのギャップはだいぶ縮まってる印象でした。

 

賢雄との関係もフランクだったのが
夫婦になった後も随所に感じられ良かったです(^^)

賢雄と百十踏揚・思徳金一行との別れのシーンは、
幼少期の百十踏揚や賢雄の回想シーンで

「これから何があってもお前を守ってやるからな」

をリンクさせて☆

小説ではここが泣ける!百十踏揚が賢雄に対して本当にわだかまりが溶ける所なの

 

 

+ + +

 

そして、今回の特記事項。

 

日曜夜の、最終公演。

 

尚徳出た。

 

この1公演のみ!

この1公演だけ、実験的な試みなのか、
間に休憩も挟んでの2幕構成。

1幕のラスト、金丸のクーデター勃発のシーンで。

 

「おのれ金丸!」
「父(尚泰久)の恩を忘れたか!」

 

舞台上の人の発声ではなく、
舞台裏からのマイク発声(もしくは事前録音)。

え、え、えっ!?

この感じ、
このセリフ、
まさか、尚円王回顧譚!!??

中央には逆光で顔の見えない男が一人。

誰!?

金丸!?

えっ、うそ、
尚徳!!???

自害する尚徳。

そして、ライトダウン、緞帳が下りる。


・・・・・・(口あんぐり)

 

休憩に入り、会場が明るくなっても、
しばらく口開けたまま放心状態でした(笑)

 

マージーかー!?

(↑は帰ってからツイッターにあげたもの。
このイラストよりも、もっとあんぐり+放心って感じでした)

 

今度は尚円王回顧譚の再演を、と願っていて
その日のかっちんカナーのレビューでも書いてたばかりだったのに、

まさか、こんな形で再会するとは。

(台詞とか違うかもだけど、
回顧譚では舞台上にいたのは金丸で尚徳は出てないけど、
でもあれを彷彿とさせる感じでした

 

これは完全に予想外でした。

見れて良かった。

マジでこれはラッキーでした。

 

尚徳!継続求む!!

 

 

ちなみに、この時の尚徳、
土曜日の百十踏揚役のちひろさんだったことをツイッターで知り、
二度度肝抜かれた、という後日談。

 

 

+ + +

 

 

賢雄はリョウ君一人で4公演、お疲れ様でした!

越来での祝言のシーンで
衣替え(頭巾)が行われたのも
阿麻和利の戴冠式のシーンみたく
按司になった感が出てよかったな(^^)
(そして隣に立つもやつれて元気のない百十踏揚…)

 

賢雄最期のシーンは、
現代版組踊シリーズの中でも特に好き!

私、この系統の死ぬシーンが好きなんだね。
(アカハチとかワカチャラとか、これ系)

 

賢雄の戦いのシーンは
賢雄は体をいっぱい動かして、
「コノヤロー!」とかの雄たけびもあり、
アンサンブルさんのメンバーも増え(たよね?)、
迫力満点!!

 

知花大親がソロで死ぬシーンも追加されてました。
(今回の百十、死ぬシーンめちゃ多い。未遂含む(笑))

 

三つ巴松明隊の踊り、好き!
(百十CD化の際にはこの曲も収録してほしい!)

ボーカルさんのコーラスが入るまでの
松明隊だけの演舞だけの所は
音的にちょっと物足りないから、
唸るとかなんかあるといいのかも、
と思ってましたが、

日曜日公演では、敵兵の男サンが
客席でうろうろしながら大声出しててよかったです

 

 

 

+ + +

 

他にも細かい変化は色々あったのですが、
今回は大きい変革がありすぎたので
これくらいにしておきます。

やっぱり、この舞台は私にとって特別な作品です!

 

今回もばっちりデトックス・涙活させていただきました!

 

ありがとう百十~MOMOTO~!

 

次回も楽しみにしています

 

 

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現代版組踊舞台レビューについて

2017年11月06日 | ・現代版組踊レポ


↑このちらしは2008年のものです

 

舞台を見るたびに書いているレビュー。

現代版組踊、そして関連舞台を含めると
観劇回数も150回になりました。

 

去年Twitterを開始したこと、
一時鑑賞頻度をぐっと抑えていたのが
元に戻りつつあることもあり、

私の事を知ってくれる人や
ブログやレビューを読んでくれる人も
新しい人が増えているな…
という印象です。

 

そこで、私の舞台レビューのスタンスについて
改めてもう一度まとめておこうかと思いました。

 

 

+ + +

 

 

私の書く舞台レビューは
一言で言うと、

自分の為の備忘録

です。

 

毎回変化する現代版組踊を
できるだけ忘れたくない!

これが動機です。

 

きっかけは2008年10月に行われた
「翔べ!尚巴志」の初演でした。

 

 

この公演の1か月ちょい前の8月末に
肝高の阿麻和利を初めて見た私は
とんでもない衝撃を受けました。
(トップの画像はその時のチラシです)

 

あの時と同じ刺激と感動を
この尚巴志の舞台でも味わえるに違いない!!!
と期待度300%で行ったのですが、、、

 

残念ながら、

それは叶いませんでした。

 

見終わった後に残ったのは
「あれ??」「う~ん??」というもやもやした気持ち…。

 

今思えば当然です。
(当時)8年続けられていた伝統ある・現代版組踊の核とも言える肝高の阿麻和利と、
何もかもができたばかりで試行錯誤中であったろう尚巴志では
積み上げてきたものが違うのですから。

(なお、今の翔べ!尚巴志⇒鬼鷲は言うまでもなくハイレベルです)

 

でも、期待と違った、残念だったなんて、
そんなこと言ったら悪いよね……
と一切記録には残さなかったのです。

 

そしたら。

 

記憶が全部なくなってた。

 

残ってるのは、

もやもやした、
あの何とも言えない感情だけ。

 

 

これには愕然としました。

翌年、第2回の翔べ!尚巴志を見に行った時に、
何が変わったんだろう
何が進化、成長したんだろう、

 

それが一切分からなかった。

何も思い出せなかった。

 

この、後悔。

 

これが、私がレビューを書き始めた、

そして


良かったこともイマイチだと思ったことも、
見た時の感想を正直に書いておこう

そしてなんでそう思ったのかも
ちゃんと考えてみよう

指摘をするなら私なりに代案も考えてみよう

と思った理由なのです。

 

自分のための備忘録とはいえ、
ブログと言う公開されている媒体に
書いているからには
読んでくれる人がいるので
メッセージも込める時もあります。

もちろん、

めっちゃ辛口なところもあるかもしれない、
的外れなことも言ってるかもしれない、
勘違いや記憶違いもあるかもしれない、
舞台人でもないくせに何をエラソーに、
こっちの事情も知らないで、
などと思われることも書いているかもしれない。

 

でも、

いち一般の観客として、
いちファンとして、
関係者でも身内でもない、
私は私の立場で書くしかないよね…
と思っています。

(一時すごく悩んで書くのをやめようかと思った時期もありました)

 

立場が変わればもちろん見方も変わるでしょうし、
私自身も常に変化していますから
受け取り方が変わったり、
あの時理解できなかったことも今なら分かる
ということもあるでしょう。

 

だからこそ、

その時、その日に感じたことを、
できるだけそのまんま。

 


誰かのために、
というよりは将来の自分の為に。

また、いつでもこの時の感動・感情を思い出せるように。

 

そうやって書いていることが、結果、
もし、誰かの役に立つことがあるのであれば
それはそれでとてもありがたいです(^^)

 

 

妙に分析しすぎたり理論くさくなってしまうのは…

長らくデザインを学んできた性(さが)と
(すべての行為に意図を!がデザイン学にはあるので。
感覚だけではない、理論の部分)
職業病的な、いわば癖みたいなものもあります(^^;)

 

 

ただ、琉球史の知識もだいぶ入ったこともあって
どんどん記事が長くなっていってる気がするので
もうちょっとコンパクトに
まとめられるようになれたらいいな(^^;)

(小一時間位でパッと書き終われるようになりたい。
メモ、推敲も含めてレビュー記事はたいてい数時間かかってます…

 

 

+ + +

 

 

これからも現代版組踊は応援してますし
公演も見続けようと思いますし
レビューもその時できる範囲で続けていこうと思っています。

そのことだけは
昔も今も変わりません。

 

以上のことをご理解の上
読んでいただければ幸いですm(_ _)m

 

 

+ + +

 

 

参考までに↓

そもそも私が肝高の阿麻和利を初めて見ることになったきっかけとは。

私のような入り方の人って、
かなり特殊だと思うのです。


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現代版組踊かっちんカナー"初演"

2017年11月05日 | ・現代版組踊レポ


現代版組踊 「かっちんカナー」

2017年11月3日(金・祝)

肝高の阿麻和利中学生メンバー

きむたかホール

 

 

15:30からの2回目の公演を観劇ました。
(ご招待いただきました!感謝

 

この舞台は15年前に一度だけ演じられたという
"ミュージカル"

その舞台を"現代版組踊"として完全リメイクし
肝高の阿麻和利の中学生メンバーだけで
演じ切る、という新しい試み。

(ごく一部、高校生メンバーのサポートもあり)

 

肝高の阿麻和利がメンバーが
スピンオフ舞台を演じることを定期的に行う、
そうすることによってメンバーさんも観客も
新鮮さを味うことができ、マンネリ防止にもなり、
新しい発見と刺激があるはずだ、と
ずっと願ってぼやいてきたことが
百十~MOMOTO~や、
かっちんカナーという公演の現実になって
とっても嬉しい!

(金丸主人公の尚円王回顧譚の復活も願いたいところだけど…
さすがにもう無理か(^^;))

 

しかも、今回は中学生のみ!

これはめちゃくちゃレベルアップの機会になること間違いなし!

高校生に頼らず、自分たちだけで。

是非、今回だけの公演にせず、
今後も「中学生だけの舞台」として
継続していってほしいと思います

今回がその"初演"として基礎(ベース)を作ったとして、
この経験を毎年積み重ね、
今回の舞台を見ていた(経験した)1年生が
2年生、3年生となっていったら
演技も演舞も、その成長率は
これまでの比ではなくなると思っています。

これまで中学3年間の成長率が3倍だとしたら、
かっちんカナーを経験することで6倍にも12倍にもなる
そんな予感がしています。

そしてそれが本元・肝高の阿麻和利にもつながり、還元される…

嗚呼、おそろしや(笑)

 

 

今回、舞台のはじめに
15年前に演じられた舞台のVRTがちょっと流れたんですね。

それを見て思ったのは、
やっぱり演技力や演舞のレベルの違い。
(小学生もいたっぽいかな?)

昔のレベルが云々という意味ではなく、
肝高の阿麻和利があれから15年ずーっと続けてきて、
先輩の姿を見て刺激を受け、学び、育ち、成長してきた
常に変化し、進化してきた、
演技力も演舞力も、その毎年毎年の積み重ねで
今のレベルまで上がってきたんだろうな、
ということをつくづく感じました。

 

続けてこられていることに、
ただただ、感謝

 

 

+ + +

 

 

かっちんカナーを見ての感想は
各舞台とのリンクが
ファンにはたまらない!

ということ。

もちろん他舞台を知らない人も楽しめるけど、
知ってる人はより楽しめる。

こういうこういう演出、リンク・布石って大好物。

 

肝高の阿麻和利や百十~MOMOTO~はもちろん、
大航海レキオスKIMUTAKA、鬼鷲など
随所にちりばめられていました。

サルタンの演舞とか、6年ぶりだよ…。
懐かしすぎる…。

 

 

肝高の阿麻和利とのつながりは当然ながら完璧で、

肝高の阿麻和利のクライマックス(肝高の詩)で始まり、
肝高の阿麻和利の冒頭(浪漫)で終わるってゆーのがもう…

くぅ~!憎いねッ!

ってな感じでした。

 

浪漫なんか、特に良かったよ。

カナーが明国からサバに乗って出立し、
勝連の浜にたどり着く一連の流れを浪漫の一曲で。

演者さんももちろん、
カナーから、阿麻和利へ。

そしていつもの、あの第一声。

「不思議なことがあるものだ
先ほどまでのしけた波が、ぴたりと止んだぞ(以下略)」

 

ほほ~~~~……

 

もうね、鮮やかとしか言いようがない。

 

この浪漫が特に印象的だったかな。

お見事でした

 

 

+ + +

 

 

物語はコメディらしいとチラシにもあったし、
HPなどでもあらすじなどが紹介されていて
パラピ(海賊)とかパラプ(山賊)とか、
百十踏揚も明国に渡って囚われるとか
結構はちゃめちゃドタバタコメディなのかな?

と思ってたけど、

そうでもなかったかな?

結構しっかりした物語性、メッセージ性があって
護佐丸をはじめ王子時代の尚泰久などなど
歴史要素も結構入ってた。

もちろん、コミカルな演技はありましたけど、
爆笑というよりは「くすっ」って感じだったかな。

(護佐丸の孫バカっぷりとか、チビなパラプとか)

でも肝高の阿麻和利の愛の劇場みたいに
回を重ねるほどに笑えるシーンには
磨きがかかってきそうですね。

いかに演技ではっちゃけられるか、
ぶっ飛ばせるか、
絶妙な「間」をとらえられるか、
がコメディは難しいもんね(^^)

 

 

+ + +

 

 

百十踏揚はかなりの「おじょうさま」でした。

勝ち気で、おてんばで、
結構口も悪くて手も出す(笑)

以前、百十~MOMOTO~で初登場した時に書いたけど
この小説(琉球御嶽伝説)の百十踏揚がこんな感じ。

幼少時代の思戸に諫められるほど(^^;)
(思戸はMOMOTOをそのまま子供にしたって感じで違和感なし)

金丸にもケンカ売るし(金丸も買うし(笑))、
肝高の阿麻和利での「麗しきおしとやかなTHE姫」感は全然なくて
ちょっとギャップありすぎじゃないかなー
と思ってましたが

 

カナーと対面し、初会話した時、

 

声も態度も変わりよった(笑)


…惚れたな?

 

返す賢雄にはいつもの通りで。

 

わ、女の二面性(笑)

 

 

幼少期百十踏揚は百十~MOMOTO~にもでてくるし、
今回のキャラクターありきじゃなくて
これからいろいろ作っていけそうだな。

肝高の阿麻和利のとおり、
もろ「おしとやかな姫」、
だけど天然とか、
世間知らずすぎて天真爛漫とか

そういうのもよさそう( *´艸`)♪

 

 

+ + +

 

 

カナーは、結構気弱な感じでした。

目ぢからガン!
たくましくてドン!

って感じじゃなくて、

冒頭の弱ってるシーンはもちろん、
中国人に網を売り込むときとか
百十踏揚たちを助ける時も
前に前に、というよりはどこかちょっと遠慮がちで
さりげなく、という感じ。

(こちらは小説「新説 阿麻和利」のカナーが割とそんな感じ→上巻 下巻

世話になった海賊たちから離れて、
自分の使命を全うする為に…
という物語終盤あたりからは次第に声も強くなっていきましたが。

 

百十踏揚同様カナーと言うキャラをどう演じるかは
色々とバリエーションが作れそうですね!

この児童書「沖縄の星 悲劇の英雄阿麻和利加那」のカナーもなかなか面白いよ

 

 

…で、
ここは意見は分かれる所かも知れませんが、

 

個人的には、

 

演者さん(カナー)には歌ってほしくなかった…。
(曲自体も音程取りにくい難しい曲)

 

ミュージカルじゃなくて、
現代版「組踊」としている一つの特徴は
やっぱり

演者は歌わない

ってことだと思うのです。

だから私は
現代版組踊はあくまでも現代版組踊であって
ミュージカルとは違う
と思ってます。

(知らない人に簡単に説明するために
この言葉を利用することはあったとしても)

この1回だけではありましたが、
やっぱりここはバンドさんに任せて
捨てられ琉球を離れた心情を
演舞や演技で見せてほしかったな…。

 

 

+ + +

 

 

アンサンブルさん。

中学生だけでも、全くそん色なし!

さすが舞台の花。

 

最後のテーマソング&演舞も
もちろん今回もハズレなし!

 

あ、そうそう、波の演出すごかったな!

ああやって一瞬で舞台が変わる演出大好き!

ハッ!

ってなる(笑)

男サンが「アレ」をもって現れた時、
何かのしかけなんだろうな、
なんになるんだろうな、
と思っていたけど、
まさかの波で、
あの布の感じもさざ波感が出てて
すごく良かったデス!

 

(ところで海賊たちが最初に襲った
カナーを乗せてたあの団体って…何???
聞き逃した??(^^;))

 

 

+ + +

 

 

そして、舞台終了後、
歴史談義に花を咲かせている方々も。

 

最後は阿麻和利が護佐丸を殺すんだよね。

ほら、最初にカナーを助けた。

えー、そうなの??

ほら、組踊の鶴松、亀千代が…

 

 

そう!

これこそ!!

 

舞台を通して歴史を知る、
興味を持つ、
人物を身近に感じる、
郷土に誇りを持つ、

 

琉球史の世界へようこそ!

 

ワタシも今後もぞんぶんに琉球史の世界を
楽しんでまいりたいと思います。

 

そして新たな琉球浪漫を再スタートさせてくれた
かっちんカナー関係者のみなさん、
どうもありがとうございました。

 

 

もちろん、
まだまだこれから
という所はありますが、
先も述べたように、
これはある意味"初演"。

続けて、重ねて、繋げて、
どんどん進化、深化させていってほしいなと
思います。

今後の成長に、期待!

 

応援してます!

 

頑張れ!かっちんカナー!


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4年ぶりの北山の風(※長文)

2017年10月15日 | ・現代版組踊レポ

北山の風~今帰仁城風雲録~

2017年10月14日(土)

今帰仁城址

 

久さびに観に行ってきました、北山の風!

 

北山の風は、
おそらく、私が最初に
「歴史の見方の面白さ」
を実感した舞台だと思います。

北山の風がスタートする前に
既に尚巴志の舞台はあったのですが、
同じ出来事、同じ人物でも見方を変えればこうも違う、
という面白さ。

同じ現代版組踊というシリーズの中で(ここがポイント)
相反するこのような舞台があることはとても貴重だと思います。

それが歴史の楽しむということに繋がっていると
ワタシは思います。

(だから個人的には鬼鷲では北山組をヒーローにする必要はないと思ってます。
鬼鷲でのヒーロー(正義)はあくまでも尚巴志であってほしい!)

 

前のワカチャラ観劇の時もそうでしたが、

見終わった後、

ああ、ワタシ、今、すっごく歴史を楽しんでるな、
沖縄に生まれてよかったな…

という思いをひしひしと噛み締めています。

 

なので片道1時間半以上の道のりも
ラジオもつけず、音楽もかけず、
まったくの無音で余韻に浸って帰りましたよ。

 

そんな、久しぶりの北山の風、
いったいいつぶりだろう?

とブログを振り返ってみたら
なんと4年前(!)
この時以来

いつの間にこんなに月日が流れていたのか…。

 

4年もたてば変化も大きいだろう
ということで、
今回はその変化を中心に
書いていこうと思います。

 

 

 +

 

 

まず、第一印象。

男の子、増えた!!

一時期、人数も減って
ある意味存続が危機と聞いていた時期もあったのですが
見事に復活!!な印象。

メインキャストの
攀安知、本部、謝名、紀秀先生、
そして尚巴志なども男の子!

男の子たちは背も高くて声もしぶかった。

いつだったか見た、
あの時小学生だった男の子たちが
そのまま高校生になっているんだろうか?

そうだとしたらこれほど頼もしいことはありません

 

 

+

 

 

冒頭の総演舞、
「出発の朝~北山の風バージョン~」
で華やかに始まったとたん、


ああ、そうだったそうだった、懐かしい~!

と、かつての記憶が一気にフラッシュバック。

オープニングと同時に雨が降り出したのには
マジかー!?

と思いましたが、
幸い、このひと時だけですみました(安堵)。

 

 

+

 

 

門番のうしーとうまー。

コミカルなキャラ設定で
舞台の中で笑いを取る部分でもあったのですが、
だいぶあっさりになってました。

本部に
「門番の、うしーと、」「うまーです」
と自己紹介するシーンもなかったので
笑えるシーンは舞台を通してなかったかな。

そういえば後に再登場して
逃れた千代松を探しに来た時に
謝名に殺されるシーンもなかったです。
刀を全く扱えてない感じがかわいかったのですが。
(これはホール公演オンリーの場面かな?)

うしーとうまーと言えば、
パンフレットの人物相関図、

「門番たち:うし、うま、やぎ」

 

…やぎ!?Σ(゚Д゚ )

 

今回はやぎはいなかったんですが、

いやん、やぎ見たかったー(笑)

なんかもう、笑えるのが目に浮かぶ(笑)

公演によっていたりいなかったりするみたいです。

 

 

+

 

 

女性アンサンブルさんは
初めての演舞&衣装が見れました。

千代松の生年祝いの時の舞。

これまでは地元の青年会とかのエイサーだったんだけど
今回は女性アンサンブルで1曲分。

続く中山攻め入りのシーンもかっこよかった!

旗デザイン、変わった?

闇夜に駆け巡る炎の感じが良く出てて
攀安知を囲むところなんかもう、
火攻め感抜群でしたね。

音のアレンジがもうちょっと
重く厚くなるともっと好み

 

 

+

 

 

攀安知が死ぬシーンは
いつ見ても最高。

ガサシワカチャラのレビューで
好きな死にざまベスト3を描きましたが、
北山の風での攀安知も最高だわ。

「三国一の果報者よ」

などの口上といい、
BGMといい、
刀を掲げたポーズと言い、
ゆっくりと退場していく演出と言い、
とても印象的な死にざまです。

攀安知、惚れるわ。

 

 

ただね、
BGMの録音の音がね、
いきなり大音量で入ったり
ぶつっと切れたりするのは
やっぱり余韻を崩すのでちょっともったいない。

生じゃないから細かな調整は厳しいかもしれませんが
フェードイン、フェードアウトなどで
ちょっと調整できたらいいなーと思います。

 

 

 

 

 

千代松は幼少期と元服後のWキャスト!

生長し元服したって時の
くるっと演出が良かったな(^^)

演者が変わって声も変わるから
より成長した感が伝わりますね。

(演者さん自身は幼少期を演じた子のほうが年上のようですが。
ごめんなさい、すごい小柄だったので
遠目に小学生か中学生1・2年生?
って思ってら高3でした。
どうりで上手いはずだ(笑))


以前から好きなシーンは
謝名からすべてを明かされて
決意をするシーン。

前までの無邪気で芸事が好きな彼の姿はどこへやら、
一気に一人前の、北山王の世子の顔になる。

敵討ちを思いとどまらせようとする乙樽に、

「分かってください!
君主と生死を共にすることもできず、
一身に私を育ててくれた謝名の想いもむげにはできぬ」

もうね、武士だよね。

千代松のキャラクターは
この一言に集約されているといっても
過言ではないくらい。

そのあとの乙樽の間は…
やっぱりもっと…もっと……とってほしい…。
(音楽との尺の問題で間がとれないのかなー?うーん?
本部と真鶴の「気の回しすぎでした、すみません」の前の間はたっぷりあってグっ!☆)

 

幼少期の千代松に話を戻すと、

素性を隠して再開する本部と千代松のシーン。

別れる時に本部が千代松に扇子をプレゼントする。

千代松は感じ取ったことをかみしめて
去り際、本部を呼び止めて、


「これ、宝物にするね」
「死んだ父ちゃんに会えたようで嬉しかったよ」

と走り去るのですが。

 

扇子!!

宝物の扇子!!

再登場、求む!!!

 

え、した!?しなかったよね??

あれだけのエピソードとモノがあったら
絶対布石だと思うのに
最後の最後までなかったのはもったいなかったー!

え、あった?気づかなかっただけ????

例えば、懐からだして本部の骸に添えるとか、
二人の正体が分かりあうときに扇子が証拠になるとか、
色々おいしく使えるアイテムだと思うけど。

だって宝物にすると敢えて言ったからには
絶対持ってるでしょ。
あんな人生で重要な日ならなおさら。

個人的には、
千代松にそれを使って追悼の舞をするとかして
(これも本部に舞のコツを習ったという前シーンとのリンク)
本部の骸に供えてほしい。

 

 

本部が死んだあとの演出も少し変わってました。

ここは中央の真鶴や本部もいいけど、
個人的には謝名と千代松をガン見。

今まで色々なパターンがあったけど。

千代松は本部を刺した時ショックで刀を落とすんですが、
(その時の本部の咳こみと瀕死な感じグッ!)
謝名がその刀を取って鞘に納め、
再び千代松に渡す。

動揺が隠せない千代松ではあったが
どうにか落ち着きを取り戻し、

丸鶴が去ったあと、
骸に手を合わせる、というもの。

千代松のセリフはなし

でした。

 

 

+

 

 

そしてクライマックスの演舞とダイナミック琉球。

テーマソング、めっちゃ素敵なんですよね。

CD化求む!
(毎回言ってる気がする…)

聴きたいときは以前購入したDVDの
チャプター画面で流れるのを聴いてます(笑)

扇子の舞も健在!相変わらずお見事です!

ダイナミック琉球への流れも余韻が途切れず
スムーズで綺麗だったな。

 

 

そしてそして、
挨拶や出演者紹介があって
メンバーさんがはける最後の最後のシーン。

 

今回の観劇で一番心にぐっと来たのは
実は、この最後の最後のシーンでした。

 

キャストがペアで次々と退場していくなか、
最後に残ったのは
攀安知でもなく、
本部でもなく、
ストーリーテーラーの新城紀秀先生ひとりだった!
(これまでは最後ではなかった)

そして、その直前に舞台を下りていた
攀安知・本部・謝名が
紀秀先生を振り返って深々と礼をする。

 

くぅ~!

って内心唸ると同時に、

そっか、そうなんだ……

って涙が出そうになりました。
(今でも思い出したらうるっとくる)

 

これは北山の風という舞台の立ち上げに
大きく関係してくるんだけど。

ストーリーテーラーの紀秀先生は
この物語の原作者であるお方。

パンフレットにも説明書きがあり、
劇中でも語られるのですが、
戦後間もない、すさんだ時代に、
子供たちに勇気と希望を持ってもらうために
当時教頭だった紀秀先生が制作したのがこの物語。

数十年を経て、
かつての教え子たちが舞台の復活を望んで
平田さんに相談した。

そして立ち上がったのがこの北山の風なのです。

今は亡き紀秀先生がこの物語や舞台に込めた想いや願い、
それを引き継ぐ今の子どもたちの決意と敬意、
そんなことを感じました。

ご存命だったときの紀秀先生の姿や
挨拶が思い出されて
すごく敬虔…というのかな、
そんな気持ちにもなりました。

 

北山の風の舞台、
これからも大切にしていきたいですね。

 

 いちファンとしてこれからも応援しています!

 

 

+

 

 

 

最後に、

4年ぶりにも関わらず、
ワタシのことを覚えてくださっていた
北山てぃーだの会の皆様、
卒業生のみなさん、
色々お話することができて嬉しかったです!
(お声かけ、感謝です!)

あの頃の高校生がもう社会人になり
OB・OGとして後輩の指導にあたったり
それぞれの道で頑張っていることが知れて
頼もしく、とても嬉しかったです!

 

裏でのサポートお疲れ様でした!

そしてありがとうございました!!

 

 

 

 

・・

 

 

・・・

 

 

・・・・

 

 

「首里のへろへろむし(武士)め!」
が健在だったのは
密かに嬉しかったデス(笑)


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月光の按司ガサシワカチャラin久米島【後編】

2017年10月07日 | ・現代版組踊レポ

前記事の続き)

 

 

 

現代版組踊ガサシワカチャラ
公演レビュー、後編です。

 

 

主人公格のワカチャラとお父ちゃん以外を書くと、

キンマムン(キンマモン=君真物)託宣のあとの
正妃、長男、次男、お父ちゃんらのシーンが良かったですね。

ワカチャラが民に嬉々と迎えられ
堂々とビジョンを語るシーンなのですが、

ここで見るべきは
絶対正妃と兄貴と父ちゃんたちだ!
と背景にいる彼らを凝視してました。

嫉妬と怒りをあらわにする正妃(と兄貴)と、
実に複雑な心境を魅せるお父ちゃんが良かったですねー。

それぞれ啖呵をきって退場するも、
最後に残ったお父ちゃんの複雑な笑顔と
ワカチャラを励ます姿にキュン

兄貴たちはいい塩梅のサブキャラで、
ガンガン攻める正妃とのバランスがgoodでした。

正妃ちゃん、かわいい顔して
いいスパイスふりまいてくれてましたねー。

キツイ顔や化粧ではないのに、
声もかわいいし張ってる感じはないのに、
態度は高飛車でキツイ。

ワタシのオギヤカの理想です(笑)

そしてまぁ、カラジが似合う事!
横顔の骨格が私の好みど真ん中でほれぼれしました。
↑マニアック

終演後、退場するときに
憎んでいた真牛の自ら手をつかんで降りていくの、
(そして下でフン!って手を振り払い、
困り笑いで後をついていく真牛)
めっちゃかわいくて良かったです!

 

 

神女のオトチコバラは
久米島が誇る由緒正しきノロ・君南風じゃダメなのかな?
と思ったけど、
君南風さんは現在も実在するし、
王府のアカハチ討伐に従軍した(首里派)ということで
物語の兼ね合いから難しかったのかな?

 

 


+ + +

 

 

そして、
お父ちゃんを息子討伐に追いやった黒幕
首里王府、尚真。

実際に尚真代に行われた
久米島討伐とリンクさせて。

となると、悪役は尚真となるわけですが
一応尚真側にも彼らなりの考えがあってのこと、
というフォローはあって。

尚真がワカチャラに同情する一面も。

 

現代版組踊シリーズで複数登場してる尚真。

例えばアカハチ、
鬼鷲、
尚円王回顧譚
そして今回の舞台。

尚真という同じキャラクターが
舞台ごとに違うというのは
実はとっても面白くて深い。

 

ブログでも何度も繰り返し書いてますが

歴史の"事実(できごと)"はひとつであっても、
歴史の"真実"は解釈する人の数だけある。

同じ人物でも、見方によってはガラリと変わる。

だから、
歴史に触れるそれぞれが調べ考えて、
想像してみればいいと思うのです。

現代版組踊って
そんな楽しみ方も提供してくれているな、と。

「鬼鷲」と「北山の風」の相違もまた然り。
前回の鬼鷲は特別だったけど、今度はどうかな…)

今回演じられた尚真の姿が、すべてではない。

王府による久米島討伐は実際に行われたけど、
その背後にある思惑や考えは
想像するしかないもんね。

それが歴史を楽しむ醍醐味だと思うのです。

 

+ + +

 

ちょっとだけ、
んん?と思ったのは
舞台冒頭の登場人物紹介。

ストーリーテーラーでもある
ワカチャラの実母・真牛が
舞台に居並ぶ主要キャラたちを紹介するのですが

昼公演で初めて見た時、
紹介された時に誰も微動だにしないので

ん??今言ってるの舞台上の誰??

ってなりました(^_^;)

 

人物にスポットライト当てるか、
設備上それが無理なら
言われたキャラが少し前に出るとか
胸を張るなどちょっとしたポーズをとるとか
あると分かりやすかったなーと思います。

最初はどれが誰だか分からないまま
流れていった感があるので。

もちろん物語が進んでいけば分かるし、
観劇2回目からはスッキリなんですけどねー(^_^;)

 

堂の比屋なんかもね、
歴史とは違った立ち位置だったので
(でも歴史上の寝返りエッセンスを
こういう感じで入れてくるのかーって唸ったけど)

幕開けの首里が攻めてるシーンなんかは
観劇2回目から味わえる演出かなー。

だから夜公演も見れることになってて
心底良かったと思いました。

尚真、辺土名、堂の比屋に関しては
あと数回観劇しないと本当の面白さというか
狙いと深さは分からない気がしてます。

という訳で次回はこの辺、
要チェックしたいと思います!

 

 

そうそう、人物紹介と言えば、
舞台衣装の変更、正解だと思います。
(今回から、で合ってるかな?)

最初の頃は向立てに組踊衣装で
護佐丸、阿麻和利そのまんまの衣装で
昔のちらしとか見ても思うけど
これじゃ舞台上でどれが誰だか分かりづらい。

実は初演の時からぼやてるんだけど
今回主役格が二人と知って、尚更そう感じました。

 

 

 

舞台は映像と違って
顔などをアップで見ることはないので
遠目に見た時のパッと見の印象、
つまり髪型や服飾や色って
登場人物を区別するのにかなり重要。

もちろん舞台立ち上げ最初の頃は
衣装も他チームから借りてやってただろうから、
しょうがないんだろうけどね。

主人公のワカチャラはハチマキに髭なし、
お父ちゃんはカタカシラに髭、
二人とも向立はなし。

今後も向立なし、に一票です

そのほうが本島とは違う
離島文化感も出ると思うし。

 

+ + +

 

 ところで今回からガラリと変わったビジュアル戦略!

舞台タイトルも
カタカナ表記に一新!

メンバーさんが登場するチラシももちろん素敵ですが、
(背景は宇江城グスクと登武那覇グスクかな)

町の人たちを使った
皆が英雄みたいな、
このバージョンも好き!!

 

 

すごいセンス!

ナイスアイディア!

 

 電通沖縄制作かな??

 

あれ、しかし、
だとすると向立は必要なのか…?

…あ、もしかして今回は女の子だからカタカシラ結えたけど
男の子だったらそれができないから向立必須とか…?
うーん、だとしたら向立は
ワカチャラかお父ちゃん
どちらか一人だけにする…とか。

ってゆーか、ワカチャラは若いから
(独身という所から言ってたぶん10代後半)
女の子が演じるのを定着させてもいいと思う。
お父ちゃんは男の子演者さんにするとしても。


 

のぼりがずらっと並べられた景色も
圧巻でした!

関連史跡の入り口とかに立てててもいいかも!

舞台を見て史跡巡る人も絶対いるし、
公演の前後1週間だけでも。

 

 

 + + +

 

 

というわけで、

つらつらと書いてきましたが
キリがないんで
そろそろ終わりにしようと思います。

 

12月には那覇のタイムスホールでの
公演が決定したとのこと!

前みたいに一般も観劇できるかな??

一般も可能なら
また是非見に行きたいと思います!
(今度はぎっくり腰にならないように気をつけて(笑))

 

またワカチャラやお父ちゃんに会えるのを
楽しみにしています

 

久米島メンバーの皆さん、
スタッフさん佐、保護者の皆様、

素敵な久米島歴史浪漫を
ありがとうございました!

 

 

追伸:

サントラCDも毎日聞いてます!
テーマソングサイコー


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月光の按司ガサシワカチャラin久米島【前編】

2017年10月06日 | ・現代版組踊レポ

ブログ更新、
だいぶ間が空いてしまいました

お久しぶりです

表の仕事と裏のシゴトが
Wで繁忙(追い込み)期に入り
ブログまで手が回りませんでした
(ツイッターは基本毎日なにかしら呟いてます)

10月はすこしづつ
落ち着いていく(はず)なので
また更新頑張りますので
お付き合いくださいm(_ _)m
(ネタも溜まりまくり!)

 

さて、そんな中ではありましたが、
先週、

 

久米島に行ってきました。

 

久米島は以前も行ったことがあるので
2回目になります。

急きょ決まった久米島旅、
旅の目的は…

 

現代版組踊
ガサシワカチャラ公演!

 

まだ本公演は見たことがなかった
この舞台。
(アトラクションはあるけど)

以前、
那覇に来てた時に行く予定だったのに
ぎっくり腰で断念してたこの舞台。

本島での公演でもないし
長期休み中でもないので、
いつもなら次の機会に…
となる所ですが、
今回は色々とワケがあって、

 

…よし!もう行っちゃえ!

 

となりました。

(夏に行く予定だった離島旅行が
台風でダメになったから、
というのも決行理由の一つ)

 

琉球歴女弟子・澪之助も誘って
いざ、
久米島の旅(ggain)にレッツゴー

 

久米島史跡記事もまた少し
UPしていくと思いますが、

その前に、
旅の目的であったこちらから!

 

 

 

 

月光の按司 ガサシワカチャラ

2017年9月30日(土)

久米島町具志川改善センター

 

 

昼と、特別に夜もと、
両方観劇させてもらいました!

 

主人公は久米島のパーフェクトヒーロー
笠末若茶良(ガサシワカチャラ)。

彼については
何度か記事にしたこともあるのですが
(→   
簡単に書くと
イケメンで、心優しくて、
強くて、人望もあって、
独身で(これ案外大事、だって若いってことだから(笑))
神にも祝福されている…
という人。

 

時は15世紀前後、久米島を統治していた
伊敷索(ちなは)按司の息子で
側室腹の3男として誕生。

登武那覇(とんなは)グスクを任され
一按司として活躍しますが、
その人気を父に疎まれ、
ついに父に討たれてしまう…


という久米島の歴史を題材にした舞台。

 

(現代版組踊は歴史劇なので、
観劇前にこのような歴史ベースや
あらすじや登場人物などを
ざっくり頭に入れておくのが吉!)

 



↑これは前の久米島旅の際に作ったやつ。
(クリックで拡大します)

 

このような歴史で
いわば悪役になっている伊敷索按司、
つまりワカチャラのお父ちゃんが
単なる勧善懲悪の悪役ではなく、
彼なりの正義があってほしいなと
ぼんやりと思っていたのです、

 

が、

 

今回の舞台、

完全にお父ちゃんにヤラれました…

 

ワカチャラは文句なき正義であり
完璧な主人公であるから
ある程度想像はついたのですが、

お父ちゃんがこう来るとは
正直、予想以上でした。

 

久米島の歴史全くのゼロ知識で見た人は
もしかしたらそれほどでもないのかもしれないけど、

歴史のベースを頭に入れていた私は
各登場人物についてもその印象があっただけに、
それとの比較というか、ギャップと言うか、
いい意味での驚きと意外性があり、

 

まずは脚本の良さにノックアウト

 

でした。

蔵當さんブラボー!

 

 

 

側室腹でも息子を愛する父の姿、
神託でワカチャラが後継者と言われた時の複雑な心境、
正妃やその息子たちとの板挟み、
久米島の統治者としての責任と葛藤、
そして覚悟。

おそらく一番演技力がいる、
物語の要となる人物、立ち位置だったんじゃないかと。

 

歴史の通り、
お父ちゃんはワカチャラを攻めるのですが、
驚く彼に対して、
首里からの命令だという本当の動機を隠し、

"わしや兄たちを差し置いて
久米島を乗っ取ろうとした"

と言ったのが1番
「ほほうっ!?」
ってひっかかった。

なぜここで本心を隠す必要があったのか
なぜ憎まれ役を買うような物言いをしたのか、

ここにお父ちゃんの全てがある

と思いました。

 

ここは舞台を繰り返し見るごとに
より咀嚼でき、
見方を深めることができそうだなと思いました。

結局はのちに本心を明かすのですが、
そこで垣間見れる按司としての伊敷索と
父としての伊敷索がぶつかりあって
(このシーンは父>按司だけど)
彼らの強さも弱さも、
そして父子の愛も魅せてくれました!

母子の愛はこれまでたくさんあったけど
父子ってのは新鮮で、
母子とは違うものがありますよね。

泣けるゼ父ちゃん…。

 

こういうの好物だ… (*´﹃`*)

 

 

 

というわけで、
伊敷索按司(お父ちゃん)は紛れもなく
久米島の英雄、ヒーローだ!

 

 

久米島の人の心には、
一人の英雄が生きている。

 

いや!一人じゃない!
二人だ!!

ビバ!お父ちゃん!

 

 

+ + +

 

主人公のワカチャラももちろん素晴らしかったです。

今回はメンバー全員が女の子!

ワカチャラもお父ちゃんも演者さん全員女の子
だったのですが、
女の子だという違和感は全くなく、
かっこよくて、勇ましくて、きれいでした。

 

ワカチャラ関係で印象的だったのは、

まずは神託が下って民に演説する所。

 

太陽は(自分ではなく)民たちだ。
私はその太陽の光を受けて輝く月だ

と。

なるほど、上手いこと言うな、と感心(笑)

 

2つめが粟国島に追放された母を想うシーン。

「北山の風」の乙樽と丘春のシーンと
ちょっと似てるかな。

久米島と粟国島、遠く離れた場所で
それぞれを想い語り合うシーン。

これはもう、鉄板ですね。

その前に演じられた父子の愛とは
やっぱりまた違ったしっとりさと哀愁があって
聴衆の涙を誘っていました。

 

 

3つ目が死ぬシーン。

主人公の死ぬシーンは
現代版組踊の名物でもありますが、

こ、これはベスト3入りですね!

音楽と、女性アンサンブルと、演者さんとの
掛け合いがお見事でした!

特に女サンの床をドンドンする、
間際のクレッシェンドが好き!!

 

うおぉぉ……

 

という息をのむ圧巻の死にざまに加えて、
クメジマボタルのシーン!

ああ、綺麗すぎて泣ける…

 

ちなみに死にざまベスト3の残りは
「百十~MOMOTO~」の賢雄と、
「オヤケアカハチ」のアカハチ。

阿麻和利ももちろん好きですが、
あれは死にざまというよりは昇天。

番外編として、
鬼鷲の攀安知の狂い死に。
(ただし演者さんや公演による)

 

そういえば、
この時のワカチャラを攻める伊敷索軍の旗紋、
松に波って本当の伊敷索の紋??

でも松は本土の松紋の表現だったし、
舞台のオリジナルなのかなー?

家紋フリークの私としては
かなり気になりました(*・ω・*)

 

 

+ + +

 

 

どうやら長くなりそうなので、
いったんここで区切ります。

 

後編へ続く!


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3年半ぶりの綾庭の宴

2017年01月15日 | ・現代版組踊レポ

綾庭の宴

2017年1月14日(土)

ミュージックタウン音市場

 

 

今年観劇初めは、綾庭の宴(夜公演)!

前回見たのが’13.8(→レポ)みたいだから、
約3年半ぶり、5回目の観劇。

わーお、だいぶ間空いたなぁ…。

 

間がだいぶ空いてしまったので
細かくどう変わったとか
そういうのは分からないのですが
言えるのは、
やっぱり見応え聴き応えのある舞台である事。

映像、照明、音響など
ライブハウスならではの臨場感があること。

そしてバリエーション豊かな出演陣。

まぎれもなく、変わらず、
オキナワエンターテインメイントアトラクション
だったということ。

この肩書きに偽りはありませんね。

 

舞台が始まる前からの舞台では演技が繰り広げられているという演出、

今回は既に客席にキジムナーも座ってて
時々あまはいくまはいしながら
わちゃわちゃなんかやってました(笑)

そういえばベンビーさんじゃないキジムナーを見るのは初めてだ!

でもがっつりキャッチ―なキジムナーで面白かった♪

今回もお笑い芸人さんなのかな?
(役者表、役名は載ってなかったのでどれが誰だかわかんなかった

 

 

そしてやっぱり冒頭の映像が素晴らしい。

すごいドラマチック。

あの映像だけでも何回も見たい。
鳥肌たつしふるえてくる。

あれだけでも
つかみは完璧
だよね。

 

 

演者さんたちはキジムナーやヒロインを含め
前回見てた時とがらりと変わったんだけど
どれも安定感ある演技でした。

個人的にはウチナー芝居のトコが好きだな。

おばちゃんたちがめっちゃおばちゃんで。
(セリフも方言)

とにかくおばちゃん(笑)

 このおばちゃん具合が笑いを誘う( ̄m ̄*)

 

エイサーも空手もキレッキレだし、
薩摩侵攻の演出もかっこいいし、
獅子舞もパワフルで
創作琉舞も華やかできれい。

収容所のシーンでの"THE蝋人形"も
(今風にいえばマネキンチャレンジ?)
健在だしやっぱりすごかった。
マジでスゴイ。
こわいくらいスゴイ。
照明の効果もあるのか
あの部分は突出して完全に蝋人形だよ。

 

物語を通しての感想やこの舞台のすばらしさは
この時のレポに集約されてて
もう書ききったって感じなので割愛します。

 

 

ただ、今回特筆するとしたら…

 


カンカラサンシンの場面。

 

戦争の悲惨さとかより
そこから立ち直っていこうとする人々の
強さやたくましさに弱い私は
いつもここで涙そうそう

 

ただ前回と違っていたのは、

カンカラサンシンをつま弾く男性が
戦争で気がふれてしまった、
という設定になっていたこと。
(これまで見たのは普通の青年・少年)

 

その演技たるや、

 

すごいよ、

すごすぎたよ、

大地くん…。

 

最初目を疑ったくらい役変化がすごかった。
どんどん演技うまくなっていくね。

あの「ええ声」も完全封印。

あの大きな体格に
片足を負傷して麻痺させたしぐさも
かなりリアルで、

 

すごすぎて、

びっくりして、

涙(感傷)は完全に吹き飛んでしまいました(^^;)

 

 

え、今回なんでこの設定?

誰かそういうモデルの人でもいるのかな?

生き残った人たちに向けた
「命のまつり」は
小那覇舞天さんの言葉だけど…。

 

この設定がいいとか悪いとかじゃなくて
そうじゃなかった設定を見てきていただけに
びっくりのほうが勝ったという感想かな

 

+

 

ちょっと話ずれるけど、
沖縄にはこういう演技がすごい若い子たちがたくさんいるんだから
ローカルCMとかにもっとこういう子たちを
活用したらいいのにって思う。
ラジオCMとかの声だけのものも含めてさ。

時々スゴイ棒読みのCMとかあってびっくりするもんな。

 

+

 

 

話を戻して
今回気になった点が2つ。

 

キジムナーとリコの最初のタイムスリップは
「400年前の琉球」なんだけど、
これ「500年前」の方がいいかも?

すぐ「綾庭」の説明で1450年の越来間切っていうし、
400年前の薩摩侵攻のシーンは
もっと後で出てくるし、
時系列ごとにタイムスリップしているとなると
あの華やかな時代を見せている最初の場面は
500年前(欲を言えば560年)って
言っちゃったほうが自然だと思いました。

 

+

 

あと、カナーとチルーの二人が踊るシーン。

2人はもっとゆったりした演舞のほうが良かったなぁ。

なんかせかせか動いててちょっとせわしなく感じました

背景の方々の演舞はともかく
2人は恋模様を演じているわけだから
もっとゆっくりしっとり
「魅せる」って感じでもいいなーと。

 

 

前も同じ振りだった??
(「400年前」はサントラにも入ってるから最初からだね)

以前は違和感は感じませんでしたが、
今回はこの2点がなんかちょっと引っかかりましたゴメンナサイ

 

+

 

今回は綾庭では初めてアレなコメントをしてしまいましたが
「綾庭の宴」は贔屓の舞台であり
応援していきたい舞台である事は変わりません★

何より現代版組踊の卒業生たちや関係者が
頑張ってる姿を見れるのはとっても嬉しいし励みになる♡

これからも頑張ってください!

また見に行きます!

 

 

 

最後に。

今回、出演者割引で前売り券より更に500円引きで買えたのに
駐車場が満杯で近くの有料駐車場を使う羽目になって
結局600円取られたことが悔しかったです。

終わりorz

 

 

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泣ける現代版組踊No.1「百十~MOMOTO~」

2016年12月28日 | ・現代版組踊レポ

 

百十~MOMOTO~

2016年12月17日(土)・18日(日)

きむたかホール

出演/肝高の阿麻和利(選抜)・Team NEXT TAO

 

 

土曜の夜公演と
日曜の夜公演に行ってきました!

土曜日はメインキャストが
現役の肝高の阿麻和利メンバー、

日曜日はメインキャストが
安定のTNTのメンバーということで、

新鋭・安定どちらも捨てがたく
両方観劇に至りました。

 

去年見た時は、レビューがメモ止まりで
ちゃんと書けてなかったので、
(そのメモはツイッターで晒しました)
記憶もあやふやで(汗)

見た後に、
ああ、そうだったそうだったと
色々思い出しました。

そうならないためにも
今回はちゃんと書いておかねば。

自分のための備忘録レビュー(笑)

 

 

2公演見たのですが、
主に日曜日の公演をメインに書こうと思います。

ナゼナラバ、


土曜日は…

座席選択ミスった…(´Д`;)

段差のない座列の上、
前の人の頭と体で舞台中央、
ほぼ見えず…orz

きむたかホールで中通路より前のエリアで見るときは
最前列か、F列以外は賭けだ!

ということをここにメモしておきます…。

(前の人がいないとか子供とかなら大丈夫と思うのですが…
だから「賭け」です)

 

 

で日曜公演ですが、

とにかく、涙、涙、涙…。

「ストーリー分かってて、何回も見てるのに、
それでもまだ泣けるもん?」

と聞かれたけど、

今回も泣けましたね。

あれ、なんか前回よりも、初演の時よりも泣いてない?

涙腺ゆるくなってる?

 

賢雄が死ぬシーンが近づくにつれ、

思徳と百十踏揚の別れ、

百十踏揚と天界の阿麻和利や賢雄との対話、

思徳との再会、

なぜかカーテンコールの墓参りのシーンまで

 

なんか妙に泣けましたね。

和々的泣ける現代版組踊・殿堂入りです!

 

カーテンコールでの墓参りのシーンは
アフターストーリーみたいで
物語の余韻にどっぷりハマれます。
(原作の小説でも思戸のラストページは墓参りだしね

この舞台ならでは演出で最高です!

 

 

*開演前の子供時代*


去年から登場したミニももちゃんと
チビ賢雄。

公演中の注意事項を言ってくれたりするんですが、
ここでの百十踏揚はかわいいお嬢様系。

賢雄にも
「あなたと私は違うのよっ」
と宣言するお嬢様っぷり。

可愛いけどね。

賢雄も百十踏揚にタメ口だし、
設定である"幼馴染"感はよく出てました。

転んで泣き出す百十踏揚を
おんぶしてやろうとかがんだ時に

「何があってもお前を守ってやるからな」

というチビ賢雄のセリフは
本公演への布石として。

この二人、なかなかいい味だしてるんだけど、
登場がこの一時だけっていうの
もったいないな。

回想シーンとか作って
あともうもう少し出番があったらいいな。

 

 

 

*百十踏揚*


主役である百十踏揚は
抜群のきれいさで抜群の姫でした。

土曜はしとやかな姫で、
日曜は姫というよりは母というか凛とした強さがより感じられました。

幕開け前の元気なお嬢様系のミニももちゃんを考えると
日曜日の百十踏揚はその面影を感じられたかな。
(阿麻和利の死の後差し伸べる賢雄の手を払ったり、
子供を抱かせる賢雄とのやり取りや距離感からも。
賢雄をちょっとイジるというか、
そういう幼馴染としての遊び心と余裕がありました)

土曜日は前エリアの座席だったのですが、
(日曜日は後エリア)
百十踏揚が子供と別れる決意をして
思徳金を抱きしめた時の表情が抜群に良かったです!

それまでは家臣である田場を説得するための
強く毅然とした感じだったのですが、
我が子を抱きしめたとたん溢れる感情、
悲しくて苦しくて愛おしくて震える感じ。

でもそれも一瞬だけ。
この表情は思徳金には一切見せず、
溢れる感情はぐっと飲みこんで、
また母として思徳金と対峙する。

すごーく印象的でした。

前席はこういうのが見れるのがいいよね…。

 

 

 

*思徳金*

 

今回彼はちゃんと少年でした。

田場から聞いた賢雄の訃報に、
「そんな…父上…!」
と、ちゃんと自害の意味を知って
ショックを受ける百十踏揚も気遣う。

思徳が百十踏揚に別れを叫ぶシーンは
初演から涙を誘う鉄板シーンなのですが、
今回は特にその関係性が際立ってて泣けたなぁ。

賢雄の死を理解してた彼が、
「母はしばらく遠い所に行くが、用が済んだら迎えに行く」
なんて言葉の裏を、理解できないはずがないよね。

前々からそうではあったけど、
小さいなりにちゃんと理解して、悟ってる。

彼も悲しい、苦しい。
だけど駄々をこねるのは母を余計に苦しめるだけだ。

彼も全部ぐっと飲みこんで、
決断をする。

だけどやっぱりここは子ども。

後ろ髪引かれ引かれ、
最後の最後に一言だけ、と溢れる感情。

これまではその後は凛として去って言ったけど、
(思徳、武士やね…)
今回は割と子供らしく、まだ未練を残しながらも
惜し気に去っていく。

そんな姿も良かったデス。



 

 

*金丸*


金丸はこの舞台のスパイスだと思っています。

これ(スパイス)が効いてないと、どこか物足りない。

出番は少ないけど、重要な役どころ。
物語の深みは金丸で決まるといっても過言ではないと思ってます。

 

日曜日金丸はこれがよく効いていた!

阿麻和利討伐を後悔する賢雄に、
「阿麻和利に情が移ったか!」
と怒りをあらわにして胸ぐらをつかむ金丸。

このセリフは前からあったけど、
なるほど、こういう解釈をしてきたか!
って感じでした。

金丸の怒り、ですよ。

金丸には金丸の正義があって、
護佐丸や阿麻和利の討伐も
なにも私利私欲のためにやったわけではない。

お国のために、というスタンスを
ちゃんと賢雄とも共有して事に臨んだはずなのに、
その賢雄が揺れている。

そりゃ、たまったもんじゃないわな。
金丸の正義が否定されたようで。

文官の金丸が武将である賢雄に喰ってかかるということや、
クーデター後に兵をあげた金丸に対して
「金丸殿、なぜ…!」と賢雄が苦悩を見せるところが
二人が同志だったという関係性がより見えてイイ。
(歳による上下関係はあるけど)

 

 



*百十踏揚と阿麻和利*


肝高の阿麻和利にもある
百十踏揚のソロの演舞の前に、
阿麻和利が奏でる笛の音色、
舞台背後の薄幕の後ろにずっとたたずむ阿麻和利、
思戸に声をかけられて我に返った時に
その姿もふっと消える。
百十踏揚がずっと阿麻和利を想っている感が出てて
余韻も残る、とてもきれいな空想シーンでした。

土曜日は6代目阿麻和利のなーりー君。
日曜日は現役メンバーから女の子阿麻和利でした。

女の子阿麻和利もかっこいいね。イケメン!

 

 

 

*百十踏揚と賢雄*

 

前回も感じたけど、
ラブラブ感UP

しかも何ですか、
最後のハグは!

なんですか
最後の賢雄の抱擁感は!


(キュン死)

 

土曜日公演では百十踏揚が
紅の打掛を着るのが間に合わない
というアクシデントがありましたが
ここは賢雄からうまく戻ってきてましたね…♡

 

 

 

*大城賢雄*


土曜日はさわやかヒーロー賢雄、
日曜日は安定の武将賢雄(声と体格に相変わらず萌)、
という感じでしたね。

賢雄が死ぬシーンでは、
(ああ、もうすぐ死んじゃう…)
と既に涙目。

このシーン、好きなんです。

日曜の殺陣のシーンでは刃が取れてしまうという
アクシデントがありましたが、
その分、棒を大きく振り回して
蹴りも繰り出し、
体を振り回してダイナミックに表現してました!

刃が取れるアクシデントはつきものだよネ…(笑)

やっぱ、賢雄の最期はかなりの見せ場!

火攻め隊もあれだけ人数増えて迫力があるから
賢雄自身に鬼気迫る必死さがないと、魅力半減。

じゃ必死さは何で表現するかって言ったら
やっぱ体を使った動きだよね。

個人的にはまだ早く、まだ大きく、まだ重くてもいい思ってます。
(安全面的にも可能なのかどうなのかは分からないけど…)
薙刀は長さがあるからその点刀よりも難しいのかな…。

殺陣のシーンが迫力があったら
満面の笑み&瞳キラキラさせて震えてるワタシです(笑)
(護佐丸の舞台なんかはその点迫力あるよね。賢雄が非道で←)

 

賢雄討伐後の火攻め隊の赤い光は、
土曜日はすぐに消えてたので
(あれっ?すぐ消しちゃうの??)
って思ったけど
日曜日はちゃんと復活。

うんうん、やっぱりこうじゃないと。

闇夜に浮かぶ赤い光だけが残るからこそ、
あのシーンの余韻をしっかり味わえます。

現代版組踊シリーズの
数ある「死にシーン」の中でも
これはベスト3に入りますね!

音楽がね、またいいんだ。

最高。

 

 

そういえば日曜日の賢雄は、
百十踏揚を守るっていうのあったけど、
家を守るって感じのもあったなー。

リストバンドの家氏の家紋を手で覆って。

あれ、特注なのかな…。

 

 

 

*アンサンブルさん*

 

勝連討伐軍の凱旋の舞は
男サンの扇子の舞(+旗)でかっこいいね!

越来グスクで行われる生年祝いのエイサーは
越来青年会
のものだと…ツボなんだけど
どうなんだろう?
(願わくば、衣装もそれに合わせて…)

やっぱりここは
肝高の阿麻和利での平敷屋エイサーとは変えて
"沖縄市のエイサー"を満喫したいトコロ。

 

クライマックスの演舞では
百十踏揚の琉歌での始まりが
とにかく神々しくて素晴らしい

神々しくて泣ける。

賢雄の死にざまが印象的な舞台だけど、
ちゃんと百十踏揚が喰われないってのは
この物語性の強さ、ですよね。
(初演の時から賢雄がどれだけすごくても
百十踏揚がちゃんと主役になってた)

 

ほんで、クライマックスの演舞は…

…いつも書いている通りです…。

今回、「翔べ!尚巴志」の第2回公演を思い出したんだよ。

大地の民の舞が、囃子もなく音の華やかさも少なく
すごくあっさり見えた、という。
(今では大地の民の舞はすごくワクワクするにぎやかな踊りにバージョンアップしてます)

それと通じる気がするんだけどな…。

神々しく始まる分、
やっぱりちょっともったいないんだよな~…。

サンバとか、手を打つとか、囃子とか、
そういうの入れたら絶対もっと華やかになると思うんだけどな~。

 

 

最後に辛口。

 

土曜日はセリフの聞こえにくさが目立ちました。
(終演後もやっぱり周りの客席からもそんな呟きが…;)

感情込めるのはもちろんいいんだけど、
それが聞こえにくさになってしまうと……うーん…。

スピード、発声、活舌、
難しいかもしれないけど、
台詞は役者チームにしかない醍醐味でもあるので
引き続き頑張ってほしいです

その点プロから学ぶ機会があるといいよね…。

 

 

 

 

この舞台のストーリーのベースとなっている
小説「百十踏揚」(与並岳生著/新生出版)は
現在、続編が琉球新報で連載中!

百十踏揚と大城賢雄の子、思徳金が主人公です!

最初の50回は一気読みしたけど
それからコンスタントに読むことができてないので
単行本になってから腰を据えて読もうと思ってます。

 

小説「百十踏揚」はホント、おススメなので
今回の舞台で感動した人は!ぜひ!!!

 

 

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舞台「鬼鷲」にとって、尚巴志とは?

2016年09月01日 | ・現代版組踊レポ

 

 

鬼鷲ー琉球王尚巴志伝ー

2016年8月28日(日)

国立劇場おきなわ(大劇場)


 

今年度初の現代版組踊観劇、
夜の部に行ってきました!

世界無形遺産「組踊」の専用舞台
「国立劇場おきなわ」で
現代版組踊が演じられるのは2005年以来のこと。
(まだワタシが現代版組踊とも琉球史とも出会う前…)

平田さんもスタッフさんも子供たちも
感激ひとしおであったことでしょう。

さすがの舞台設備(迫や花道も!)、
舞台音響でした。

スクリーンを使ったオープニング、
タイトルバックには
「かっこいい!映画みたい!
ってなりましたね。

花道はワタシの座席からは
効果的に見れなかったのが残念でしたけど

 

メンバーには交流で会津メンバーも5名参加していて
一緒に舞台に立っていたのも印象的でした。
客席にいた大阪メンバーもダイナミック琉球で演舞合流☆

現代版組踊の横のつながりが広がっているのは
ファンとしてはとっても嬉しいデス

 

メンバーさん、保護者のみなさん、スタッフさん
お疲れ様でした!

今回も素敵な舞台をありがとうございました。

 

 

 

 

前回同様、澪之助がすでに素敵な
イラストレビューをツイッターにアップしてるので
是非そっちも見てくださいね。

 

さて、ワタシのレビューはというと、
ちょっとこれまでと調子が違うかも。

演出やシーンの一つ一つや
役者一人一人については
基本書かず、舞台全体の印象を書きます。

妙に小難しくとらえてしまっているのかもしれないけど
初演からずっと見続けてきた者としての
正直な印象、
そして今、思うことを
ワタシなりにまとめてみました。

 

 

 

今回の舞台、 

全体的な印象は、
正直に言うと

 

 

 

 

こーんな感じでした

あちゃー…みたいな。

 

いや、もちろん舞台全体のレベルは高いし
皆キラキラ輝いていましたよ。

 

 でも、

…尚巴志以外のキャラ、
濃すぎでショ…。


おねぇキャラなアカインコも
"巨体"のオモロも、
キャラとしては面白いし
演者さんの役変化もすごいと思ったけど、

おいおいおいおい、大丈夫か…???

ってなりました。

 

異色キャラの二人だけでなく、
「迫」の舞台装置を唯一使った鮫頭も、
大変革・本部平原&攀安知(+乙樽)もそう。

今回は北山戦が大変革すぎて
前回とは違って、残念ながら
尚巴志に意識を戻すことはできませんでした…。

 

一人一人が芸達者だっただけに
場面場面はもちろん楽しかったし
見ごたえもあったのですが、
尚巴志が主役の舞台全体のバランスとして
これでいいのかな…?と
少し疑問に持ったのも事実。

 

それに
音楽(芸能)で国を一つに、
という物語の柱も
個人的にはとても好きなのですが
よく考えたらそれってあまり尚巴志関係ないような…?

よって最後は完全にアカインコと尚真が持って行っちゃう。
(それともそれが狙いなのか…?)

 

統一の過程の中で戦が避けられなかった
尚巴志の苦悩とか葛藤とか
だからこそ統一の暁にはどんな国を目指すのかとか
伴侶・神女としてのきよらの役割とか
そういう部分がもっともっとクローズアップされても
いいような気がしました。
(全然ないわけじゃないけど…
さらっと流れてたり以前はあったけど消えてたり…)

 

そうすれば、その数多の屍の上に築いた琉球王国と
その先に尚巴志が目指したビジョンを
尚真が引き継ぐというか、改めて立て直すというか

(尚巴志死後もずーっとごたごたが続いてましたからね。
志魯布里の乱、護佐丸・阿麻和利の乱、喜界島討伐にクーデター、
尚真代になってからも八重山討伐に久米島討伐、奄美遠征っと……)


そのようなリンクが
もっと明確にもっと深くできるんじゃないかな?

 

昔は「天の時、地の利、人の和」という
尚巴志の生き方に対するキーワードがあったし、
万国津梁の鐘を利用して
立国のスピリットが語られていた時期もあったのですが…

ふりかえって改めて考えてみると
尚巴志の舞台はなかなか物語の核が定まらないデスね…。

 


うーん。

 

なんでこんなこと考えたかと言うと、

ワタシは初めて「肝高の阿麻和利」を見た時
まず主役である阿麻和利にすごく惹かれて
興味が出たんです。

その人そのものが知りたくなった。

そこから入って芋づる式に時代背景とか
周辺情報とか色々学んでいったんだけど。

さて、
今回の舞台を初めて見た人に
印象に残ったシーンを聞いたら
どれだけ尚巴志のシーンをあげるかな、と。
(鮫退治もインパクトは尚巴志<鮫なんだよなぁ…)

どれだけ尚巴志という人物に
重みや深さのある演出があったかな、と。

ちょっと考えちゃったんですね。

アカインコがウケたとか
シンさんがかわいかったとか
本部と攀安知がかっこよかったとか
鮫がすごかったとか

そっちをあげる人の方が多いんじゃないかな?

 

なんか難癖付けてるみたいでごめんなさい

ドラマチックに死ぬシーンのある
阿麻和利やアカハチの物語とは種類が違う
というのは分かってますが、

もっと尚巴志自身の人間性を掘り下げた
尚巴志という人間そのものに興味が出るような
そんな見せ方が出てきたらいいな、
そんな尚巴志の舞台も見てみたいな、
と思いました。

 

 

 

 

はい。

小難しいぼやきはこれくらいにして、

今回の舞台での1番のハイライト、
北山戦についてだけは特筆しておきます。

 

北山戦の見どころは
本部の裏切りと攀安知との対決
そして死。

 

これまで本部平原は
多少温度差はあるものの
密かに王位簒奪を狙う
正真正銘の「裏切者」でした。

しかし今回は


本部平原、
ヒーロー枠に完全昇格。

 

攀安知は裏切れない、
(不満を言う与那覇を諭すほど)
でもこのままではダメなのは分かる
でもどうすればいいのかわからない
葛藤の末、
北山の民のため、
裏切らざるを得ないのか、
という結論に至る。

 

そして、
裏切りを明かした本部が
攀安知に発した言葉。

 

「あなたは変わってしまわれた…!」

 

本部の怒りと悲しみ。

攀安知も裏切られた怒りの前に
まさかという大きな動揺。

対決する二人だが、
最終的には攀安知は自ら刀を投げ捨て
本部の刃に倒れる。

思わず本部は攀安知に駆け寄り、
この戦場から共に逃れようとするが
攀安知は
「お前だけでも行け-!!」と
本部を突き放す。

そして倒れる攀安知。

ゆったりとしたサンシンの調べに
舞台両端で舞う乙樽ときよら。

静かに死にゆく攀安知。

(個人的には阿麻和利オマージュな
攀安知の霊と乙樽のやり取りは
なくても良かったかな。
乙樽は淡々としてたほうが
よりクールでミステリアスだったかも)

 

本部は瀕死の状態で
戦場から去ってゆく…。

 

to be continued

 

みたいな!?

「北山の風」のヒーロー本部との誤差は
この舞台をもってなくなりました。

真逆の人物像ってのも
面白かったんだけどね…。

この本部像が今後もこのままなのか
それとも今回の演者さん特有のものだったのか
今後も北山戦に注目☆ですね。

ってか、「北山攻防譚( )」また見たいな…。

 

(そして護佐丸は雑魚扱いだった…(笑))

 

 

 

 

前回、前々回と砂を吐いていた
尚巴志のプロポーズのシーンは
ちょっと尺が伸びてキザさはだいぶ薄まってました(笑)

二人が結ばれるのも天命、みたいな。

前回までは

こんな回りくどく言わんで
スパッと嫁に来いって言わんか!

って思ってたんで(笑)

 

 

 

 

今回のスペシャルゲスト、
大城クラウディアさん。

クラウディアさんと言えば
前回の世界のウチナーンチュ大会の時の
「シンカヌチャー島の祭」でのコラボ。

舞台のシーンと歌声が相まって
すごく印象的だったのを思い出します。

今回も透き通った伸びやかな声で
魅了してくれました。

 

そういえば現代版組踊の歌姫と言えば
カナサ(愛)は元気?
(ってゆーか、タオのスタッフ、皆元気ですか!?)

と思ってたら、

あら!活動休止で明日ラストライブですか!

ってか、結婚もされていたとわわわわゎゎ…(゚0゚;)

それは知らなんだ…。

いずれまた沖縄に戻ってくるようですが
新天地アメリカでパワーアップして
また素敵な歌声を聞かせてほしいですね。

 

おっと、鬼鷲から遠ざかってしまったので
では今回はこの辺で。。。

 

 


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急きょ、鬼鷲。

2016年08月28日 | ・現代版組踊レポ

(本日2投目)


 

久々の現代版組踊、
久々の「鬼鷲」です。

 

ホントは今回は見送ろうと思っていましたが、
先日、しばらく使っていなかった
オーディオプレーヤーを再生してみたら
現代版組踊サントラデータがたくさん入ってて
曲を聴いてたら懐かしくなって
急きょ、チケットとりました。

 

 

前回前々回のレビューで復習もばっちり。

 

今日もやっぱり砂を吐くんでしょうか(笑)

はてさて。

 


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鬼鷲イラスト感想レポ

2016年02月13日 | ・現代版組踊レポ

先日の鬼鷲の感想イラストレポートを、
澪之助(元・兎音)ちゃんがツイッターでアップしてます。

 

イラスト、スゴイ上手なんでぜひ見てくださいな。
良かったらフォローもどんぞ。
@usagine530


(イラスト掲載本人承諾済み)

 

https://twitter.com/usagine530/status/698127243407523840

https://twitter.com/usagine530/status/698128518882791424

https://twitter.com/usagine530/status/698157014506033152

 

ちなみに、彼女はワタシがイチから育てた琉球歴女ちゃんです(笑)

洗脳したコタチは数多かれど、
彼女はホンマモンに育ってくれましたね。


オカアサン嬉しい(笑)

 

彼女は月下に語るでもイメージイラストを描いてくれたり、
530の日にも参加してくれたりしてました。

 

 


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鬼鷲in宜野湾

2016年02月12日 | ・現代版組踊レポ

 

鬼鷲ー琉球王尚巴志伝ー

2016年2月11日(祝)

宜野湾市民会館大ホール

 

 

夜の部に行ってきました!

去年の3月の公演以来、1年ぶりの鬼鷲。

初演からたぶん毎年・毎回見てる鬼鷲(翔べ!尚巴志)ですが、
毎回毎回、物語が濃く・深くなっている気がします。

成熟した肝高の阿麻和利とは違って、
まだまだ成長途中の鬼鷲、というところでしょうか。

今回も楽しませてもらいました!

 

 

*宮沢さんのナレーションで一歩踏み込んだ歴史エッセンス*

シークレットゲストの宮沢和史さんは
ナレーションで冒頭から登場!

生?と思ったら録音だったんですね(^^;)そりゃそうか?

で、今回はこのナレーションを活かして
歴史エッセンスが結構入ってた印象。

散在している第一尚氏の墓(→
伊波按司と尚家との関係、
尚泰久と石川伊波の乳母(→
アカインコと尚真の接触、
尚真の治世についてなどなど。

歴史の空白や謎を想像(フィクション)する、
その想像の材料となるのが
歴史書に書かれていること、
今現在残っているもの、
伝わっている話。
それらが丁寧に解説されてる感じでした。

まったくのフィクションじゃなくて、
歴史的資料に裏打ちされたフィクション、というか。
リアルなフィクション、というか。

パンフレットで平田さんも書いてたけど、
(1505年の設定でオギヤカが死んで尚真が自立した年っていう裏設定にも唸った~!)
制作の側にそういうのがしっかりあって、
また、それを観客にも伝えるってのが
今回顕著だったと思う!

 

うんうん。

やっぱりこういうのはあったほうがいいよ!
(阿麻和利もそういう一歩踏み込んだエッセンス復活させないかな?)

そうやって、劇を観た人が歴史を知り、
一歩踏み込んで歴史を学ぶきっかけになってくれたらいい。

 

あ、でも尚真が刀をすべて取り上げてってのは
これで琉球は武器を持たない平和な国になった…
ということではないので誤解なさらぬよう。

按司たちを首里に集めて武装解除はさせたけど、
国としての軍事組織はバリバリありましたので。

 

また、ナレーションでつなぐので、
場面転換やクライマックスでのじっくり暗転も
間延びせずいい感じでした。

 

 

*シンさん*

前回よりもよりはっきりとした尚真としてのシーン。
(おとちとのもいがねは出番無し)

物語としての根幹の1つと言ってもいいほど
重要なキャラクターとして立ってきましたね!

国造り、という点での共通点。

これからの琉球を、という視点で
原点を見つめる、というか。

しかし、クルチのシーンは…(苦笑)

ひそかに「くるちの杜」のアピール入れてきましたね(笑)

ちなみに。

気さくでほがらかで、
オモロ君とのコンビネーションもばっちりなシンさんでしたが、
裏設定通りなら、あの時、尚真、40歳です(笑)

 

 

*攀安知と本部の死後*

攀安知君、白熱の演技(拍手)!

酒のシーンもうまくキャラ表現に使ってましたね。

死に際の狂い方も素晴らしい。

そしてその後の、あのシーン。

ゆったりとした古典に合わせた静かなシーン。
亡霊になった攀安知、死にゆく本部、
避けられない戦に苦悩する尚巴志。

うーーーん………

意味深……

ここはあと数回見て咀嚼したいシーンです。

でもあれがあることで
独立して強い印象だった攀安知VS本部が
またちゃんと尚巴志への意識に戻ってきた
という感じはありますね。

 

きよらが神歌を歌うなど、
神女としての立ち位置がもっとあってもいいのかなーと思ったけど、
(昔はこのあたりにちょこっとあったよね?)
霊を弔うとか…
はてさて…。

 

 

*役者チーム*

パンフレットには役名記載がなかったので
詳しくはどれが誰だかわからなかったけど、
わぁ、尚巴志まさかの女の子キャスト!?
アスカさん以来だ…。
(でもあれはある意味特別枠公演だったしなぁ)

でも女の子とは思わせない力強さとカッコよさでしたね!
見ていて女の子が演じている、という違和感は感じませんでした。

主演女優(男優!?)賞!


オモロ君はノリというか演技が
初代オモロ君(→カイト君)そっくりでびっくりしました。
攀安知はリキ君を彷彿させました。


ちょっと懐かしかったよ。

あの時代がワタシにとっては一番濃くて印象強いせいかな。

 

でも鬼鷲チームは全県から募ってるだけあって
全体のレベルがいつも高いよね。

半数以上が初参加とは信じられない。

素晴らしいですね!

 

 

*衣装リニューアル*

天も海も地も衣装全面リニューアル。

え、なんで??

もともと鬼鷲の衣装はショー要素が強くて
すごく華やかで独特で好きでした。

その分、これまでに比べればやや地味になりましたが、
地の衣装がなんか辛子色のガウチョパンツとか、
普段着にできそうで気に入りました(笑)

 一から縫製したお母さん方、
お疲れさまでした!

 サメのシーンの入りも音楽変わってて
(神秘的な海の中という導入がカットですぐに鮫!)
かっこよかったな!

 

 

*宮沢さんと平田さんのW生歌でのシンカヌチャー*

アンコール?では宮沢さんが登場しての
生歌生演奏でのシンカヌチャー!
もちろん平田さんも加わって。

やー、久しぶりに見る!

さすがの迫力!かっこいい!

やっぱりパフォーマーとしての平田さんが
1番かっこいい
(ひとり舞台、また観たいなぁ)

 

 +

 

チーム鬼鷲のみなさん、スタッフさん、
お疲れさまでした!

素敵な舞台をありがとうございました。

 


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砂吐きアゲイン(笑)

2016年02月11日 | ・現代版組踊レポ


ぁはー……

今回も砂吐いたぜ…(笑)


@鬼鷲



よし!
今回はちゃんとレビュー書くぞ!

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涙は心の洗濯

2015年11月23日 | ・現代版組踊レポ

ずっと更新しなかったクセに、本日2投目(^^;)

 

 

MOMOTO、観てきました!

やっぱり泣かせる現代版組踊、ナンバーワンですね!

でも前回のMOMOTO公演よりも
すごい泣けたー
MOMOTO初演の時くらい泣いたー。

 

はぁ~…、久しぶりこの感覚…。

 

満足です

 

 

肝高の阿麻和利では
ワタシはたぶんもう、この感覚は戻らないかもしれない。

これだけ見すぎた故、
どうしてもしょうがないことでもあるわな…。

もちろん、これだけ見てるなら見てるだけの
違った楽しみ方があると思うけどね。

模索中デス。。。


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