世界遺産をはじめとする観光スポット史跡に行くと
よくガイドさんを見かけます。
旅行会社やバス会社のガイドもいれば
その施設スタッフによるサービスとしてのガイド、
その手のプロが行う有料商品としてのガイドもあれば
ボランティアが行う無償ガイドもあります。
私自身、ガイド研修を受けガイドを請け負った経験もありますし
今でも時々依頼を受けてガイドをすることがあります。
(私の場合は子供から大人まで、
主に県内の人相手が多いです)
また、逆に私がいわゆる「お客さん」として
ガイドを受けることもあります。
これまで色んなガイドさんの色んなガイドを受けてきました。
その手のプロが行う商品としてのガイドは申し分ないのですが、
(有償のものはやはりそれだけの価値があります!)
無償(又は心付程度)で行っているボランティアガイドさんについては
歴史的な内容はともかく、
ガイドとして…正直…う~ん……と思うことも多く…。
じゃあ、
どういうことがありがちなのか?
どうしたら良くなるんだ?
と言うことを自己の振り返りの意味も込めて
ちょこっとまとめてみようと思います。
※歴史的内容云々のことではなく
いわゆるガイドとしての技術としての話に絞ります。
+ + +
【ガイドの役割って?】
私はガイドの役割は
ものの観方のアドバイス
だと思っています。
見方となる指標が自分の中になければ
ただ表面的なこと、
でかいねー
赤いねー
景色がきれいだねー
暑いねー
で終わってしまうからです。
有れども見えず
です。
だから観るための指標、
そこで起きた出来事であったり
人間ドラマであったり
装飾などの美術面であったり
文化的、宗教的な意味合いだったり
自然環境であったり、
を、お客さんに与えることで
ただの岩や木が意味合いを持って見えてきたり
自分には関係ない昔々のことだと思っていた歴史が
身近に感じたりするんじゃないかな、と。
見る を 観る にするためのサポート。
それがガイドの役割だと私は思います。
なお、
知る ではなく 観る と書いたのは
そこが「実際の現場」だからです。
机上の学びでない、現場だからこそのことを
サポートしてほしいのです。
【「観る」時間を与える】
だから、
ある程度ガイド(話)して、観方の指標を与えたら
その指標でお客さん各自がそこを観る、味わうという時間が必須だと思うのです。
ガイドさんが、
しゃべって、移動、しゃべって、はい移動、しゃべって、次移動ー
とせわしく動かされ、話を聞くだけでそこを観る時間を取ってもらえないと、
誰の何のためのガイドかな?と思ってしまいます。
数人の小規模ガイドなら
ガイドを聴きながら観るということもできますが
ある程度の人数(10名以上と思うべし)になると、
輪の遠くにいる人は聞きながらそれを見る、
ということは厳しい場合もありますからね。
【テーマを絞る】
それをするためには、
内容を詰め込みすぎないのが必須です。
お客さんのニーズに合わせてテーマを絞って、
ガイド内容を厳選するのが吉。
もし質問されたら答えればいいわけで。
たくさん教えたい!知ってほしい!という気持ちは
充分わかりますが、
ここはぐっと抑える我慢も必要かな、と。
だからガイドを依頼されたら
何が依頼主のニーズなのかあらかじめ聞いておく
っていうのも大事だと思うんだよなー。
【視野は広く】
ここで言う視野とは、お客さんたちを把握するための視野です。
ポイントに立ち止まってしゃべるときは、
輪の一番外側にいる人に向かって話すつもりで。
声も、お客さんへの視線も一番後ろの人を意識する。
よくあるパターンは
自分の目の前にいる2~3人だけに向かってしゃべってて
声も小さく、視線も落ちている方。
完全に目の前の人しか相手にしていない。
そうなると、輪の後ろにいる人たちは
無視されているのと同様ですから、
次第に聞くことをあきらめ始めます。
確かに周りの状況によってはガイドが頑張っても
十分に後ろまで聞こえない時もあるかもしれませんが、
担当しているお客さん集団全員を巻き込む意識を
ガイド自身が持っているか持っていないかとでは
だいぶ変わると思うのです。
【聞ける状況を作る】
スポットに立ち止まって説明する時、
特に子供集団なんかの場合だと
自分の近くに寄らせる、
自分の後ろや横に来てもいいよと手招きするなど
聞こえる状況をガイドが意識して作ってから喋る
っていうのも大事だと思います。
っていうか、私の実感としてもガイド一人当たり10名程度が限度だと思うので
(見学場所や対象年齢やガイドスタイルにもよりますが…)
例えば学校なんかの社会見学とかで
ガイド1人で一クラス40名ってのはそもそも無理があるとは思いますね…。
学校はケチらないでクラスを複数のグループに分けて
グループごとにガイドをつけよう!!
そのほうが絶対子供たちにとっても実のある体験・勉強になります!
那覇まちま~いがガイド1名につき10名を上限にしているのは
学びを保証するという意味でも理にかなっていると思う。
【対話する】
一方的にしゃべるだけのガイドは
つまらないですよねぇ…。
マニュアルを喋るだけだと機械的で。
(バスガイドさんにありがち?)
だからなるべく対話式でガイドができたらいいですよね。
お客さん参加型というか。
例えば、
こちらから問いかけてみたり、
ミッションを与えてみたり
(○○を探せ!とか)
予想させてみたり、
三択クイズとかをいれてみたり、
とかね。
意外と大人でもノッてきますよ(笑)
【休憩タイムは必須!】
特にこれからの時期!
炎天下の中、ずっと立ちっぱなし歩きっぱなしは
誰でもきついです!
1時間以上ノンストップは過酷と思うべし!!
ガイドさんは何度も来てるから慣れてるかもだけど
初めての人の体感疲労は2倍だと思うといいかも。
だからガイド時間の中には「途中休憩」もきちんと入れてほしいもの。
トイレ&水分補給&休憩タイム、という名のゆるい自由時間。
もし資料コーナーとかある限られたエリアがあるなら
入る前に見るポイントやミッション(→指標)なんかを与えて(ここ大事)
見学と休憩を兼ねても良し。
休憩も兼ねながら○時○分にはまたこちらに集合ーって感じで。
その間が
個人的にガイドさんに自由質問タイム~ってなったりもします。
なお、再集合した時には
入る前に言っておいたポイントが見れたか
ミッションはクリアできたか確かめる(対話する)と吉です。