がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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琉球/沖縄、一問一答 【第121問】

2018年08月27日 | ・琉球/沖縄、一問一答

【第121問】

 

尚真王の時代(15世紀後半~16世紀)、
琉球が栄えたこの時期を俗に何という?


 

(答えは下)

 

 

 

琉球/沖縄、一問一答シリーズについて

 

 

 

 

■ ■ ■ ■


 

 

 

【答え】

 

琉球の黄金時代(黄金期)



周辺離島(八重山・久米島など)への侵攻・国土の拡大、

政治体制の整備充実(中央集権・身分制の確立・神女組織の確立など)
インフラ整備・代表施設の建築など(真珠道・円覚寺・園比屋武御嶽石門・玉陵など)

 

でも実は対海外貿易のピークは第一尚氏期。
(第二尚氏になると明との朝貢貿易はこれまでの半分〈二年一貢〉にさせられた)

だけど様々なハード面を整備していったことと
在位が断トツで長い(50年)ことからそう言われる。

 

対して、ソフト(文化)面が一気に充実していったのは尚敬王(18世紀前半)時代。
こちらは俗に琉球ルネサンスと言ったりする。
セットで覚えると吉。


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漫画「琉球のユウナ」2巻

2018年08月23日 | ・和心な本、琉球な本

 

『琉球のユウナ②』(響ワタル著/白泉社)
(↑画像クリックでamazonにジャンプ)


遅ればせながら拝読しました。
(表紙の彼は真加戸(尚真王)とユウナの花)


連載されていた雑誌では一切見ていなかったので
全てが初見でした。

もともとは読み切り企画だったものが
「連載」になったこともあって
1巻に比べてぐっと内容も踏み込んだものに。

1巻はどちらかというと恋愛描写の印象が強かったのですが
2巻では琉球感やファンタジー感もぐっと増し、濃くなって
とても面白かったです!

 

(以下、ネタバレ注意)

 

まじないの数々(『沖縄のまじない』からの引用たくさんで私にとっては実にタイムリー!)
音智殿茂金(=月清、尚真の妹)や神女組織確立、ヲナリ神信仰、
尚真の神託も幼い月清が行ったという設定
那覇港や市の様子から、倭寇、奴隷売買、かたつむり食、ザン(ジュゴン)に
キジムナー(≒ユウナ)のタコ嫌い、
万国津梁の鐘の銘文や、もちろんオモロも。
とにかく琉球ネタ満載
えっ、そしてまさかの白澤…の擬人化!??
(前髪かき上げたら3つ目があるのか!?)

音智殿茂金はなかなかいいお嬢様キャラで
個人的にはとても新鮮に感じました。


ビジュアルも、
ザバネに玉ハベルに神扇、クバの団扇、
浮島・那覇の遠景(長虹提がうっすらでも描かれていればよりツボだった…!)

それらのものに加えて
「世あすたべ」や「おおやくもい」なる単語が
が全国版の少女漫画に出てくる日がくるとは…


うーむ…感慨深いものがあります……

池上永一さん著作の全国紙での少女漫画化はあったけど、
あれは基本、現代が舞台だからねー)

 

 

原作(案)者もなく、本土の方でありながら、
これだけこだわって
"琉球ロマンティックファンタジー少女漫画"
を作ってくれた作者に敬意を表します

※沖縄人だから本土の人だからと区別・差別しているのではなく、
本土の方で本土在住だと、環境的にアイディア出しや資料集めなど
沖縄人や沖縄在住の人よりも苦労が多いであろう…ということです。 

 

ほんと…スゴイ!!

 

 


そして対立する側の謎の一派。

まさか…第一尚氏の生き残りか!?



3巻へ to be continued.

 

さーて、千代金丸を手にし「祖父」を語る黒髪の彼は
千代金丸を獲得した尚巴志の孫・尚徳本人か(生き延びていた説もあるし)、
それとも大世主を神号にもつ尚泰久の孫(尚徳の子)か!?


(今改めて読み返したらクーデターシーンで
兄弟で会話してるシーンがあるからこりゃ尚徳の子だな?

 

これはドラマ『テンペスト』でのワンシーン。
写真クリックで記事にジャンプ

 

琉球史を踏まえた物語の予想や、
ちりばめられた琉球小ネタを探すのも楽しい
『琉球のユウナ』

3巻も見逃せませんね!

 

(今回同様、私は雑誌では見ずにコミックスでの初見を楽しみに待ちたいと思います♡)

 

+ + +

 

巻末の参考文献には
琉球戦国列伝』の記載も。

 

 

琉球戦国列伝はアイテム等、資料に基づいて描いているので
ビジュアル等の参考になっているのなら嬉しいです

 

 

また、
新刊『琉球歴女の琉球戦国キャラクター図鑑』も、
琉球のユウナ2巻と一緒に宣伝されることもありまして。
ジュンク堂那覇店ではコミックコーナー・ユウナ特設の同棚同列に

真加戸(尚真王)、めっちゃキラキラしてるもんね!

琉球のユウナ経由で若い女の子たちが琉球史に興味を持ったり
もっと自由な琉球史エンタメが受容されるようになっていったら
キラキラ本を出した私としても本望です

 

 

≪追記≫
琉球のユウナ3巻レビュー →


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那覇センセイション~語り継ぐ平和の詩~

2018年08月21日 | ・現代版組踊レポ

諸事情でかなりの時差ができてしまいましたが……
書ける分だけ書いてみます。


那覇センセイション

2018年8月4日(土)

てぃるるホール

那覇青少年舞台プログラム

 

那覇チームの代表作と言えばコレ。

『琉球伝信録』よりも歴史ある舞台です。

 

サントラCDも持ってるし
アトラクションなどは何度か見たことある

…のですが、実は、舞台は今回が初見でした。


なぜかセンセイションの公演は
仕事や別の用事と重なっていたり
台風で公演中止になったりと
タイミングがなかなか合わず、
流れ流れて今になった、という感じです。

 

古琉球がテーマが多い県内チームの現代版組踊の中で
那覇センセイションは現代と沖縄戦が舞台。

(沖縄戦が舞台…というと
『風の声がきこえる』や『綾庭の宴』も思い出しますね)

 

戦争や平和をテーマに舞台発表することになった
那覇の小中高の先生たちと、
その演技指導をすることになったニートの若者たちが
最初は反発し合いながらも次第に手を取り合って
戦争や平和を考え、より良い作品作りに向けて奮闘する物語。

戦争を知らない世代の先生たちが
なにをどう表現し伝えればいいのか苦悩し、
「心のひらめき」を求めてガマを訪れた際、
沖縄戦の時代にタイムスリップしてしまい……

というもの。

 

とはいえ、タイムスリップしたシーンはそれほど長くはなく、
あくまでもメインは「現代」の私たち。

戦争の悲惨さやむごさだけではなく、
沖縄戦の時代と現代の、
命や、想いや、心の繋がりというものを描いているなと感じました。

 

沖縄戦でも古琉球でもなんでもそうですが、
時代(歴史)というものは点(単独)で存在しているのではなく
全て、今、現在につながっている線なのであって。

その線の上に私たちも生きている。

そして、これからの未来もその線上にある。

 

ガマで出会った母親と、
現代に戻ったときの再開のシーンには
ぐっとくるものがありました。

 

さとうきび視点の「舞台発表」は
とても興味深かったです。
(ここだけ単独でも見応えありそう!)

 

主人公の普天間先生(高校教師)は、
私の知り合い(職業:中学教師)に
服装も雰囲気も口調も仕草も性格もすっっごくそっくりで
びっくりしました。

先生感のリアルさ

ニートたちはダンスで世界を目指す
ハチャメチャ元気な子たちでした。

やりたいこと、夢中になれることがあること、
それで人と繋がれていることはいいことだー。

 

対立する教頭先生とその一派もいい味出してました。

最後の、発表に感激し改心した教頭先生Sによる
肝高の阿麻和利オマージュには
めっちゃ笑えました。
(こういう現代版組踊つながりの小ネタ、いいね★)

 

そして貴重な現役メンバーによる生バンド。

前回の『琉球伝信録』の時も感じたけど、
すごくノリノリで元気のいいチームです。

センセイションは現代が舞台だから
楽曲の雰囲気もラップが入ってたりと他とちょっと違うのです。

サントラにはない、クライマックスの演舞(新曲)もかっこよかったです。

 

 

 

ところで、会場では
『琉球歴女の琉球戦国キャラクター図鑑』も
委託販売させてもらいました。
(現代版組踊特集ページに
那覇チームからも二人が参加していることもあり)

公演前や休憩アナウンスなどでも
色々と宣伝してくださって恐縮です

今回は澪之助がメインで2日間対応しましたが
目標数を上回る方が購入してくれたと聞き
感謝感激です。

会長の玉城さんをはじめ、
那覇群星の会の皆様にも
大変お世話になりました。

改めてお礼申し上げます


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琉球/沖縄、一問一答 【第120問】

2018年08月12日 | ・琉球/沖縄、一問一答

【第120問】

 

琉球王国最後の国王の名前は?



 

(答えは下)

 

 

 

琉球/沖縄、一問一答シリーズについて

 

 

 

 

■ ■ ■ ■


 

 

 

【答え】

 

尚 泰(しょう たい)
(1843~1901)

 

琉球処分を受け、東京に移り住みます。

尚泰久(しょうたいきゅう)と
ごっちゃになる人が多いので注意です。



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琉球/沖縄、一問一答 【第119問】

2018年08月03日 | ・琉球/沖縄、一問一答

【第119問】

 

琉球史上、最初の王とされていて
源為朝の子という伝説もある、
カタカシラのモデルとなった人物は誰?



 

(答えは下)

 

 

 

琉球/沖縄、一問一答シリーズについて

 

 

 

 

■ ■ ■ ■


 

 

 

【答え】

 

舜天(しゅんてん)

 

舜天は右の側頭部にコブがあり
それを隠すようにそこに髪を結っていた。
彼が王になると皆が真似し始めた
それがカタカシラの始まりである。
(『蔡温本 中山世譜』)

でも雪舟の描いた琉球人の図では
カタカシラは左側になっており
右か左かはどちらでも良かったのか
時代を経て変わったのか、謎です。

 

舜天王の墓↓


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沖縄のまじない、と不思議な石敢當

2018年08月01日 | ・和心な本、琉球な本


↑クリックでボーダーインクのサイトにジャンプ

 

『沖縄のまじない』
(山里純一著/ボーダーインク/2017)

 

署名の通り、沖縄の様々なまじない(ものや行為)について書かれた本です。

くしゃみをした時に言う「クスケー」から「チョーチカ」などの呪文の類、
石敢當、サン(ゲ―ン)、フーフダなどの物(=ムンヌキムン)、
雨乞いなどの儀式etc…
沖縄にはこれほどまじない行為に溢れていたのか!
と再認識させられます。

 

+ + +

 

本に書いてあるまじないについて
ブログで書いてあるもの、ざっと思い出せる分を
ピックアップしてみました。

写真クリックで記事にジャンプします。

 

↑浦添にある経塚。

「チョーチカ(チョウチカ)」の呪文はこちらに由来。

 

↑お守りのような道具、サン(大きいのはゲ―ン)。

所有の印としても使われていたそう。

 

 

↑シャコ貝などの貝も魔除けとして使われていた。

 

↑久米島・君南風殿内の雨乞い石。

左苗(ヒジャイナー)とアマフイカンダという植物を巻いた石。

ワタシが訪問した少し前に、実際に雨乞いの儀式が行われたのでした。

 

↑は首里の雨乞い御嶽。

干ばつが続いてどうしようもない時(危険指数が上がりに上がった時)に
王様が直接祈願をする御嶽。

 

+ + +

 

私自身この類の事にはすごく疎いもんで
(サンや火ヌ神を知ったのも大人になってからだし)
まさにネタの宝庫!!と感じました。

この本を読んでからキラキラ制作できてれば
またちょっと変わったかもしれないな、
あー!もっと早く読んでいれば!!
と後悔…。

今後に活かしたいと思います…。

 

そんなワタシでも幼いころから馴染みがあったのが
あちらこちらにある「石敢當」

これまでも何度か石敢當関係の記事も書いています。

 

津堅島の石敢當

鹿児島山川の石敢當

スーパー石敢當

人型石敢當

 

歩いていて「おや?」と目につくと
今でもちょこちょこ撮ってしまいますね。

 

ではまだブログに載せてない「おや?」な石敢當をば。

 

糸満市にあったもの。

「石敢當」とはありませんが、
おそらく設置の意味合いは同じ。

T字路突き当りにありました。

今帰仁の人型石敢當にも似ています。

本来は石そのものに力があるとされていて
「石敢當」などの文字のないものも
同じように置かれているのだそう。

ただ、そもそもは石信仰によるものというのは忘れられ
今は石じゃない石敢當も多い、とのことでした。

だからねー。

 

これは北中城村。

石の左半分が丸々削れているのですが…。

アップでも読めません。

石敢當…なのかもしれないけど、
石敢當とは別の字に見えるのは私だけ…?

 

 

最後も北中城村。

ブロック塀とブロックにはさまれた……

おそらくこれも石敢當だと思われますが…。

謎です。

 

+ + +

 

ところで「石敢當」って人の名前(力士や中国の強い武士)に
由来するっていうのが多いみたいですね。

(が、が悪霊にえてたるという石信仰に由来するものだろう、
というのは本書の趣旨)

それは知らなんだ。

中国では石敢當の前に香炉を置いて、線香を焚き、
石敢當そのものが信仰の対象になっている
っていうのは面白かったです。

あと、移民した人が諸外国で作った石敢當も紹介されています。
(効果は抜群だったとのこと…!)


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