(数か月前に途中まで準備して放置だった記事を仕上げていまアップします…)
うるま市の勝連グスクの前にできた
歴史文化施設・あまわりパーク(名称は公募により決定…)
みなさまはもう行かれたでしょうか?
コロナ禍で夏のオープン予定が伸びに伸びて秋にオープン。
今年のお正月(三が日)までは入場無料だったので
その期間に行ったという人も多いかもしれませんね。
私も2度ほど行ったのですが
あまわりパークの見どころなどをまとめてみたいと思います。
入口を入るとこのようなでっかい
肝高の阿麻和利の幕がお出迎え。
エントランスはとても広くて開放的。
団体が入れるだけの余裕もしっかりあります。
展示室は2つ。
いわゆる常設展と、企画展示室。
企画展はその時々で変わるので
常設展の様子を。
まず、暗い通路が常設展へのアプローチ。
プロジェクターで壁に勝連にまつわるおもろが映し出されています。
音は無し。
雰囲気はいい…けど、
これが何なのか一般に人には分かりにくいので
スルーされてしまいがちかも?
それともここはあくまで「通路」として、
雰囲気が出せればOKなコンセプトなのかな?
常設展示室は1つのホール。
中央に大きなスクリーンと模型があって
それを囲むように観客席。
土日祝はここで肝高の阿麻和利によるライブシアターも開催中!
(現在はコロナの影響で休止中?それとも再開されたかな?)
実は…ワタシ、
これまだ見れてないんです。
あると思った日に行ったらその日は無くて(涙)、
時間とか整理券配布だとかいろいろ決まりがあるので
事前に確認してから行くことをおすすめします!
肝高の阿麻和利出演
あまわりパークオリジナル脚本
『勝連の鳴響みてだ 十代目按司「肝高の王」あまわり誕生』
ライブステージ(25分)/土日祝のみ
11:00
13:00
15:00
3回公演。
※事前に整理券配布の可能性あり。
くわしくは→★
肝高の阿麻和利のアトラクションがない日でも
映像コンテンツは定期的に上映中。
くぅぅ~~~~っ!!!
勝連グスクの空撮はやっぱり萌える!!
わたし、グスクを真上から撮ってるアングルが好きみたいです。
(↑の映像を見て自覚した(笑))
大スクリーンと音響で圧倒的臨場感があるので
是非直接味わってほしいです。
スクリーンエリアを囲むようにぐるっと展示物。
なんというか、一言でいうと、
ラグジュアリー
この列なんか、高級感があって宝石屋さんみたいだよね。
例のローマコインの展示もここに。
ところで、ワタシは遺物展示キャプションには
いつの時代のものか書いてほしい派。
できれば世紀で。
その方が、実際の人物とリンクさせて楽しめるのですよ…。
世界遺産についてや勝連グスクについてなど、
解説パネルもばっちり。
しっかり基礎知識を学べます。
世界遺産認定証を展示しているのもいいな~、と。
パネルは英語表記もあり。
グスクだけではなく、
うるま市の他の文化についてなども紹介。
造船については海中道路にある「海の文化資料館」
も併せて見学することをおすすめします♪
もちろん、肝高の阿麻和利コーナーは一面でがっつり。
舞台映像やパンフレットなども。
ただ、このパネルの護佐丸は、JCCの写しじゃなくて
ちゃんと現代版組踊の護佐丸をもってきてほしかった!
確かに護佐丸は肝高の阿麻和利には登場しないけど、
他の現代版組踊作品には出てるのに~!!!
こういう所、肝高の阿麻和利関係者とかが
事前に意見とかチェックできなかったのかな…。
肝高の阿麻和利ファン、現代版組踊ファンとしては
これは異議ありなのです
このパネルの阿麻和利イラストもJCCの写し。
(左手とか色とか一部改変してますが…)
メインの、阿麻和利についてのコーナー。
正史やおもろそうしなどから
二分している阿麻和利の評価について紹介。
このアプローチはとてもいい!
と思ってるんです、が。
正直に言うと、ここの阿麻和利ビジュアルは
組踊衣装(つまりフィクション)の阿麻和利ではなくて
しっかり時代考証した服装の阿麻和利にしてほしかった…。
せっかくすぐ隣に鎧兜の出土品を展示しているのに!
鎧などのパーツが展示されているだけは分かりにくい全体像を、
ここでフル装備させたビジュアルで見せることで
遺物展示との相互作用も生まれるし、
まだまだ古琉球の武将は日本式甲冑ってイメージは低いから
見学者に「へぇ!」って意外性を与えることもできるし、
甲冑姿の展示はまだまだ少ないから(護佐丸歴史資料図書館のみ?)
他館との差別化も図れるし、
なにより!「肝高の阿麻和利(組踊衣装)」と違いを出すことで
このコーナーで言っている阿麻和利の歴史的評価の二面性にもリンクして
より意味を持たせることができたはずなのに…!!!!
つまり、「肝高の阿麻和利」的にもメリットがあるはずなのに…!
阿麻和利=組踊衣装
ありきっていうのが、
「歴史展示」的にはとても残念でした…。
わかる、わかるよ。
阿麻和利は組踊衣装のイメージが強いことも。
組踊衣装全てがNOと言っているわけではなくて
博物館という教育施設で紹介するからには(←ここ大事)、
歴史学・考古学的に時代考証された阿麻和利像と、
舞台の阿麻和利像、
両方大切にする必要があるのではないかい?
どちらか一方のみではなく。
阿麻和利の人物評価についてもそれと同じで。
そこに教育施設としての意義もあるんではないかい?
ということが言いたいのです。
いやいやいや、鎧兜とか琉球にそんなイメージないっしょ!
阿麻和利といえばやっぱこの姿っしょ!
と言われても、博物館展示は一般的なイメージで作るものではないですし。
まぁ、あまわりパークは「博物館」ではなくて
博物館相当施設か、それでもない可能性もありますけど、
博物館的役割の施設であることは間違いないわけで。
「え?」と思った方のために補足すると
組踊でよく見るあの頭巾は
「兜」を模した舞台衣装で、近世にできたものです。
阿麻和利の時代(15世紀)に彼らがあのような頭巾を
かぶっていたわけではありません。
組踊衣装のあの姿を当時のリアルな姿でえがくとすると、
あの頭巾の「元」となっている、
ガチの中世日本の鎧兜ということになります。
(『新装改訂版 琉球戦国列伝』では組踊衣装を一掃し、
阿麻和利も鎧兜姿で描いています)
実際、鎧兜のパーツが勝連グスクからは出土していますし、
展示もされています。
あまわりパークの1番の推しである
勝連グスク模型。
そこにいる阿麻和利と百十踏揚も
肝高の阿麻和利仕様。
う~ん、やっぱりそこは混同せず、
区別してほしかったなぁ…。
(模型の他部分がしっかり考証されているだけに…)
色々書きましたが、
この勝連模型は本当に見ごたえある!
この模型だけで1時間は見れる!
(スクリーンの前にあるから映像始まっちゃったら見れないんだけど)
この模型は勝連グスクの最新の発掘成果が
しっかり詰め込まれています!
(長年勝連グスクの発掘を担当してきた専門員の方のお話も伺えました)
グスクだけでなく、
配置されている人々にもご注目。
警備している兵がいたり。
祭祀を行っているノロたち、
武器の手入れをしてる人たちなどなど。
当時の琉球では極めて稀な例だった瓦ぶきの建物。
(王都である浦添、首里、その関連に限られる。あの護佐丸の中城でさえNO瓦ぶき)
城壁を挟むような櫓があったのも
模型を見るまで気づかなかったな。
建造物に関してはまだまだ分からないことも多いので
現時点での想定復元だと思いますが、
それでもやはり上物があるとリアリティが出てきますね♪
一番のポイントは東の郭部分!
堀切が見つかったという最新成果をしっかり反映。
だけど堀切の規模や全体像はまだ不明ということで
作っている途中という設定にしたという話を聞いて
なるほど~~となりました。
城壁工事もしてる。
あまわりパークはまだまだオープンしたて。
色々これからアップデートしていくことでしょう。
私が実際に見た時から数か月たってるので
もしかしたら現在は少し変わっているところも
あるかもしれません。
是非、直接行って、楽しんで、考えていただければと思います!
あまわりパークオープンに伴い
勝連グスク見学も有料になっています。
くわしくは公式サイトをチェック。
ところで余談ですが、
あまわりパークの廊下とトイレに惚れました。
黒をベースにした壁。
スイッチやロッカーも!
ピクトグラムも黒ベースを邪魔しないデザインで
シックでおっしゃれ~~