現代版組踊「百十~MOMOTO~」
2015年1月18日(日)
きむたかホール
昼の招待公演と、夜公演と2回見させていただきました。
本当は招待公演の1回観劇の予定でしたが、
観終わったあと「あと1回見なきゃ後悔するかも」と思い、
マッハで帰宅し、残ってた仕事をマッハで終わらせて
再度、当日券を買って見ました(笑)
さて、今回は
Team NEXT TAO(基本現代版組踊のOG・OB+α)
のメンバーと、
現役の阿麻和利メンバー(一部)との共演作。
現役の阿麻和利メンバーで
スピンオフ的な舞台をやってみてもいいのでは?
と常々思っていたのですが
今回はその試み的な感じでできたのではないでしょうか☆
現役メンバーにとっても今回の経験が
肝高の阿麻和利を演じる上で
さらなる刺激や勉強になったと思います!
そして阿麻和利メンバーが加わった分、
演舞シーンもより華やかに、
ダイナミックになっていて見ごたえもありました!
(特にエイサーシーンが印象的。
女子の囃子の入り具合がなんとも良かった)
まさに相乗効果
オープニングは戻ったような形に。
月照らす涙星での演舞復活と、阿麻和利の昇天。
んー、これは好みかもしれませんが、
個人的には前回の映画的な「静」の作りが好きかな?
*思徳金*
土曜日公演は違うキャストみたいでしたが
ワタシが見たのはずっと同じ子。
「母上!母上ー!」の叫び具合も
より必死さが増して相変わらず涙を誘う…。
ワタシは、思徳金が田場を振り切って
百十踏揚に別れを告げる
小さいながらも「察してる」感じと、
その後、一切振り返らず、歩みも緩めずに
きりっと退場していく様が好きです。
前も書いたけど、
思徳金、武士やね…。
原作の小説の方はもっと幼児(3歳)なんだけど
1458年~1469年までの時の流れとかを考えると
(その間に百十踏揚が再婚・妊娠・出産)
舞台の少年・思徳(8~9歳くらい?)の方が
リアリティはあるんだね。
※↑の1458年、タイプミスでなぜか1948年って書いてた…(大汗)
なんでか全く分からない(^^; 訂正します;
*思戸*
安定感抜群のナレーションに
たっぷりの情感がプラスされ
更に磨きがかかってました。
すばらしい。
将来、アナウンサーとかナレーターとかなれますね!
*尚泰久と金丸*
どちらも女の子役者さんでした。
男の子の役者も増えるといいなー。
ふと思ったんだけど、
尚泰久は城間との一人二役なので、
同じ役者さんが舞台の前半と後半で
立場が全く逆転してるという(笑)
内容とは全く関係ありませんが、
なんかちょっと面白かったデス(笑)
*百十踏揚と大城賢雄*
最後のカーテンコールで中央に立っている彼女を見て、
主役としての威厳と言うか
格というのもを感じました。
なんだか輝きオーラが
でも最後の挨拶はちょっとあると良かったなー。
せっかくのスペシャルコラボでもあったし
一言聞きたかったです。
今回は、百十踏揚が昇天するときに
紅のうちかけを落として行くのが印象的でした。
そのままそれが百十踏揚の「肉体」として
現世に残ると言う。
昇天した百十踏揚と、
現世の思徳金との会話は
初演の時から好きなシーン。
(これと、賢雄が死ぬトコ)
でもその時、舞台端に天上の賢雄が
残っていたのが意味深でした。
その意味はちょっと読み取れなかったけど…。
んー。
思徳金の「父」として
見守りたかった的な感じかな?
あと、
二人のラブっぷりがアップ!?
賢雄が百十踏揚の肩に手をまわして
寄り添って…ってゆーのが多くなってる気がして
ちょっとキャってなりました(笑)
また賢雄は攻められるシーンの
吐血感が良かったデス(笑)
あのシーンって、
初演の時に音楽の雰囲気的には
「北山の風」に似てるって書いてるけど、
北山の風じゃなくて、「アカハチ」だ。
(初演の時はまだアカハチ見たことなかったから…)
で、その時の賢雄の長刀を落とすまでの剣舞
もっとスピード感あるといいな。
曲のテンポに合わせているのかもだけど
せっかく体格がいいので
もっとダイナミックに力強く見せると
もっと死に際がかっこよくなると思いました!
(曲の倍速で動けば拍子は合うだろうし)
今回、現代版組踊初見の同僚と
一緒に行ったのですが
やっぱり賢雄の「声」に聞き惚れてました。
すばらしい武器です。
さて、今回見た2回の舞台で、
1番のツボだったのが夜公演のコレ。
クーデターが起こり、
賢雄に使者・城間が金丸の言葉を伝えるシーン。
巻き物を逆に持って「あれれ?」ってひょうきん者を演じる城間に
まさかの賢雄ツッコミ。
「逆だ(ぼそり)」
はぁっ!!Σ(゜∀゜;)
あのシリアスで緊迫したシーンで
まさか賢雄からツッコミが入るとは(笑)
アドリブっぽかったけど、
どうなんだろ??
個人的にはあの渋い低音ボイスで、
しかも大真面目なシリアスな顔で
ぼそっと言い放ったツッコミがかなりのツボで、
爆笑ではなかったけど、
新鮮な驚きとおかしみがありました(笑)
*以下、個人的な意見・要望*
年代のこと。
前回書いた百十踏揚没1499年は
1477年に修正されてました
…がっ!!
百十踏揚が死ぬ直前の、思戸のセリフ、
「(前略ナントカカントカ)1477年。その後、玉城で余生を過ごされ…」
1477年没なのに、
"その後、玉城で余生を過ごされ"…!?
ん~~~~!惜しいっ!!
1469年(70年)のクーデター&逃亡劇の後、
玉城で7年ほど余生を過ごして没。
そういう意味を言いたかったのだろうけど、
セリフの組み立て方からは
1477年の後に余生という風になってました
実に惜しかったです
こういう時間経過の描写や数字のつじつま、
スタッフでもキャストでも、
誰か一人でも事前に気付けたらいいんだけどな…。
(同公演ばかり3回連続となるとちょっとさすがに…;)
*
ところでクライマックスの演舞、
んーーー…、しつこいようだけど、
やっぱりやっぱり囃子や掛け声や効果音
(例えば扇子やサンバやエークなどの小道具や、
手をたたく、踏み込むなどの動作などによるものでも)
が欲しいな―。
そういうので観客を巻き込んで
拍手なり手拍子などを引き出すってあると思う。
(今回2回とも演舞中は手拍子なかった、できなかった)
百十踏揚が前に出てきてソロ演舞して、
お辞儀してすぐあとの所とか
全体の掛け声とかあると絶対手拍子引き出せるよ!
って思ってたら夜はちょっとやってた感じ?
…が、あまり聞こえず
観客を圧倒するほどの大合唱でもいいし、
全体のエネルギーの集大成がもうひとつ欲しいと思いました。
やっぱりイメージは肝高の阿麻和利の
「肝高の詩」の構成なんだよな。
*
今回招待公演を見たというのもあるけど、
「観客力」ってのも大事だよねーと
改めて感じました。
観客がどれくらいいて、
どのような熱量(テンション)なのか、で
舞台の印象ってだいぶ変わると。
舞台も「ライブ」だからね。
招待公演はやっぱり観客人数も少なかったので
(半分…以下…くらいよね?)
なんだかちょっと妙でした
(今回なんで招待公演を分けて設定してたんだろ?)
歌舞伎みたいに観客からの掛け声
…とまでは言わないけど
指笛とか手拍子とか拍手とか、
やっぱりそういうのがあると全体が盛り上がるし
演者さんたちもそれに乗せられるっていう
側面は絶対にあると思う。
ワタシたち観客を、是非「利用」して欲しいです(笑)
ちなみに、観客力が1番強いのが
「肝高の阿麻和利」の卒業公演の最終公演です。
前も書いたけど、熱すぎる(笑)
個人的には初見者は火傷しないように
卒業公演でも別日をおススメしてます。
なぜならばそのノリに上手くハマればいいけど
すごすぎて引いてしまう危険性も秘めてるから(笑)
*
あと、可能ならキャラごとに衣装のテーマカラーは
違うといいな~~~。
阿麻和利と賢雄が一緒すぎる
頭巾+向立(つまり髪型・頭部の見た目)が外せないのなら
せめて衣装のテーマカラーは替えたほうが
どれが誰というのを分かりやすく提示するのは
歴史モノでは必須だと思いますデス。
費用的なトコもあるかもしれませんが、
次に衣装を作るときは意識して変えてもらえたら
いいなーと思いました☆
以上、備忘録レビューでした。
ところでせっかく1月に百十公演があったというのに、
今年の百十の日(1月10日)、すっかり忘れてた!!
完全に、100%忘れきってました(^^;)