琉球戦国列伝リテイクシリーズ、
百十踏揚(ももとふみあがり)。
すっかりおなじみかもしれませんが、
尚泰久王の娘(王女)、
護佐丸の孫、
阿麻和利の妻、
阿麻和利を討った大城賢雄の妻、
という
15世紀の偉人たちをつなぎ、
故に波乱万丈な人生を送った王女です。
今回は服飾を色々と調べまして頑張りました!
まずは、打掛がこちら!
手わざ展で復元された伊平屋のあもがなし衣装。
最新の研究により、この衣装は赤地ではなく黄色地であることが発覚。
模様は染ではなく刺繍で施されています。
この衣装をそのまま資料にして描いたのですが…
う~ん、なんとけったいな模様なんだろう…(笑)
ぐるぐる巻きやうねうねうねった蔦?や、
正体不明のこいつ↓とか。
視写っして観察すればするほど、
どのモチーフも有機的で活動的でどこか熱帯的で、
とにかく不思議。
これに類似する柄は、他国・他地域にあるのだろうか…。
配色もカラフルというわけでもないし、
多用されている黄色も紅型の黄色とは違っていて、
すっごい着る人を選ぶ色の着物だな~
(ブルべとかイエベとかの、アレね。)
とか思いながら描きました(^^;)
打掛の下のドゥジン・カカンは
『琉球服装の研究』(辻合喜代太郎、橋本千栄子著)
を参考にしました。
ドゥジンは4枚重ね。
丈を変えてそれぞれの色が見えるようになっています。
こちらも黄色が多用されていますが、
参考資料にあった配色を踏襲。
今回は
自分では想像だにしない柄と選ばない配色に
やや戸惑いつつの作画・着色でした。(^^;)
でもそれがかえって”琉球独特感”
ということになるのかもしれません。
手に持つは、紅釉水注。
↑写真の下段中央にあるものです。
このブログでも何度か紹介していますが、
現在世界で4点しか確認されていない
非常に貴重なもので、
1459年に燃えたとされる首里城倉庫跡から出土しています。
百十踏揚もきっとこの水注を目にし、
手に取っていたかもしれません。
リテイクシリーズでは、今、実際に残っている考古遺物なんかも
なるべくたくさん取り入れていきたいなと思っています♪