がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

当サイトの掲載写真・イラスト等の無断転載/無断使用を禁じます

祝☆肝高の阿麻和利300回公演!

2017年11月28日 | ・肝高の阿麻和利レポ
 
 
 
肝高の阿麻和利 
 
2017年11月26日(日)
 
きむたかホール
 
 
 
夜公演に行ってきました!
この公演はなんと!
 
公演300回達成!!
 

おめでとうございます!
 
 
 
 
 
この間200回公演だった気がするのに、
「早っ!Σ(゚Д゚;)」が、個人的な印象です。
200回公演の時のレビューはこちら
 
 
 
 
 
先日、このパンフレットに載っている
卒業生と現役生の座談会の記事を再読したのですが、
発足当時の無理解や、葛藤、必死さ、
そして阿麻和利をつなげていきたいという
当時のメンバーさんたちの想いに
胸が熱くなりました。

あの時の熱意と努力があったからこそ、
そして先輩たちの想いをしっかりと
つないできたからこそ、の
300回なんだなと、
ひしひしと感じます。
 
肝高の阿麻和利に関わってきた
すべての人たちに
感謝と敬意を表します。
 
 
公演1000回目指して
これからも応援しています!
 
 

↑300回記念しおりいただきました!
裏のメッセージは中1の女サンの子から。
のぼりイラストも使ってもらって嬉しい♪
 
 
 
+ + +
 
 
 
さて、阿麻和利は去年度の卒業公演ぶり。
8代目阿麻和利君の公演見るのは
お披露目公演以来の約1年ぶりでした。
かっちんカナーとかでは見てたけれども)
 
 
親近感のある庶民派系、
という第一印象だった彼。
去年よりもがっしりと力強くなっている
という印象でした。
 
第一幕では割と元気に豪快に、
第二幕では基本しっとりまろやかに。
 
二幕のほうが素の彼に近い感じかな。
(先日、直接お話しする機会があったもので)
もともとすごい優しい声をしているので
そんな感じがにじみ出ていました。

二幕のエイサー後の百十踏揚との2人のシーンは…
ごめん…ちょっと聞いてて砂吐きそうになったけれども(笑)、
阿麻和利&百十踏揚のラブラブは本望なので、
どうぞこれからも存分にやってください(笑)
(以前、エイサーに阿麻和利だけじゃなく
百十踏揚も加わって…という時があったけど、
これも台詞に頼らないラブラブ表現で好きだったなー
 
そしてそんな2人のやり取りのそば(中通路)で
手紙を持ち、たたずむ賢雄な…(笑)
 
 

護佐丸謀反の手紙のシーンは
先代阿麻和利君を彷彿とさせました。
 
発破をかける賢雄に対して、
「わかっておる!」と一喝し、
その後自分に言い聞かせるように
「わかっておる」をさらに2度繰り返したり、
戦の号令をかける決断をするまでの溜め(間)、
そして絞り出すような「戦だ、戦じたくをせよ」の声。
直前の「ものどもー!」とも調子が違っていて
阿麻和利の苦悩がとても伝わりました。
 
最期のシーンでは、
死にゆく阿麻和利が屋慶名と
がっつり話しているのが印象的だったな。
台詞までしっかり聞こえるくらいでした。
(あとは頼むぞ的なのと、屋慶名への一喝)
 

ところで、
戴冠式のシーンで草冠がなかったのは…
なぜなんだろう…(´・ω・`)
気になることがあったので、見たかったのだけど…。 
 
 
 
+ + +
 
 
 
 
現百十踏揚も1年ぶり!
声が全体的におしとやかな姫系で好みでした
 
琉歌のシーンも声が透き通ってて
少しエコー?もかかっててきれいだったな。
 
最期のシーン、
霊験あらかたでちむわさわさーしている感じは前からあるけど
いてもたってもいられず、阿麻和利に話かけた
と同時に火薬蔵の爆発音っていうのが絶妙でした★
 
 

ところで、百十踏揚が登場するときの肝子の説明、

「(百十踏揚は)聞得大君という、
ノロの最高の位についておりました」

って言う部分は、変更する予定はないのかな…。
 
聞得大君という名前の役職ができるのは
第二尚氏になってからの尚真代なので
(初代聞得大君は金丸の娘で尚真の妹(姉)の月清)、
別の説明に置き換えられたらなーと思ったりもします。
 
史実と違うからダメ!っていうわけでなく
(肝高の阿麻和利が創作なのは心得ていますし)
物語上、聞得大君っていう専門用語を
どうしても使わないといけないってわけでもないし、
別の表現にしても差支えがないなら、
余計なつまづきを与えないためにも、
そのほうがベターな気もしています。
 
「神に仕える、ノロの最高の位についておりました」とか
「琉球の祭祀をつかさどる、ノロの最高の位についておりました」
 とか…。
 
うーむ。
 
 
 
 
+ + +
 
 
 
他、役者チーム。
望月按司Sのじいちゃんばあちゃんキャラ好きだ―!

でももうちょっと妃に敬意を表してもいいと思う(笑)
一応、使用人の分際だし…(^_^;)

望月按司の草履が片方取れちゃってからのアドリブ?はよかったなー。
なかったことにするわけではなく、
「おっとっと…」普通に拾ったのも自然だったし
片手に持った草履で屋慶名を叩いたのも
傲慢感&酔っ払い感が出ててサイコーでした。
(そうされたら普通怒り心頭だよな。血管ぴきぴきモノだわ)
 
奥に行ってもなかなか草履を履かなかったことを考えると
もしかしてアドリブじゃないのかな?どうなんだろ?
 
 
 
今回、役者チームは全体的にちょーっと台詞かぶりが
多かった気がするので、ほどほどに(^_^;)
せっかくのセリフが台詞かぶりで
聞こえないのはもったいないなー、と。


(関係ないけど、テレビでもラジオでも
誰かが話してる最中に話をかぶせてくる人、
すごい増えたよね…。アナウンサーとかでも。
自分も気をつけなければ…)
 
 
 
+ + +
 
 
 
アンサンブルさん。
 
今回、ひっさびさに肝高の詩で、
男サンの「笑顔でアイコンタクト」が見れた!
(席の関係だったり、立ち位置が変わってたりで
しばらく見れてなかったのだよ…)
 
ひゃっほーい!(笑)
 
やっぱりいいっスな…(←おやじ)
 
 
 
そういえば、浪漫の初めの肝子とか、
阿麻和利の最期の前のハッタラーとか、
階段での演出が控えめになってましたね。
後ろや横からも見やすくなっていいと思うー♪
 
センターに肝子、それを囲むような浪漫のスタンバイ、
綺麗だったな♪
 
 
ちなみに、個人的に肝高の詩の始まりは、
最初から舞台にもっと人数がいてほしい派(^^;)
暗転から、バッと舞台が明るくなってからの
インパクトってかなりあると思うので。
あれ?少ない?って思っちゃいました。
前奏終わってすぐに走ってきて増えはするのですが、ね。
好みの問題かもしれないけど。
MOMOTOとか、その点、すごい密度とインパクトがあった印象☆
 
 
 
+ + +
 
 
 
きむたかバンドさん。
 
客席側のバンドピットから
舞台上の後方に移ってからの
肝高の阿麻和利を見るのは
私はたぶんこれが初めてかも。
 
そうか、でも、あの音を体感できる機会は
もうなくなってしまったのね…。
 
幕にさえぎられてしまうぶん、
幕開けの音とかちょっと迫ってくる感じは減った気はするけど、
でもお客さん誰からもバンドさんの顔や活躍が見える、注目できる
ってのはいいですよね♪
 
数ある現代版組踊シリーズの中でも
バンドも歌も子どもたちでやっているのは
そう多くないので(阿麻和利と那覇だけなような)、
どんどん注目されてほしいです!
(リニューアルCDもそろそろお待ち申しております☆)
 
 最後の幕が下りる時に
皆で手を振ってたのがかわいかったです♪
 
 
 
+ + +
 
 
 
さて、次の肝高の阿麻和利は
卒業公演!(2/24、2/25)
 
場所は響ホール!
 
最終公演争奪戦
12/16(土)9:00のゴングです!
(電話のみ、あまわり浪漫の会)
 
参戦される方は心してかかるべし!!!

必要なのは、
運と、狂気です。
(私は去年は心折れた(笑))
 
 
 
138

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現代版組踊から、"琉球史"へ

2017年11月27日 | ・琉球/沖縄、徒然日記

 

ワタシが琉球史にハマったきっかけは
現代版組踊「肝高の阿麻和利」なのは
もうさんざん書いていることなので(例えばこちら
ご承知かと思います。

が、

ここでまたよく言われること。

 

「現代版組踊とか阿麻和利が
好きな人ってたくさんいると思うけど、
でも普通はそれで終わるさ。

普通は藪に埋もれたり(=史跡巡ったり)
本読んだり、調べたり、かいたりとかまでは
なかなかしないさ。

ここまで琉球史にハマったのはなんで?」

 

 

ワタシは大学の史学科を出たわけでもないし
もちろん歴史研究家でもないし
興味のある部分がかなり偏っているし
もっと詳しいアマチュアの人もたくさんいますが、

琉球史を楽しむことで世界が広がって
それがきっかけで色んな出会いがあったり
オシゴトもさせてもらったりと、
人生が変わったと言っても過言ではありません。

 

そこで、
改めて自問自答してみる。

 

なんで現代版組踊だけでなく、
琉球史じたいにハマれたの?

なんで、琉球史じたいにハマるほど
テンションを保てたの?

 

 

 


肝高の阿麻和利公演ラッシュ

当時、ハワイ公演の資金造成公演と称して
様々なゲストを招いて毎月公演がありました。

はい。

毎月行きました。

初めて見て、衝撃を受けて、
その興奮が冷めぬ間に次の公演があった、
と言うのは大きいかもしれません。

そして、肝高の阿麻和利だけでなく
現代版組踊という枠組みがあったからこそ、
他の舞台も見に行くようになりました。
これも大きい。
だって題材は全部琉球史だし。

肝高の阿麻和利初見の約1か月後にあった
『翔べ!尚巴志』(現『鬼鷲』)の初演も見に行っています。

過去ブログを振り返ると
8月に初観劇して以来、2月まで、
7か月連続、毎月、なんらかの
現代版組踊を見ていましたね。

 


『テンペスト』の発売

『テンペスト』単行本の発売が、
実は私の肝高の阿麻和利初見と同時期。
(2008年8月末)

ということは、広告も大きく出る。
書店にも並ぶ。
レジ横にも置かれる。

ある日、何気なく開いた新聞で(そう、また新聞(!))
このテンペストの広告が載っていて
「へー、首里城の話なんだー」
とアンテナにひっかかった。

肝高の阿麻和利で琉球史という世界を
覗いていたからこそ、
この広告に目がとまった。

そしてダメ元で買って読んだら、

はい。

どっぷり。

何回も繰り返し読んだ。

首里城に行きまくった。
テンペストの舞台が巡りたくて
舞台となったスポットを周った。
テンペストの世界感が味わいたくて
首里城関連のイベントにも行くようになりました。

 

 


社会人だった

車(足)がある。
お金がある。

行きたいところは行けたし、
公演のチケットも迷わずに買えた。

学生だったら
なかなかそうもいかないよね。

"史跡の標識があったら
とりあえず行ってみよう南部ひとりツアー"
ができたのも足があったからこそ。

 

 


おたく気質だから

なんだかんだ言って、
これが一番かもしれないけど(^^;)

ハマったらとことん!
の芸術家タイプの0型なんで。

だから、肝高の阿麻和利に出会ったあの年度に、
肝高の阿麻和利紅型も作ったし
(そしてすぐにあまわり浪漫の会がスタンドバナーに採用してくれた)
沖縄歴史検定も受検しました。

 

 

 

細かいところまで上げると
本当はもっとあるのですが、
これらのことがどんどん繋がって繋がって

そして今に至るって感じです。

 

 

 
↑肝高の阿麻和利紅型イラストレーションの型紙

 

ちなみに。

小説「百十踏揚」にハマるのは
肝高の阿麻和利に出会った翌年の2009年。
テンペストを読んだちょうど1年後。


琉球歴女という肩書?を使い始めるのは
肝高の阿麻和利に出会った翌々年の2010年の4月。

イラスト描きを再開するのは
これまた同じ2010年の8月末です。

2010年は琉球歴女として
大きく動いた年でもありました。

テンペストによる琉球ブームということもあり、
このブログをきかっけに
裏シゴトが始ったのもこの年。

琉球歴女として公(新聞)に取り上げられたのもこの年。

 

 

ここまで来たら、

 

 

もう、

 

ね。

 

 

だから、2008年のあのタイミングで
肝高の阿麻和利と出会って
テンペストと出会って
琉球史の面白さを知って…

というのは

振り返れば振り返るほど、

あまりにも要素が整いすぎていて

 

もう、運命。

 

としか思えないような気もしています(笑)


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漫画「琉球のユウナ」

2017年11月17日 | ・和心な本、琉球な本

 

Twitterで周ってきたマンガ情報☆

『琉球のユウナ①』(響ワタル著/白泉社)
(↑画像クリックでamazonにジャンプ)

 

尚真王代を舞台にした
琉球ロマンティックファンタジー

 

読んでの感想は、

 

まさに

 

琉球
ロマンティック
ファンタジー

でした!

 

そして

まぎれもなく少女漫画(ここポイント)

ということ(笑)

 

少女漫画だから、
ヒーローのかっこよさで
キュンキュンさせるのは絶対条件!(笑)

 

尚真王、
こりゃ惚れるわ(笑)

 

 

ストーリーの原作(案)者がいるわけでもなく、
漫画家さんが沖縄出身というわけでもないので
かるーくそれっぽく琉球エッセンスを入れただけだったりして…
と思ったけど、

結構色々調べられてて
(巻末に参考文献一覧あり)、

袖結いや民家の内部やちんすこうなどの風俗をはじめ

クーデターの事や、尚宣威のこととか、中央集権とか、
モテ男父王(金丸)のことや、琉球の祭祀など、
歴史エッセンスも思ってたよりも入ってて
気に入りました

 


うへー!(笑)
ってなったシーンもあったけど。

いや、でも面白かった☆

 

 ↑茅葺、竹の床にチニブ

(↑ほぼ持ってる♪)

 

描けるところはなるべくしっかり描きたいって
こだわっているのが分かりました★

一方で、首里城のビジュアルとか、
歴史的に違う面もありますが(尚真代は今と違ってNO瓦屋根)
でも、おそらくそれは作者の確信犯部分なのかな、と。

読者が全国区である限り、
歴史的事実と、一般的な琉球(沖縄)イメージ像と、
分かりやすさと、少女漫画的ビジュアルと…
というようなバランスというか、
調整は必要だったでしょうし、

ホントは当時は違うって知ってるけど
漫画では(作画では)敢えてこうした、
ってところはあるんだろうな、
と想像しました( ˘ω˘ )♡

 

まったく琉球の歴史を知らない人でも楽しめる、
そして琉球の歴史に興味を持ってもらえるような
そんな漫画じゃないかなと思いました♪

 

 

≪追記≫
琉球のユウナ2巻レビュー → 

 

 

+ + +

 

 

 

ところで
少し話は変わりますが、
琉球女の子キャラについて
私が常々思っていることがあって。

 

(特に)本土の人が描く琉球女の子キャラって
3大特徴があって、

1 ハイビスカスの髪飾り

2 紅型着物

3 露出多め(ミニスカートや胸はだけ)

なんです。

 

オプションアイテムとしては

花笠、シーサー

とかね。

沖縄の人でもちゃんと歴史に興味を持ってない人はこのパターンかな…

 

もう、判を押したかのように
このパターンの多いこと多いこと。

あまりにもワンパターンすぎて
かえって新鮮さやリアリティがなくなっていると思います。

(琉球を表現するモチーフ、
もっと色々あるよー!

 

なので、萌えなキャラでも全然いいんですが、
琉球の女の子キャラを作るときは

せめてこの3点セットのうち
1つ(できれば2つ)は別のモノに置き換えると
少しひねり技を効かせることができるので
いいと思うのですよ。

例えばハイビスカスを別の花(デイゴとか)に
替えるだけでも結構変わるはずです。

なのでこの漫画の表紙も
ハイビスカスじゃなくてユウナにしてほしかったな…。
(物語にはユウナの花がちゃんと出てきてるだけに惜しい…)

(なお、本編ではミニスカ着物ではあるけど、
ユウナちゃんは基本、紅型もハイビスカスもつけてません)

 

(LaLa編集部のツイートより。クリックでジャンプします)

 

そういう意味では、こちらの画の方が個人的には好きです
三大ワンパターンを外しつつ琉球感はばっちり☆


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琉球/沖縄、一問一答 【第103問】

2017年11月15日 | ・琉球/沖縄、一問一答

【第103問】

 

沖縄産業の恩人と呼ばれる儀間真常が
琉球に広めたものとは?

3つあげよ。



 

(答えは下)

 

 

 

琉球/沖縄、一問一答シリーズについて

 

 

 

 

■ ■ ■ ■


 

 

 

【答え】

 

サツマイモ

木綿

砂糖製造(さとうきび・黒糖)

 

儀間真常の墓


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大変革!百十~MOMOTO~(ネタバレ含む)

2017年11月12日 | ・現代版組踊レポ

現代版組踊舞台レビューについて

 


百十~MOMOTO~

2017年11月4日(土)・5日(日)

きむたかホール

出演/肝高の阿麻和利高校生メンバー・Team NEXT TAO

  

※今回のレビューは、ストーリーのネタバレを含みます。

 

土曜日の昼・夜公演、
日曜日の夜公演に行ってきました!

 

和々的泣ける現代版組殿堂入りのこの舞台。

現代版組踊で初めて落涙した初演から、
毎回必ず行っているので
(百十観劇は今回で10回目★)
そろそろ慣れてきてもよさそうなのです、が、

 

今回も泣かされました…。

 

土曜日の昼公演で涙ぼろぼろ、鼻水ぐしゅぐしゅ

客席にいるのでこれでも抑えてたつもりだけど、
もし周りに人がいなければ、
終わった頃にはティッシュ山盛りだったはず。

 

しょっぱなからこんなに泣かされるんだから、
もう一回は見ないといかん!
と、予定外だった土曜日の夜公演もチケット取ったもん(笑)

 

落涙ポイントは前回までのシーンはもちろん、
(カーテンコールでも泣けるって百十以外にない)

今回は、

王妃

の存在がとにかく大きかった…。

 

新キャラとして王妃(=百十踏揚の母)が出る、
ということは事前に聞いていて
(HPなどでも紹介があったし)


なるほど、
これまで以上に「母」に趣を置いてくるのね(ニヤリ)

とある程度読めてはいたのですが、

 

いやはや、
想像をはるかに超えていました。

 

まず、
王妃の出番、がっつり。

百十踏揚が首里に戻ったところでのやり取りは
思戸から全て王妃にチェンジ。
(思戸とは越来で再開)

百十踏揚の自殺未遂を身を挺して止めるのも
あなたのせいでない、と言いきかせるのも王妃。

そして傷心の百十踏揚に寄り添い、
「生きるのです」と励まし、指針を与えたのも王妃。

王妃自身、父である護佐丸を殺されており
身内を身内に殺されるという
大きな傷を抱えていて、
百十踏揚の気持ちは痛いほどに知っているからこそ。

 

金丸の進言によって、
百十踏揚の心の傷も癒えぬままに
再度賢雄に嫁入りさせることを決めた尚泰久が
そのことを告げに部屋に行ったシーン、良かった。
(尚泰久のあの内容のセリフがここで復活(笑))

賢雄への嫁入りの命を受け、
ショックを受ける百十踏揚、
抗議する王妃、

 

「お国のため、お国のためにと…
お国の前に、わらわたちの心が壊れてしまいます」


その抗議に対して

 

「そんなこと、わしも分かっておる!」


と一喝する尚泰久。

 

この3人の心のせめぎあいと葛藤が
痛いほどに伝わってきて。

最初に泣いたのはここでした。

 

嫁入りに反対の意を重ねる王妃に
業を煮やした尚泰久は王妃を"謀反人(護佐丸)の子"として
追放を命じる。

 

うわーーーーーん(涙腺崩壊)

 

抑える侍女たちを振り払い
百十踏揚にかけより最後の言葉をかける王妃、
縋りつく百十踏揚…。

 

「父上は私たちが憎くなってしまわれたのですか!」

 

尚泰久!ひどい!
…ということは到底思えず、
ただただ、3人それぞれの苦悩が伝わってきて。

 

「どうしてこうなってしまうのだ」
「家族の幸せを願わぬ父親などいるはずもないのに」


ほんとにね(´;ω;`)

 

そして幼い頃の百十踏揚と母との思い出の回想シーン。
楽しかった、母との思い出…。

 

 

これだけでも十分なのに、
たたみかけるように
今度は百十踏揚の越来への嫁入りシーン。

祝言を祝う越来の民たちの雑踏に混ざって
王妃が嫁入りの百十踏揚を見つめる。

百十踏揚は一瞬母を見た気がして、
雑踏の中を探すけれど
もうそこには母の姿はなくて…。

 

うわーーーーーーーん

(いかん、今書いてて思い出しても泣けてくる)

 

百十踏揚は辛い気持ちを持ちつつも、
母の強さと「生きるのです」という言葉を胸に
新たに進むことを決意する。

 

このシーン、
日曜日の夜公演を見た時は
尺が長くなっていました。

 

雑踏の中で母を見つけることはできないのですが、
簪?を拾い、母がいたことを確信する百十踏揚。

これまではそこでそのままハケていた母が
最終では、時が経ち百十踏揚は子を産み…という
次のシーン(演出)まで遠くから見守っていて。

娘を見守り幸せを願う「母」の想いが
より強く出ていました。

 

 

この王妃と百十踏揚のシーンは
母をテーマにした「にぬふぁ星」の曲で
一連の流れをつないでいました。
(にぬふぁぶし=北極星のこと、道しるべ)


この曲が、また泣かす。


歌詞もメロディーも歌声も、
すごくすごくきれいで
この曲抜きではこのシーンは成立しないほど
効果抜群でした。

百十のCD化、お待ちしております!

 

今回、この王妃とのシーンががっつり入ったことで
百十踏揚の傷心具合や賢雄との再婚との葛藤、
そして少しずつ立ち直っていこうとする
リアルな心の移り変わりが感じられて
とても良かったです。

前回までの展開も特に無理があったわけではなかったのですが、
今回は更に深みとリアリティが出た感じ。

 

+

 

最初の頃は小説「百十踏揚」の舞台化!
と言っていいほど小説そのまんまの印象が強かったですが、

今回の王妃とのやりとりはオリジナル脚本。
(小説では護佐丸討伐前に王妃は病死しています)

それからこれは初演からだけど
賢雄や百十踏揚の最期のシーンなど
小説にはないオリジナルの場面がどんどん入ってきて
しかもそれが物語の核になっていて、

もう小説の舞台化とは違うな、
もうオリジナルの「百十」になったな、
と思いました。

 

本当に、素晴らしいです

 

+ + +

 

 

百十踏揚は去年と同じくチヒロさんと、
去年肝高の阿麻和利を卒業したリサコさん。

どちらも安定の百十踏揚

お二人とも、去年よりも
「強い百十踏揚」になってると思いました。

強いというか、きっぱりしてるというか。

幼少期の百十踏揚と賢雄が登場するようになって感じたのは
やっぱり幼少期のおてんばお嬢様っぷりと、
大人になってからの麗しく儚いTHE姫というキャラクターや、
幼馴染として身分の差なく言い合ってた賢雄との関係のギャップ。

百十踏揚のキャラクター表現がより強くなったことによって
これらのギャップはだいぶ縮まってる印象でした。

 

賢雄との関係もフランクだったのが
夫婦になった後も随所に感じられ良かったです(^^)

賢雄と百十踏揚・思徳金一行との別れのシーンは、
幼少期の百十踏揚や賢雄の回想シーンで

「これから何があってもお前を守ってやるからな」

をリンクさせて☆

小説ではここが泣ける!百十踏揚が賢雄に対して本当にわだかまりが溶ける所なの

 

 

+ + +

 

そして、今回の特記事項。

 

日曜夜の、最終公演。

 

尚徳出た。

 

この1公演のみ!

この1公演だけ、実験的な試みなのか、
間に休憩も挟んでの2幕構成。

1幕のラスト、金丸のクーデター勃発のシーンで。

 

「おのれ金丸!」
「父(尚泰久)の恩を忘れたか!」

 

舞台上の人の発声ではなく、
舞台裏からのマイク発声(もしくは事前録音)。

え、え、えっ!?

この感じ、
このセリフ、
まさか、尚円王回顧譚!!??

中央には逆光で顔の見えない男が一人。

誰!?

金丸!?

えっ、うそ、
尚徳!!???

自害する尚徳。

そして、ライトダウン、緞帳が下りる。


・・・・・・(口あんぐり)

 

休憩に入り、会場が明るくなっても、
しばらく口開けたまま放心状態でした(笑)

 

マージーかー!?

(↑は帰ってからツイッターにあげたもの。
このイラストよりも、もっとあんぐり+放心って感じでした)

 

今度は尚円王回顧譚の再演を、と願っていて
その日のかっちんカナーのレビューでも書いてたばかりだったのに、

まさか、こんな形で再会するとは。

(台詞とか違うかもだけど、
回顧譚では舞台上にいたのは金丸で尚徳は出てないけど、
でもあれを彷彿とさせる感じでした

 

これは完全に予想外でした。

見れて良かった。

マジでこれはラッキーでした。

 

尚徳!継続求む!!

 

 

ちなみに、この時の尚徳、
土曜日の百十踏揚役のちひろさんだったことをツイッターで知り、
二度度肝抜かれた、という後日談。

 

 

+ + +

 

 

賢雄はリョウ君一人で4公演、お疲れ様でした!

越来での祝言のシーンで
衣替え(頭巾)が行われたのも
阿麻和利の戴冠式のシーンみたく
按司になった感が出てよかったな(^^)
(そして隣に立つもやつれて元気のない百十踏揚…)

 

賢雄最期のシーンは、
現代版組踊シリーズの中でも特に好き!

私、この系統の死ぬシーンが好きなんだね。
(アカハチとかワカチャラとか、これ系)

 

賢雄の戦いのシーンは
賢雄は体をいっぱい動かして、
「コノヤロー!」とかの雄たけびもあり、
アンサンブルさんのメンバーも増え(たよね?)、
迫力満点!!

 

知花大親がソロで死ぬシーンも追加されてました。
(今回の百十、死ぬシーンめちゃ多い。未遂含む(笑))

 

三つ巴松明隊の踊り、好き!
(百十CD化の際にはこの曲も収録してほしい!)

ボーカルさんのコーラスが入るまでの
松明隊だけの演舞だけの所は
音的にちょっと物足りないから、
唸るとかなんかあるといいのかも、
と思ってましたが、

日曜日公演では、敵兵の男サンが
客席でうろうろしながら大声出しててよかったです

 

 

 

+ + +

 

他にも細かい変化は色々あったのですが、
今回は大きい変革がありすぎたので
これくらいにしておきます。

やっぱり、この舞台は私にとって特別な作品です!

 

今回もばっちりデトックス・涙活させていただきました!

 

ありがとう百十~MOMOTO~!

 

次回も楽しみにしています

 

 

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琉球/沖縄、一問一答 【第102問】

2017年11月07日 | ・琉球/沖縄、一問一答

現代版組踊「百十~MOMOTO~」のレビューは
ちょっと遅くなる見込みです…
(今週土日も出勤だしなぁ…)

 

というわけで、
久しぶりの琉球/沖縄、一問一答シリーズです。

 

 

【第102問】

 

琉球で初めて作られた
刑律典(刑罰に関するきまりを書いた書物)は?



 

(答えは下)

 

 

 

琉球/沖縄、一問一答シリーズについて

 

 

 

 

■ ■ ■ ■


 

 

 

【答え】

琉球科律(りゅうきゅうかりつ)


1786年成立

むしろ、
この時まで確立されてなかったってのが驚き(´Д`;)

 


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現代版組踊舞台レビューについて

2017年11月06日 | ・現代版組踊レポ


↑このちらしは2008年のものです

 

舞台を見るたびに書いているレビュー。

現代版組踊、そして関連舞台を含めると
観劇回数も150回になりました。

 

去年Twitterを開始したこと、
一時鑑賞頻度をぐっと抑えていたのが
元に戻りつつあることもあり、

私の事を知ってくれる人や
ブログやレビューを読んでくれる人も
新しい人が増えているな…
という印象です。

 

そこで、私の舞台レビューのスタンスについて
改めてもう一度まとめておこうかと思いました。

 

 

+ + +

 

 

私の書く舞台レビューは
一言で言うと、

自分の為の備忘録

です。

 

毎回変化する現代版組踊を
できるだけ忘れたくない!

これが動機です。

 

きっかけは2008年10月に行われた
「翔べ!尚巴志」の初演でした。

 

 

この公演の1か月ちょい前の8月末に
肝高の阿麻和利を初めて見た私は
とんでもない衝撃を受けました。
(トップの画像はその時のチラシです)

 

あの時と同じ刺激と感動を
この尚巴志の舞台でも味わえるに違いない!!!
と期待度300%で行ったのですが、、、

 

残念ながら、

それは叶いませんでした。

 

見終わった後に残ったのは
「あれ??」「う~ん??」というもやもやした気持ち…。

 

今思えば当然です。
(当時)8年続けられていた伝統ある・現代版組踊の核とも言える肝高の阿麻和利と、
何もかもができたばかりで試行錯誤中であったろう尚巴志では
積み上げてきたものが違うのですから。

(なお、今の翔べ!尚巴志⇒鬼鷲は言うまでもなくハイレベルです)

 

でも、期待と違った、残念だったなんて、
そんなこと言ったら悪いよね……
と一切記録には残さなかったのです。

 

そしたら。

 

記憶が全部なくなってた。

 

残ってるのは、

もやもやした、
あの何とも言えない感情だけ。

 

 

これには愕然としました。

翌年、第2回の翔べ!尚巴志を見に行った時に、
何が変わったんだろう
何が進化、成長したんだろう、

 

それが一切分からなかった。

何も思い出せなかった。

 

この、後悔。

 

これが、私がレビューを書き始めた、

そして


良かったこともイマイチだと思ったことも、
見た時の感想を正直に書いておこう

そしてなんでそう思ったのかも
ちゃんと考えてみよう

指摘をするなら私なりに代案も考えてみよう

と思った理由なのです。

 

自分のための備忘録とはいえ、
ブログと言う公開されている媒体に
書いているからには
読んでくれる人がいるので
メッセージも込める時もあります。

もちろん、

めっちゃ辛口なところもあるかもしれない、
的外れなことも言ってるかもしれない、
勘違いや記憶違いもあるかもしれない、
舞台人でもないくせに何をエラソーに、
こっちの事情も知らないで、
などと思われることも書いているかもしれない。

 

でも、

いち一般の観客として、
いちファンとして、
関係者でも身内でもない、
私は私の立場で書くしかないよね…
と思っています。

(一時すごく悩んで書くのをやめようかと思った時期もありました)

 

立場が変わればもちろん見方も変わるでしょうし、
私自身も常に変化していますから
受け取り方が変わったり、
あの時理解できなかったことも今なら分かる
ということもあるでしょう。

 

だからこそ、

その時、その日に感じたことを、
できるだけそのまんま。

 


誰かのために、
というよりは将来の自分の為に。

また、いつでもこの時の感動・感情を思い出せるように。

 

そうやって書いていることが、結果、
もし、誰かの役に立つことがあるのであれば
それはそれでとてもありがたいです(^^)

 

 

妙に分析しすぎたり理論くさくなってしまうのは…

長らくデザインを学んできた性(さが)と
(すべての行為に意図を!がデザイン学にはあるので。
感覚だけではない、理論の部分)
職業病的な、いわば癖みたいなものもあります(^^;)

 

 

ただ、琉球史の知識もだいぶ入ったこともあって
どんどん記事が長くなっていってる気がするので
もうちょっとコンパクトに
まとめられるようになれたらいいな(^^;)

(小一時間位でパッと書き終われるようになりたい。
メモ、推敲も含めてレビュー記事はたいてい数時間かかってます…

 

 

+ + +

 

 

これからも現代版組踊は応援してますし
公演も見続けようと思いますし
レビューもその時できる範囲で続けていこうと思っています。

そのことだけは
昔も今も変わりません。

 

以上のことをご理解の上
読んでいただければ幸いですm(_ _)m

 

 

+ + +

 

 

参考までに↓

そもそも私が肝高の阿麻和利を初めて見ることになったきっかけとは。

私のような入り方の人って、
かなり特殊だと思うのです。


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現代版組踊かっちんカナー"初演"

2017年11月05日 | ・現代版組踊レポ


現代版組踊 「かっちんカナー」

2017年11月3日(金・祝)

肝高の阿麻和利中学生メンバー

きむたかホール

 

 

15:30からの2回目の公演を観劇ました。
(ご招待いただきました!感謝

 

この舞台は15年前に一度だけ演じられたという
"ミュージカル"

その舞台を"現代版組踊"として完全リメイクし
肝高の阿麻和利の中学生メンバーだけで
演じ切る、という新しい試み。

(ごく一部、高校生メンバーのサポートもあり)

 

肝高の阿麻和利がメンバーが
スピンオフ舞台を演じることを定期的に行う、
そうすることによってメンバーさんも観客も
新鮮さを味うことができ、マンネリ防止にもなり、
新しい発見と刺激があるはずだ、と
ずっと願ってぼやいてきたことが
百十~MOMOTO~や、
かっちんカナーという公演の現実になって
とっても嬉しい!

(金丸主人公の尚円王回顧譚の復活も願いたいところだけど…
さすがにもう無理か(^^;))

 

しかも、今回は中学生のみ!

これはめちゃくちゃレベルアップの機会になること間違いなし!

高校生に頼らず、自分たちだけで。

是非、今回だけの公演にせず、
今後も「中学生だけの舞台」として
継続していってほしいと思います

今回がその"初演"として基礎(ベース)を作ったとして、
この経験を毎年積み重ね、
今回の舞台を見ていた(経験した)1年生が
2年生、3年生となっていったら
演技も演舞も、その成長率は
これまでの比ではなくなると思っています。

これまで中学3年間の成長率が3倍だとしたら、
かっちんカナーを経験することで6倍にも12倍にもなる
そんな予感がしています。

そしてそれが本元・肝高の阿麻和利にもつながり、還元される…

嗚呼、おそろしや(笑)

 

 

今回、舞台のはじめに
15年前に演じられた舞台のVRTがちょっと流れたんですね。

それを見て思ったのは、
やっぱり演技力や演舞のレベルの違い。
(小学生もいたっぽいかな?)

昔のレベルが云々という意味ではなく、
肝高の阿麻和利があれから15年ずーっと続けてきて、
先輩の姿を見て刺激を受け、学び、育ち、成長してきた
常に変化し、進化してきた、
演技力も演舞力も、その毎年毎年の積み重ねで
今のレベルまで上がってきたんだろうな、
ということをつくづく感じました。

 

続けてこられていることに、
ただただ、感謝

 

 

+ + +

 

 

かっちんカナーを見ての感想は
各舞台とのリンクが
ファンにはたまらない!

ということ。

もちろん他舞台を知らない人も楽しめるけど、
知ってる人はより楽しめる。

こういうこういう演出、リンク・布石って大好物。

 

肝高の阿麻和利や百十~MOMOTO~はもちろん、
大航海レキオスKIMUTAKA、鬼鷲など
随所にちりばめられていました。

サルタンの演舞とか、6年ぶりだよ…。
懐かしすぎる…。

 

 

肝高の阿麻和利とのつながりは当然ながら完璧で、

肝高の阿麻和利のクライマックス(肝高の詩)で始まり、
肝高の阿麻和利の冒頭(浪漫)で終わるってゆーのがもう…

くぅ~!憎いねッ!

ってな感じでした。

 

浪漫なんか、特に良かったよ。

カナーが明国からサバに乗って出立し、
勝連の浜にたどり着く一連の流れを浪漫の一曲で。

演者さんももちろん、
カナーから、阿麻和利へ。

そしていつもの、あの第一声。

「不思議なことがあるものだ
先ほどまでのしけた波が、ぴたりと止んだぞ(以下略)」

 

ほほ~~~~……

 

もうね、鮮やかとしか言いようがない。

 

この浪漫が特に印象的だったかな。

お見事でした

 

 

+ + +

 

 

物語はコメディらしいとチラシにもあったし、
HPなどでもあらすじなどが紹介されていて
パラピ(海賊)とかパラプ(山賊)とか、
百十踏揚も明国に渡って囚われるとか
結構はちゃめちゃドタバタコメディなのかな?

と思ってたけど、

そうでもなかったかな?

結構しっかりした物語性、メッセージ性があって
護佐丸をはじめ王子時代の尚泰久などなど
歴史要素も結構入ってた。

もちろん、コミカルな演技はありましたけど、
爆笑というよりは「くすっ」って感じだったかな。

(護佐丸の孫バカっぷりとか、チビなパラプとか)

でも肝高の阿麻和利の愛の劇場みたいに
回を重ねるほどに笑えるシーンには
磨きがかかってきそうですね。

いかに演技ではっちゃけられるか、
ぶっ飛ばせるか、
絶妙な「間」をとらえられるか、
がコメディは難しいもんね(^^)

 

 

+ + +

 

 

百十踏揚はかなりの「おじょうさま」でした。

勝ち気で、おてんばで、
結構口も悪くて手も出す(笑)

以前、百十~MOMOTO~で初登場した時に書いたけど
この小説(琉球御嶽伝説)の百十踏揚がこんな感じ。

幼少時代の思戸に諫められるほど(^^;)
(思戸はMOMOTOをそのまま子供にしたって感じで違和感なし)

金丸にもケンカ売るし(金丸も買うし(笑))、
肝高の阿麻和利での「麗しきおしとやかなTHE姫」感は全然なくて
ちょっとギャップありすぎじゃないかなー
と思ってましたが

 

カナーと対面し、初会話した時、

 

声も態度も変わりよった(笑)


…惚れたな?

 

返す賢雄にはいつもの通りで。

 

わ、女の二面性(笑)

 

 

幼少期百十踏揚は百十~MOMOTO~にもでてくるし、
今回のキャラクターありきじゃなくて
これからいろいろ作っていけそうだな。

肝高の阿麻和利のとおり、
もろ「おしとやかな姫」、
だけど天然とか、
世間知らずすぎて天真爛漫とか

そういうのもよさそう( *´艸`)♪

 

 

+ + +

 

 

カナーは、結構気弱な感じでした。

目ぢからガン!
たくましくてドン!

って感じじゃなくて、

冒頭の弱ってるシーンはもちろん、
中国人に網を売り込むときとか
百十踏揚たちを助ける時も
前に前に、というよりはどこかちょっと遠慮がちで
さりげなく、という感じ。

(こちらは小説「新説 阿麻和利」のカナーが割とそんな感じ→上巻 下巻

世話になった海賊たちから離れて、
自分の使命を全うする為に…
という物語終盤あたりからは次第に声も強くなっていきましたが。

 

百十踏揚同様カナーと言うキャラをどう演じるかは
色々とバリエーションが作れそうですね!

この児童書「沖縄の星 悲劇の英雄阿麻和利加那」のカナーもなかなか面白いよ

 

 

…で、
ここは意見は分かれる所かも知れませんが、

 

個人的には、

 

演者さん(カナー)には歌ってほしくなかった…。
(曲自体も音程取りにくい難しい曲)

 

ミュージカルじゃなくて、
現代版「組踊」としている一つの特徴は
やっぱり

演者は歌わない

ってことだと思うのです。

だから私は
現代版組踊はあくまでも現代版組踊であって
ミュージカルとは違う
と思ってます。

(知らない人に簡単に説明するために
この言葉を利用することはあったとしても)

この1回だけではありましたが、
やっぱりここはバンドさんに任せて
捨てられ琉球を離れた心情を
演舞や演技で見せてほしかったな…。

 

 

+ + +

 

 

アンサンブルさん。

中学生だけでも、全くそん色なし!

さすが舞台の花。

 

最後のテーマソング&演舞も
もちろん今回もハズレなし!

 

あ、そうそう、波の演出すごかったな!

ああやって一瞬で舞台が変わる演出大好き!

ハッ!

ってなる(笑)

男サンが「アレ」をもって現れた時、
何かのしかけなんだろうな、
なんになるんだろうな、
と思っていたけど、
まさかの波で、
あの布の感じもさざ波感が出てて
すごく良かったデス!

 

(ところで海賊たちが最初に襲った
カナーを乗せてたあの団体って…何???
聞き逃した??(^^;))

 

 

+ + +

 

 

そして、舞台終了後、
歴史談義に花を咲かせている方々も。

 

最後は阿麻和利が護佐丸を殺すんだよね。

ほら、最初にカナーを助けた。

えー、そうなの??

ほら、組踊の鶴松、亀千代が…

 

 

そう!

これこそ!!

 

舞台を通して歴史を知る、
興味を持つ、
人物を身近に感じる、
郷土に誇りを持つ、

 

琉球史の世界へようこそ!

 

ワタシも今後もぞんぶんに琉球史の世界を
楽しんでまいりたいと思います。

 

そして新たな琉球浪漫を再スタートさせてくれた
かっちんカナー関係者のみなさん、
どうもありがとうございました。

 

 

もちろん、
まだまだこれから
という所はありますが、
先も述べたように、
これはある意味"初演"。

続けて、重ねて、繋げて、
どんどん進化、深化させていってほしいなと
思います。

今後の成長に、期待!

 

応援してます!

 

頑張れ!かっちんカナー!


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ソナミの烽火台

2017年11月03日 | ・琉球歴史/文化風景

 

前記事の続き。

 

前回の旅ではいけなかったけど
今回は行けた史跡、その2。

 

「ソナミの烽火台」


のろしをあげるための台です。

思っていたよりも大きな台(岩)でした。

解説版によると、
高さ2.5m、直径7mあるそうです。

 


 

解説版にあるように、
のろしを上げて
いち早く中国船の来航を首里に伝えるための
情報ネットワークの跡です。

 

以前、
こののろしネットワークを
実際にやってみる試みありましたが
気象状況などが原因で
失敗に終わっていたと記憶しています。

 

参考→ Qリポート琉球王府時代の通信手段を再現

 

 

のろしリレーが行われていた
島々の位置です。

 

よっぽどの快晴&風がない時じゃないと
うまく伝達できなかったんじゃないかな?

 

 

 

前回の涙石と
今回のソナミの烽火台は
すぐ近くになります。

帰路には案内表示もたっていたので
分かりやすいと思います。

ただ、
草が茂っている時は
蛇にくれぐれもお気を付けください。


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