2026年の完成を目指して、
復興が進む首里城正殿。
現在の、屋根の様子です。
実は私が1番見たかった工程で、
みなさんにも激推ししたいのが、
今のこの状態!!
(去った作品展でのギャラリートークでも力説したほど)
首里城の屋根と言えば、誰もが赤瓦葺を思い浮かべると思いますが、
首里城は、屋根の軽量化と耐久性向上を目的に
土ではなく杮葺(こけらぶき)を下地にする
空葺工法が取り入れられています。
(参『首里城の復元 正殿復元の考え方・根拠を中心に』)
平成の復元時と同様、
今回の令和の復元でもその工法が踏襲されているわけです。
杮葺とは日本の伝統建築のひとつで、板葺の一種です。
薄い板を重ねて竹釘で固定していきます。
とにかく緻密で、気の遠くなるような作業。
動画→★
杮葺の代表的な建築物には
金閣寺や銀閣寺があります。
美しいですね…
板葺きの、杮葺の首里城正殿!
なぜ私がこんなにこの状態を見るのを楽しみにしていて
こんなに推したいのかというと、
ざっくりいうと、
古琉球の首里城の姿だから。
首里城は500年あまりの歴史の中で
ずーーーーーーっと同じビジュアルだったのではなく、
歴史とともに、変わってきています。
最も分かりやすいのが屋根。
古琉球の時代(特に15世紀後半~)の首里城は
板葺きだったことが記録されており、
おそらく杮葺だったであろうことが
同時代につくられた玉陵や園比屋武御嶽石門などから
推測できます。
あくまで瓦葺の下地としての杮葺(状)ではありますが、
古琉球の板葺首里城が、実際にこの目で見られるとは
胸熱すぎる…ッッ!!!
※私は「板葺の色のまま説」を採っていますが、
「表面に錫が塗られて灰色だった説」を採る方は
脳内で着色していただいて…
古琉球の板葺き(杮葺)首里城については
推定復元図を描いており、
過去記事で詳しく述べていますので
良かったらご覧ください→★
そして、
おそらく、
これを逃すと、
この板葺首里城を生で見れることは
もう、一生ないと思います。
生で見られるのは瓦が葺かれる前の、
今の、この時だけ…ッッ!!
いつ瓦が葺かれ始めるかは分かりませんが、
6月中はおそらく大丈夫だと思います。
6月末の土日には完全に覆われている状態かな!?
でも作業の様子が見られる平日もおすすめ!
7/1からは首里城の駐車場料金(2時間利用の場合)が
2倍になるので(ぐはぁッ!)
6月中の見学をおすすめします!
+
ただ、公式からは今のこの進捗および杮葺についての発信が一切なく
見学デッキにも何も説明もないのが至極残念…。
(見に来るお客さんみんな、杮葺作業に興味津々だったのに…!)
これほど貴重なシーンはなく、
教育にも観光にも利用できるチャンスだというのに…!!!!
「見せる復興」で頑張っている首里城ですが
同時に「発信する復興」も頑張ってほしい…!!!!!
ライブカメラとまでは言いません、
定点写真でもいいから、
定期的に、せめて週に2回くらいは
「首里城復興なう」をSNSで発信してほしい
【追記】
6.23(日)の夕方に寄ってみたときの状態です。
木曜日夕方時点でここまで進んでいたので、
翌金曜日には完全に覆われるだろうと思って行ったのですが、
金曜日はここの作業はしなかったのか、
上部の量端を微妙に残したまま…の状態でした。