キラキラ琉球史☆ゆんたくマンガ、
SEASON1察度編はひとまず終わりとして、
SEASON2尚巴志・三山編に入ります。
まずはキャラクター紹介その1。
この3名からスタートです。
時代区分的にはこう。
尚巴志・三山編はあと3名のキャラがでてきますが
出番はもう少し後になりそうなので
キャラクター紹介その2は
間近になったらやろうと思います。
それでは、尚巴志・三山編も
よろしくお願いします♪
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前回に引き続き、
「羽衣伝説」をお送りました。
羽衣伝説は組踊『銘苅子』の題材にもなっています。
2コマ目の子守歌は、
実際に『銘苅子』で謡われているいるものを
ベースにしました。
実際の曲→(子持節)
キラキラ本では察度と泰期は
異母兄弟という設定にしています。
(本当は弟・泰期は進貢使としての
名目上のものだとは思っているのだけれど)
+
ところで、
琉球史を振り返ると
ちょいちょい「天女」の存在が散見されます。
そのことから、
天女の正体は王女、もしくは身分の高い女性なのではないか
という解釈もあります。
『琉球歴史夜話』源武雄著
『新琉球王統史2』与並岳生著 他
『琉球の伝説集』(石川文一著)では
神人という解釈をされています。
この本での羽衣伝説は少し小説仕立てになっていて
特に奥間大親の生々しい人間っぷりが描き出されていて、
なかなか…、なかなかです(笑)
察度の反抗期についてですが、
これ、ちゃんと正史に記述があるんです。
『中山世鑑』(諸見友重訳注)によると、
男の子(察度)はようやく成長したが、
畑仕事もせず朝な夕な魚釣りや猟に遊び惚けていた。
父(奥間大親)も腹を立て時々たしなめたが、
教えに従うことなもなく、
ただいたずらに方々を遊び歩く親不孝者であった
『中山世譜(蔡鐸本)』(原田禹雄訳注)では、
息子(察度)は大きくなっても農業に従事せず、
漁猟を好んで毎日あちこちで遊んで暮らし、
父の言うことなどきかなかった。
大親は、大層心配していた。
です。
『球陽』も『中山世譜』と同じ感じ。
察度、どんだけ😂
察度の人間臭さが表れていて
ワタシ的に外せない察度像です♡
※
なお、"煙草を吸ってる察度”は演出です(笑)
この時代にはまだ琉球に煙草はありません。
煙草は尚寧王(16世紀末ごろ)に
琉球に入ってきたといわれています。
尚寧が住んでいた浦添グスクからは
様々なキセルが出土しています。
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察度の弟として琉球の進貢志使となり
何度も明と琉球を行き来した察度。
同じく、華人の進貢サポーターとして
何度も明と琉球を行き来した亜蘭匏。
彼らが一緒に明に渡った記録は
1382年の1度だけ。
この年を境に泰期の名前が消えることから
引退したか、死亡したか、とも推測されています。
(代わって、その後は亜蘭匏の名前がずっと出てきます)
…が、本では私のミスにより
2人が何度も一緒に航海を共にした、
と書いてしまったので(orz)、
泰期は1382年以降も非公式人員として
その後も一緒に航海をした…
という
苦し紛れの裏設定マンガ、がこちら(^^;)
詳しくはこちらもどうぞ。
とりあえず、
心の内を表に出さない、読ませない、
パーフェクトマン・亜蘭匏の、
無様な姿(弱点)を描けて楽しかったです(笑)
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4コマ目、察度のつぶやき解説
<中山王印>
明の皇帝から贈られた[琉球国中山王之印]という印鑑。
北山王、南山王にも同様に贈られた。
<糞箱>
いわゆる「おまる」
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前回の続き。
サイボーグキャラいじり、ラストです。
(そしてありがちな夢オチ)
察度のツノヘアーについて。
琉球男性の髪型「カタカシラ」は
古琉球時代は耳の横にあった、
というのは、
もう大丈夫でしょうか?
(え!知らなかった!という人は、
例えばこちらやこちらをどうぞ)
その起源は舜天王にまでさかのぼる…
との伝承がありますが、
今回舜天は横にお い と い て、
別の伝説から。
むかしむかし、
この国(リュウキュウ)には鬼が住んでいて
二本のツノを付けていた。
ある日、他国の人が来て
そのツノを打ち落としたのだが、
末代までの印に、と
片方のツノは切らずに残しておいた。
鬼は後に人間になったのだが、
以前の姿を懐かしんで、
片方のツノをまねて髪を結うようになった…
『琉球神道記』
察度のカタカシラがツノ状なのは、
この伝説からの着想でした。
(本の中では1番古い時代の人物でもあったので)
ちなみに、
引用元の『琉球神道記』とは、
1603年~1606年まで琉球に滞在していた袋中上人が、
中世の神道(仏教)や琉球の宗教事についてまとめた書。
琉球開闢神話など、多数の神話、説話、
について記している。
薩摩侵攻前の古琉球時代の様子が垣間見える
貴重な一冊です。
+
ところで、このツノヘアー。
私、学生時代の髪が長かったころ、
よくやってました。
一つ結びおだんごだけど、
丸いおだんごではなく、
こういうツノっぽいおだんごにしてましたね。
ツノおだんご、ツノヘアーって、
今もファッションとしてもあるしね。
大きさとか数とかほぐしとか、
時代によってニュアンスは違うけど。
「朝貢貿易(ちょうこうぼうえき)」って
なぁ~に?
という人のために、
図解です。
朝貢は中国(明・清)の皇帝に貢物を持っていき
忠誠を誓うことですが、
中国(明・清)はもらった貢物の何倍もの返礼品をくれました。
また、当時海禁策(鎖国のようなもの)をとっていた明は
朝貢国としか貿易を許可しませんでした。
よって、朝貢することは
忠誠を誓う国にとっても
大きなメリットがあったのです。
琉球はそのシステムをおおいに「利用」して
大交易時代に突入していくわけです。
え!何倍もの返礼品を上げてたって、
じゃあ明には何のメリットあるの?
と思うでしょ?
明がとったのは、物質的な利益ではなく
いわば「メンツ」。
それに、実際に武力で周辺諸国を支配下に置くよりも
コストもリスクもかかりません。
朝貢というシステムで
国際安全保障体制を構築したことになります。
また、それができるだけの国力があった
というのもポイントです。
ふふふ、
マンガとは違ってまじめな解説(笑)
前回の続き。
「THE★SATTO Ⅱ」で触れた通り、
キラキラ察度はサイボーグキャラいじり。
もう少し続きます(笑)
さて、二コマ目の泰期の心の声
”いくら兄貴が常識に薄い人でも”
とは、
左手を切ってくっつけたこと、
もそうなのですが、
嫁もらいのエピソードや
黄金を知らなかったエピソードに
基づいています。
このマンガは、実は、むかーしにこのブログで描いたことのある漫画を
キラキラバージョンで描きなおしたもの。
1コマ目、
琉球史で存在が証明云々とあるのは
察度が同時代史料(『明実録』)に名前が出てくる最初の琉球人だから。
察度の前の王統、英祖王もだいぶ確実視されているようですが、
「記録」という意味では察度が初です。
2コマ目の
明人スタッフの琉球永住願いとは、
「久米三六姓」のこと。
久米村の始まりは、察度から、なんですね。
+
3コマ目の察度が建てた高い塔は、
「高よぞうり(高世層理(殿))」といい、
高さが数十メートルもあったといいます。
(『中山世鑑』)
現・首里城京の内から建物の礎石や瓦などが見つかっており、
「高よぞうり」の跡だとされています。
首里城は尚巴志が遷都して建てたというのが通説ですが、
それ以前から、察度がすでにこの土地を利用してた可能性もあります。
よって「首里城」の始まりがいつなのか、
「首里」に「城」を作ったのは察度なのか尚巴志なのか…。
どちらにせよ、
いわゆる「首里城」になる前から
この地は何かしらの立派な建物や拝所などがある
好エリアだった事が想像できます。
また、察度が高よぞうりでのたまったセリフ(3コマ目)は、
「球陽」を参考にしましたが(「予、此の楼に居る。誰か敢えて害を与へんや」)、
他の歴史書では
「常にこの楼上に居れば、毒蛇などおそれないものを(中山世鑑/諸見友重訳)」
「ここにいれば、ハブも咬みつけないだろう(中山世譜/原田兎雄訳)」
などとハブに言及していて、
球陽と微妙~にニュアンスが違うのが面白いですよね。
なお、このエピソードは察度晩年の頃のものですが、
キラキラ琉球史☆ゆんたくマンガでは
キラキラ超法規的措置として
本と変わらぬ姿でお送りしていますw
2018年11月に始めた
『琉球歴女の琉球戦国キャラクター図鑑』のスピンオフマンガ、
「キラキラ琉球史☆ゆんたくマンガ」シリーズ。
スタートした頃にブログでもちらっと触れていましたが(★ ★)
あれからツイッターで定期的に公開し、
2ターンが終わりました。
当初はブログでの公開は予定していなかったのですが、
最初の公開から1年以上経ち、
3ターン目に入ることから、
ブログでも1~2話遅れで公開していくことにしました。
ブログではマンガのネタに関連する史跡や伝承など、
「背景」も一緒に紹介したりしてきますよ。
ツイッターですでに見たよという方も、
初見という方も、
またどうぞお付き合いください♪
マンガは時代ごとに「SEASON」分けし、
SEASON1から順に公開していきます。
SEASON1は「察度」編。
登場人物は上の3人。
時代的にはこの位置です↓
(※SEASON5まで描く予定でしたが実際には4までになります)
本では、すましてポーズをとってたキャラたちですが、
マンガでは、感情や動きや会話や絡みがある事で
より「生きた人間」として
身近に感じてもらえるんじゃないかな?と思っています♪
時にはおふざけがすぎることもあるかもしれませんが、
ゆんたくマンガとしてお楽しみ下さいませ。