(2013.3.4の琉球新報)
先日、中城村内の小中学校で行われている郷土学習「ごさまる科」の
成果発表会があるとお声かけいただき、
急遽、見に行ってきました。
村内には3つの小学校と1つの中学校がありますが
今回は代表して、中城小学校の6年生。
各グループがそれぞれテーマを設けていて、
・沖縄の世界遺産について
・中城グスクについて
・護佐丸・阿麻和利の乱について
・琉球史について
・中城村 In The House(MC護佐丸)創作エイサー
でした。
(※コロナ対策のため短縮版)
エイサー以外の4グループは
パワーポイントのスライドにあわせて
発表するスタイルでしたが、
スライドに使われていたイラストの
7割くらいが私の絵だったのにはびっくりでした(^^;)
(ブログからの写真も1つ…)
そ~ね~、人物名で画像検索したら出るもんね~。
しかも12年前のものから数か月前のリテイク版琉球戦国列伝まで、
絵柄もバラバラ(^^;)
授業(発表)での活用ということで
著作権法第35条に当たるので利用は良いのですが、
(掲示物や配布物は、私のを参考にして子供が描いた絵になってました)
これらのイラストの作者が同じ人とか気づいてないんだろうなぁ…(笑)
(しかも本人会場にきてまーすとか)
でも数あるイラストの中から
私の絵を選んでくれたということなので
正直、嬉しいです(^^)
中城小の少年少女たち、ありがとー!
こんど学校に読んでくれたら、
「イラストから読む護佐丸の時代(仮)」って授業しに行くよ~!(笑)
中城のごさまる科については
始まるよ!という時からチェックしていて、
これまでも何度か触れているのですが、
中城の子どもたちの琉球史(護佐丸が生きた三山時代~護佐丸・阿麻和利の乱)や
グスクの知識には本当に驚かされます。
基礎知識は充分。
さすが、小学校「6年間を通して」「段階的に」
学んできているだけあるな、と思います。
おそらく、郷土教育の分野でいえば
「ごさまる科」は県内でもトップだと思います。
他市町村でも郷土学習はやっていると思いますが
あそらく単発なのがほとんどかと。
さて、そんな「ごさまる科」ですが、
課題がないわけではありません。
今回の発表(エイサー以外の4つ)を見て共通して感じたのは
「調べ学習」の「中身」に
先生からの働きかけ(「問いかけ」)があまり感じられなかったこと。
もちろん、スライド作成や発表用の作文や
掲示物やまとめ方については指導はあったでしょう。
そこじゃなくて、1番重要な「中身」の話。
つまり、子供たちが本やネットで調べたものを
そのまま持ってきただけ、
という感じは否めませんでした。
(実際「調べ学習」のほとんどは、そうなりがちなのですが)
調べたことを「もとにして」、
そこから一歩進めた子どもたちの思考や深まりは、
はたしてあったのかどうか。
その思考を促す教師の働きかけは。
例えば、
護佐丸・阿麻和利の乱について
尚泰久の陰謀(※諸説あり)というのを紹介してたけど
じゃあ、他にはどんな説があるの?
そこから見えてくるものは?
あなたはどう思う?
とか、
三山統一の過程についてだったら、
あなたが尚巴志ならどの順に攻める?
尚巴志はなんでこの順で討伐したんだろうね?
とか
なんで阿麻和利は評価が二分していて、
護佐丸は二分していないんだろう?
とか。
色々できる。
正しい答えが見つけ出せなくてもいい。
自分なりに考え、それをさらに調べ、考えを深め、
そうして導き出した内容を「学習成果」にしてほしかった。
確かに難しいことだけど、
基礎知識が十分にある中城村の6年生なら
もうこの段階に行けると思う。
しかし、こういうのは
先生の方に子供たちを上回る琉球史の知識が必要。
わかる。
先生たち、大変だよね。
だって、他の市町村から転勤してきた先生は
たぶん、子どもたちよりも分からないはずだもの。
教育現場は多忙だし、余裕ないし、
なんとか目に見えるものに
まとめさせるのだけで精いっぱいだよね。
だから、ね。
郷土教育コーディネーター(授業のできる外部講師)、
設置しましょうよ。
「ごさまる科」を見ていると
「知識」として「教えられる範囲」は4年生くらいまでで
だいたい終えている感じがする。
だから、
5・6年生は知識をベースにした「発展的アプローチ」が必要だけど
前述したようにそこへの働きかけは、
現状、現場の先生ではなかなか厳しい。
(実際、中学校では既に形骸化しているとの話)
学芸員さんなどを講師に招いてはいるかもしれないけど、
単発ではなく、継続的なサポートが必要だと思う。
(せめて授業計画の8割は)
学芸員さんが、そんなに時間とれないでしょ?
だから、ね。
郷土教育コーディネーター(授業のできる外部講師)、
設置しましょうよ。
って10年くらい前から機会あるごとに
つぶやき続けています。