阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

バングラデシュ報告(3)

2009年12月30日 00時23分15秒 | 政治
3.土地問題の解決

 私が強く感じたこと、それは、土地問題=人権問題で、この解決が最優先課題であることです。まずは土地の保有権について綿密で公平な調査を行うことでしょう。その上で、土地の権利について、できる限り公平な裁定と、土地の権利を放棄せざるを得なかった方々への補償が行われなくてはなりません。一方、土地は増えませんから、増え続ける人口を支えるには土地の価値を最大化しなければなりません。可能性のひとつは、チッタゴン丘陵の自然や文化を活かした持続可能な観光開発、そして地域の特性を活かしたスパイスやハーブの生育など付加価値の高い農業を生み出し、農業周辺に第二次産業、第三次産業の雇用を作ることでしょう。観光開発は、平和を創造し、文化や環境を守る一員としての参加者に積極的な役割を求めるのです。

 「かつては紛争があったけれど、今は、異なる民族がお互いの違いを認め、尊重し合って生きる地域」そんな地域の和平プロセスを支えることをテーマにした観光。紛争の歴史さえも観光資源するような逆転の発想があってもいいと思います。

 また、バングラデシュは勤勉な国民性と人件費の安さもあり、今、ユニクロをはじめとする日本の縫製工場などの進出ラッシュを迎えています。この地域が平和になれば、とりわけ勤勉な労働力として、先住民族が生きる可能性も広がるはずです。外務委員会の質疑、、国会を含む場での報告会の実施、そして、できれば他の議員を伴って署名を持っての再訪など、これからも和平プロセスの後押しを続けます。

 写真:カグラチャリ県の村で、先住民族とベンガル人入植者の両方に話を聞いています。


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バングラデシュ報告(2)

2009年12月30日 00時22分55秒 | 政治
2.政治家としてできることは?

 アワミ連盟は2008年の総選挙で圧勝し、政権交代を実現しました。1997年に締結された和平協定の実施をマニフェストで約束し、軍の撤退などを開始しましたが、和平プロセスは停滞しています。ジュマ・ネットは、世界各国のNGOと連携して和平協定の実施を求める署名を集めているのですが、佐藤さんたちは、それらの署名をバングラデシュのクシナ首相に手渡しする役を私に依頼してくれました。政治家としての役割を担うありがたい申し出だと思いましたが、現地を見ずして現地の和平協定推進を要望することなどできません。この時期は、海外に行くこの冬唯一のチャンス。17日から22日まで、急きょ現地に行き、できる限り多くの人々と対話することにしました。

最初はジュマ・ネットとともに活動する現地コーディネーターとふたりで行く計画を立てていましたが、現地の日本大使館が要人とのアポイントなどを担当してくださることになり、また、現地で活動するUNDP(国連開発計画)が、車両や通訳を提供してくれました。国会議員の視察とのことで、警察官車両のエスコートが着きましたが、私たちの活動に制約を与えるものではありませんでした。

 私の要望で、朝から晩までスケジュールをビッシリ埋めてもらいできる限り異なる立場の人と対話する機会を作ってもらいました。地域の様々なプロジェクトの担当者やカグラチャリ、ランガマティ、バンドルバンの3つの県知事、マルマ族、チャクマ族の二人の王様、また、チッタゴン丘陵省担当大臣に会うことができました。(ノーベル平和賞受賞者である経済学者、ムハマド・ユヌス教授にも会うことができました)さらに、多くの村々で、抑圧される側の多くの先住民族の方々、また、安住できる地を求めて入植した同じように貧しいベンガル人の方々からも話を聞くことができました。

 日本から初めて来た国会議員であること、そして、私自身がカンボジアやモザンビークで、先住民族の村に住んだ経験があることもあり、各地での対話ではとても話が弾みました。純朴でホスピタリティーにあふれた住民からは、あらゆる場所で花束や踊りなどで大変な歓迎を受けました。

 写真:花束で迎えてくれた子供たちと


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