博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『少年楊家将』その1

2006年11月26日 | 中国古典小説ドラマ
『少年楊家将』DVD版第1~7話まで見ました。

以前『封神榜』とこの作品のどちらを購入しようか迷っているという旨の文章を書きましたが、「いちいちこんなのを買ってるから金が貯まらんのだ!」と心の中で自分を罵りながら、こちらも買ってしまいました(^^;)

この作品は『楊家将』の前半部、楊家が宋に仕え始めた頃から初代の楊業が戦場で自尽するまでを描いた作品で、楊業の子のうち楊四郎・五郎・六郎・七郎が主役ということになっているようです。ただし四郎は物語の序盤では家族と生き別れになっているという設定になっています。楊大郎・二郎・三郎も登場しますが、朴訥な五郎、発明が得意な六郎、やんちゃな七郎と弟たちが個性豊かなのに対して、こちらは没個性的で誰が大郎で誰が三郎なのやら見分けがつきません。 

で、物語は楊家軍が雁門関で遼軍と対峙し、楊五郎が一騎打ちで遼軍の大将・耶律斜を打ち破ったところから始まります。敗軍の将となった耶律斜はこの雪辱を果たすことを決意し、宋に潜入して楊家軍、ひいては宋軍の力を弱めるための工作に従事することになります。

彼はまず手始めに楊業の末娘・楊八妹を誘拐し、散々楊家の面々を翻弄します。しかし彼の真の狙いは楊家軍の目を楊八妹の捜索に惹き付けておいて、その隙に警護の手薄となった太宗を暗殺することにありました。耶律斜は皇室の太廟に侵入して祭天の儀式を行っている太宗を襲撃しますが、事前に陰謀を察知していた楊業によって阻まれ、また楊八妹も母の佘賽花や兄に助け出されます。この件がきっかけで六郎は宋に禅譲した後周の皇女・柴郡主と、五郎は鍛冶屋の女将の関紅と親しくなります。しかし耶律斜は追っ手を逃れ、関紅の弟を人質にとって彼女の家に勝手に居候を決め込み、彼女を困惑させます。

その後、太宗は朔州への出兵を決意し、御前試合で楊大郎・二郎を打ち破った潘豹を総大将、その父親で丞相の潘仁美を監軍とします。(この潘家が楊家のライバルとなります。)また楊業は潘豹の補佐と宋軍の新兵器の開発を命じられます。楊七郎はドラ息子の潘豹が兄を打ち破ったのを不審に思い、彼を尾行するうちに彼が酔紅楼という遊郭の常連で、そこで身体が頑強になる薬をドーピングしていたことを突き止めます。また七郎は酔紅楼で働く小琳と親しくなりますが、実は酔紅楼は耶律斜が経営する遊郭で、そこで働く女性も全員が遼人で、しかもそれぞれ武芸を身に付けています。楊七郎は小琳に催眠術をかけられ、遼軍に加担して父が開発した新兵器を強奪してしまい……

同じ古典の同じ部分を題材にしていながら北方謙三の小説とまるで雰囲気が違っていることに驚きです(^^;) また一家の末娘の楊八妹は子役が演じていますが、実におしゃまでかわいいです。小憎たらしいだけだった『神雕侠侶』の少年楊過とは段違いです。やっぱり子役はかわいげがあってナンボぼだと思った次第……
コメント (2)
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