博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

中国基本古籍庫

2007年03月17日 | 学術
昨日は関西大学のCSAC(アジア文化交流研究センター)で開催された阪神中哲談話会に行ってました。関大院生による研究発表と、CSACで導入されている『中国基本古籍庫』のセミナーの二本立てです。

『中国基本古籍庫』とは大陸で開発された世界最大の漢籍データベースで、経書・史書に加えて戯曲・小説などのデータも充実しており、またテキストデータとともに1つあるいは2つの版本画像を参照できるのが特色であります。セミナーは東方教主こと二階堂善弘氏による解説のあと、各自自由にデータベースを使ってみるという流れでした。

以下、このデータベースについての解説の覚え書きです。

○このデータベースはスタンドアローン版の導入費が約1000万円、ネットワーク版が1500万円と非常に高価で、日本では早稲田と関大にしか導入されていないが、韓国では10箇所ほど導入している大学がある。こんな価格になったのは、各地の図書館などから画像データ用の版本を借り出したり複製したりするのに相当の費用がかかったためである。

○『道蔵』・地方志などのデータはデータベースとは別に購入する必要がある。

○実は版本画像とテキストデータが一致しない例がある。例えば、唐の建国の功臣である徐世勣(李勣)の字は本来は懋功であるが、小説などでは徐茂功・徐茂公と表記されることが一般的である。ところがテキストデータでは「徐懋功」と勝手に修正されてしまっており、版本画像の表記と食い違いが生じてしまっている。

○一応書籍ごとに成立年代が設定されており、年代別の検索もできるが、その年代の設定がかなりアバウト。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする