博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『包青天之一 紅花記』

2007年03月18日 | 中国古典小説ドラマ
『包青天之一 紅花記』(全4話)

このエピソードは京文影視版DVD第二輯収録『鍘美案』の後の話となります。このDVDシリーズは話のつながりとかそういうことにあんまり気を遣っていないようです……

仁宗の妹は包拯によって夫の陳世美を処刑された後、彼との間にできた赤ん坊とともに寂しい生活を送っていた。彼女お付きの宦官である劉朋は密かに包拯を陥れ、公主のために仇を討とうと企む。その頃、開封府では兇賊が夜な夜な高官を殺害するという事件が相次いでいた。この賊は殺害現場に必ず赤い花を残していくので、「紅花殺手」と呼ばれていた。展昭はこの紅花殺手の捜索に当たっていたが、ある日偶然に月娘とそっくりの妓女・白如夢と出会う。月娘というのも以前のエピソードに登場したキャラクターのようで、展昭と恋仲になって結婚まで誓いますが、惜しくも病死してしまったようです。展昭は彼女に惹かれて彼女の勤める惜春院という妓館に通うようになりますが、これこそが劉朋の仕掛けた罠でありました。

というのも、この惜春院の女将である古長玉は劉朋の配下で、如夢も彼らの命によってわざと展昭の気を引いたのです。問題の紅花殺手も実は彼らの配下です。展昭は惜春院で如夢と食事をしている時に酒に眠り薬を入れられて人事不省となり、目覚めた時には妓女の小紅を殺害したことにされてしまい、おまけに彼が眠りこけていた卓上に紅花が置かれていたことから、彼こそが紅花殺手であるという疑いまでかけられてしまいます。

古長玉は展昭を殺人犯として包拯に訴え出ます。ここで包拯が訴え通り展昭を処刑してしまえば自らの片腕を失うことになり、かといって包拯が展昭に情状酌量すれば、包拯が身びいきして公正な判決を下さなかったとして、古長玉が仁宗や公主に直訴するという算段になっています。果たして包拯たちは展昭の無実を証明し、劉朋らの陰謀を打ち破ることができるのでしょうか……

このエピソードでは悪役の古長玉が口八丁手八丁で周囲を振り回します。裁判の場でも自分に有利になるようあることないこと証言しまくり、包拯が黙るよう叱責しても臆せずに喋り続ける始末(^^;) このエピソードだけで退場してしまうのは惜しいキャラですね。もっとも、別の話でも似たようなキャラが登場したりするのかもしれませんが……

物語後半では自らの潔白を証明するために再び捜査に出た展昭が行方不明となり、包拯の依頼により白玉堂が彼の捜索に赴くことになりますが、こいつがまた大して役に立ちません(^^;) この白玉堂の出番も含めて見所が多いエピソードですね。
コメント (2)
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