内田隆三『ベースボールの夢』(岩波新書、2007年8月)
アメリカではかつて、ベースボールを考案したのは南北戦争で活躍したアブナー・ダブルデー将軍で、彼がまだ若かった1839年にニューヨーク州クーパーズタウンで初めてベースボールをプレーしたとされてきた。しかし実際はベースボールはイギリス起源であると考えられ、おそらくはイギリス製の子供向けにボールゲームを紹介した絵本を通じてアメリカでも遊ばれるようになり、ルールの改良・統合が勧められ、現在のベースボールが成立していった。
またベースボールが田園的でのんびりしたスポーツであるのというのも幻想で、実際は都会的で、(クリケットなど類似のボールゲームと比較すると)スピーディーなスポーツである。
このように本書ではベースボールにまつわる神話を否定していったうえで、その神話に託された19世紀後半から20世紀初め頃までのアメリカ白人の夢と、当時の社会的背景を読み解いていきます。
本書で扱っているのはベーブ・ルースが登場する頃までのアメリカのベースボールだけですが、日本で野球に託された夢の形はそれとはまた違っているんだろうなと感じました。むしろ日本人独自の夢を託せてきたからこそ、野球が日本に根付いたと言うべきでしょうか。著者には是非とも本書の日本編を書いてほしいところです。
アメリカではかつて、ベースボールを考案したのは南北戦争で活躍したアブナー・ダブルデー将軍で、彼がまだ若かった1839年にニューヨーク州クーパーズタウンで初めてベースボールをプレーしたとされてきた。しかし実際はベースボールはイギリス起源であると考えられ、おそらくはイギリス製の子供向けにボールゲームを紹介した絵本を通じてアメリカでも遊ばれるようになり、ルールの改良・統合が勧められ、現在のベースボールが成立していった。
またベースボールが田園的でのんびりしたスポーツであるのというのも幻想で、実際は都会的で、(クリケットなど類似のボールゲームと比較すると)スピーディーなスポーツである。
このように本書ではベースボールにまつわる神話を否定していったうえで、その神話に託された19世紀後半から20世紀初め頃までのアメリカ白人の夢と、当時の社会的背景を読み解いていきます。
本書で扱っているのはベーブ・ルースが登場する頃までのアメリカのベースボールだけですが、日本で野球に託された夢の形はそれとはまた違っているんだろうなと感じました。むしろ日本人独自の夢を託せてきたからこそ、野球が日本に根付いたと言うべきでしょうか。著者には是非とも本書の日本編を書いてほしいところです。