第15章 六郎破遼(前編)
この日、真宗は文武の大臣を引き連れて魏州の銅台まで物見遊山にやって来たところ、はからずも蕭太后の詭計にかかってしまいました。蕭太后は蕭天左と土金秀を派遣し、魏州城を水も漏らさぬほど厳重に包囲させます。
真宗は大変に驚き、慌てて八賢王にどうしたら良いのか尋ねました。八賢王は機が熟したと見て、真宗が六郎を許して無罪にしてやれば、六郎が救援に駆けつけるかもしれないとほのめかします。真宗はその意を悟り、大将の王全節に命令書を持たせ、魏州城の包囲を突破して汝州に行くよう命じました。王全節は命令書を持って汝州に赴きましたが、六郎を見つけることができず、今度は天波府に赴きましたが、何の手がかりも得られません。王全節はどうしようもなく銅台へと引き返します。八賢王はその様子を見て、自ら伴を引き連れて包囲網を突破し、天波府に赴いて六郎を訪ねることにしました。
佘太君は八賢王が自らやって来たのを見て、六郎を地下の穴蔵から出て来させました。八賢王は言葉巧みに説得し、六郎は遂に銅台に救援に赴くことを承諾したのでした。そこで二人は別行動をとることにし、八賢王は朝廷に戻って辺境の軍隊を徴集し、六郎は孟良や焦賛らの部将を招集します。
この日、六郎は州にやって来てあちこちで焦賛の消息を尋ねて回ります。そこへ突然僧侶たちが何やら話をしながら通りかかるのが目に入りました。六郎はそこで進み出て尋ねてみますと、僧侶たちが言いますには、「この州の泗川堂という所に一人の男が現れまして、出家人と見ると難癖をつけ、僧侶や道士を捕まえてはその人の主人のために経を読ませるのです。」
六郎はその男というのが焦賛であるに違いないと見当を付け、僧侶たちとともに泗川堂までやって来ました。六郎が中に入って見てみると、果たして焦賛が香が焚かれた祭壇の上で寝転んでいるのが見えました。六郎が体を揺さぶり、焦賛がカッと目を見開くと、六郎が目の前にいますので、驚きかつ喜んで言いました。「将軍はてっきり朝廷に処刑されたものと思っていましたのに、今日こうしてまたお会いすることができるとは、本当に嬉しくて涙が出そうです!」
この日、真宗は文武の大臣を引き連れて魏州の銅台まで物見遊山にやって来たところ、はからずも蕭太后の詭計にかかってしまいました。蕭太后は蕭天左と土金秀を派遣し、魏州城を水も漏らさぬほど厳重に包囲させます。
真宗は大変に驚き、慌てて八賢王にどうしたら良いのか尋ねました。八賢王は機が熟したと見て、真宗が六郎を許して無罪にしてやれば、六郎が救援に駆けつけるかもしれないとほのめかします。真宗はその意を悟り、大将の王全節に命令書を持たせ、魏州城の包囲を突破して汝州に行くよう命じました。王全節は命令書を持って汝州に赴きましたが、六郎を見つけることができず、今度は天波府に赴きましたが、何の手がかりも得られません。王全節はどうしようもなく銅台へと引き返します。八賢王はその様子を見て、自ら伴を引き連れて包囲網を突破し、天波府に赴いて六郎を訪ねることにしました。
佘太君は八賢王が自らやって来たのを見て、六郎を地下の穴蔵から出て来させました。八賢王は言葉巧みに説得し、六郎は遂に銅台に救援に赴くことを承諾したのでした。そこで二人は別行動をとることにし、八賢王は朝廷に戻って辺境の軍隊を徴集し、六郎は孟良や焦賛らの部将を招集します。
この日、六郎は州にやって来てあちこちで焦賛の消息を尋ねて回ります。そこへ突然僧侶たちが何やら話をしながら通りかかるのが目に入りました。六郎はそこで進み出て尋ねてみますと、僧侶たちが言いますには、「この州の泗川堂という所に一人の男が現れまして、出家人と見ると難癖をつけ、僧侶や道士を捕まえてはその人の主人のために経を読ませるのです。」
六郎はその男というのが焦賛であるに違いないと見当を付け、僧侶たちとともに泗川堂までやって来ました。六郎が中に入って見てみると、果たして焦賛が香が焚かれた祭壇の上で寝転んでいるのが見えました。六郎が体を揺さぶり、焦賛がカッと目を見開くと、六郎が目の前にいますので、驚きかつ喜んで言いました。「将軍はてっきり朝廷に処刑されたものと思っていましたのに、今日こうしてまたお会いすることができるとは、本当に嬉しくて涙が出そうです!」