(前回:
その3)
『大清風雲』第31~40集まで鑑賞。
ドルゴンと大玉児は范浩正を処刑するか助命するかで揉めるが、二人でともに身柄を拘束された陳県県令の胡光と阿里達を訊問した結果、范浩正を助命することで合意。議政大臣による議政会でこのことを議題に揚げるが、ドドは范浩正の助命に強行に反対したばかりか、執拗に助命をはかる大玉児が范浩正と不倫関係にあるのではないかと彼女をなじる。大玉児はドドの侮辱に腹を据えかね、心中ドドへの殺意を抱くのであった。結局范浩正は処刑を免れたものの、朝廷での官職は剥奪され、家族を連れて故郷に戻ることになる。
そしてまた時は流れ、順治十年(1653年)となった。福臨は16歳の青年に成長したが、「皇父摂政王」の称号を得たドルゴンは未だ乾清宮で政権を担っております。ちなみに史実ではドルゴンは1650年に死去しておりますが、中国の歴史物では話の展開の都合上登場人物の死期を伸ばすというのはよくあることなので、気にしないことにします。
そんなある日、かつてドルゴンの暗殺をはかった碩果が刑期を終えて北京に戻ってきた。福臨は早速彼を宮中禁衛統領に任命し、幼馴染みの英格爾とともに側近とする。また帰郷していた范浩正も都に呼び戻し、ドルゴンらから彼を南方四省総督に任命する了解を取り付ける。これに味をしめた福臨は、今度は諸臣の協力を得てドルゴンから政権を奪い、親政を開始しようとします。重臣の鄭親王ジルガラン、ソニン、オーバイ、范浩正らに相談を持ちかけますが、皆が皆「その心意気は良いのですが、皇太后には相談なされましたか?」といちいち子供扱いされるのが面白くない福臨は敢えて大玉児には内緒にして事を起こすことに。
福臨は朝政の場で陳名夏という人物にドルゴンが乾清宮から退去し、皇帝に政権を返還するよう求める上奏を行わせ、これに激怒したドルゴンは議事の場から退出してしまいます。ドルゴンの側近の何洛会はこの時ドルゴンをかばうあまり、福臨に対する暴言を吐いてしまい、捕縛されたうえに福臨から死刑を宣告されてしまう。
後で何洛会が捕らえられたことを知ったドルゴンは、福臨と一戦を交えることも辞さずという態度を取り、一触即発の危機に陥ります。
ここでようやく范浩正から事の次第を知られた大玉児は両者の間に立って事態の収拾に乗り出します。ドルゴンが何洛会が釈放されれば政権を福臨に返し、また自分が管轄していた両黄旗を返還してもよいという申し出に感動した大玉児は、彼との再婚を実現させることでこれに応えようとします。しかし福臨はドルゴンが母と再婚するのは皇帝としての恥辱と猛反発。これを見かねた大玉児の侍女・蘇蘭は、福臨にドルゴンと大玉児はホンタイジとの結婚以前に既に恋仲であったこと、また本来ヌルハチの後を継ぐのはドルゴンのはずであったことなどをとくとくと言い聞かせます。事実を知り、衝撃を隠せない福臨。母の再婚に対して態度を軟化させた福臨は、まず手始めに何洛会を釈放します。
しかし大玉児に反発するドドはこれが面白くありません。兄のアジゲとともに密かに福臨の暗殺計画を練り、無理矢理にでもドルゴンを即位させようとします。そして順治帝が側近達と猟場で狩猟を楽しんでいる時に、ドドとアジゲは自ら手勢を率いて福臨の一党を襲撃します。福臨側の手勢の多くが倒れ、また碩果もドドの攻撃から福臨を守って戦死し、後一歩まで追い詰めますが、ここでオーバイが福臨の救援に駆けつけ、暗殺は失敗に終わります。
ドドとアジゲはドルゴンが両黄旗の閲兵に赴いていた永平鎮に逃げ込みます。ドルゴンは彼らが謀反をおこしたことに激怒しますが、同母の兄弟を見捨てることはできず、朝廷側と一戦交えることを決意します。命からがら帰還した福臨もドルゴンの一党との決戦を決意。そんな中、大玉児は朝廷の危機を回避するため、ドルゴンに密使を派遣しますが……