第15章 六郎破遼(後編)
次の日、二人は三関に赴いて部将を招集し、魏州に救援に駆けつけました。二人は黄河の渡し口でまた楊継宗という好漢を帰順させました。楊継宗は以前から楊六郎の名声を慕っていたので、部下を引き連れて楊六郎に着いて行きたいと願い出ます。六郎はまた一人良将を得て大変に喜びました。三人は連れ立って太行山へ岳勝と孟良を訪ねに行きました。岳勝と孟良の二人は六郎が生きていたのを見て、驚きかつ喜びました。六郎は皆と挨拶を交わすのもそこそこに、銅台で包囲されている皇帝を救い出すことを告げねばなりませんでした。
岳勝はこれを聞くと、大変不満そうに罵ります。「あの暗君め、物の役に立つなら万々歳だが、役に立たないならいっそ殺してしまった方がいい。天の神のご加護があって、将軍を我らのもとに帰されたというのに、更に救援に赴けとは。我らが都に進撃してご自分が皇帝になられた方がよろしいのでは。我ら兄弟が君臣となったら、どんなに愉快でしょうか。」
皆が話せば話すほど、言うことが過激になっていきます。六郎は怒って一喝しました。「バカなことを言うな!ものの数ヵ月会わないうちに、どうして心が変わってしまったのだ?我らは忠義を尽くして国家に報い、百世まで名声を残そうというのに、どうして一時の快楽を貪り、万世に悪名を留めるようなことを言うのか?」皆は六郎がこのように言うのを聞き、二度と口を挟もうとはせず、救援に行くことに同意したのでした。
それから六郎は兵馬を整えて八賢王と合流し、十二万の大軍を率いて勢いよく魏州へと進撃します。六郎と八賢王は相談のうえ、岳勝を先鋒に任じ、まず敵兵の鋭気を挫かせることにしました。それから孟良と焦賛を左右両翼に分けて敵陣に攻め入らせます。六郎は陳林と柴幹を率いて遊撃隊となりました。
次の日、岳勝がまず兵馬を率いて魏州城下に進撃します。遼将の蕭天佐と耶律慶は馬に乗って出陣し、耶律慶が叫びました。「宋の皇帝の死期はそう遠くはないぞ、お前達はわざわざ殉葬されに来たのか?」岳勝は返事をせず、刀を振るって耶律慶に斬りかかります。二人が激戦になっている間に、孟良と焦賛が左右両翼から攻め込んで来て、ひとしきり遼軍を滅多打ちにして潰滅させました。
六郎がこの時にまた兵を率いて突撃してきます。混戦の中、蕭天佐は楊継宗に矢を射られて落馬しましたが、土金秀が間一髪で助けに入ったお陰で命拾いをしました。耶律慶はこの情景を見て、馬首を巡らせて逃げ出します。岳勝がどうしてそれを見逃しましょうか、追撃して耶律慶を一刀両断に斬り捨ててしまいました。蕭天佐と土金秀は大勢が既に決したのを目の当たりにし、敗残兵と敗将を取りまとめて、夜を徹して幽州へと逃げ戻ります。
楊六郎が城に入って真宗に謁見すると、真宗は誠意を込めて言いました。「そなたは今日朕を救うという功績を建てた。朕はこれからは決してそなたをないがしろにはしまいぞ。」そして彼を加増して三関都巡節度使にしたのでした。六郎は皆に別れを告げ、大軍を率いてまた佳山寨に戻って行きました。
次の日、二人は三関に赴いて部将を招集し、魏州に救援に駆けつけました。二人は黄河の渡し口でまた楊継宗という好漢を帰順させました。楊継宗は以前から楊六郎の名声を慕っていたので、部下を引き連れて楊六郎に着いて行きたいと願い出ます。六郎はまた一人良将を得て大変に喜びました。三人は連れ立って太行山へ岳勝と孟良を訪ねに行きました。岳勝と孟良の二人は六郎が生きていたのを見て、驚きかつ喜びました。六郎は皆と挨拶を交わすのもそこそこに、銅台で包囲されている皇帝を救い出すことを告げねばなりませんでした。
岳勝はこれを聞くと、大変不満そうに罵ります。「あの暗君め、物の役に立つなら万々歳だが、役に立たないならいっそ殺してしまった方がいい。天の神のご加護があって、将軍を我らのもとに帰されたというのに、更に救援に赴けとは。我らが都に進撃してご自分が皇帝になられた方がよろしいのでは。我ら兄弟が君臣となったら、どんなに愉快でしょうか。」
皆が話せば話すほど、言うことが過激になっていきます。六郎は怒って一喝しました。「バカなことを言うな!ものの数ヵ月会わないうちに、どうして心が変わってしまったのだ?我らは忠義を尽くして国家に報い、百世まで名声を残そうというのに、どうして一時の快楽を貪り、万世に悪名を留めるようなことを言うのか?」皆は六郎がこのように言うのを聞き、二度と口を挟もうとはせず、救援に行くことに同意したのでした。
それから六郎は兵馬を整えて八賢王と合流し、十二万の大軍を率いて勢いよく魏州へと進撃します。六郎と八賢王は相談のうえ、岳勝を先鋒に任じ、まず敵兵の鋭気を挫かせることにしました。それから孟良と焦賛を左右両翼に分けて敵陣に攻め入らせます。六郎は陳林と柴幹を率いて遊撃隊となりました。
次の日、岳勝がまず兵馬を率いて魏州城下に進撃します。遼将の蕭天佐と耶律慶は馬に乗って出陣し、耶律慶が叫びました。「宋の皇帝の死期はそう遠くはないぞ、お前達はわざわざ殉葬されに来たのか?」岳勝は返事をせず、刀を振るって耶律慶に斬りかかります。二人が激戦になっている間に、孟良と焦賛が左右両翼から攻め込んで来て、ひとしきり遼軍を滅多打ちにして潰滅させました。
六郎がこの時にまた兵を率いて突撃してきます。混戦の中、蕭天佐は楊継宗に矢を射られて落馬しましたが、土金秀が間一髪で助けに入ったお陰で命拾いをしました。耶律慶はこの情景を見て、馬首を巡らせて逃げ出します。岳勝がどうしてそれを見逃しましょうか、追撃して耶律慶を一刀両断に斬り捨ててしまいました。蕭天佐と土金秀は大勢が既に決したのを目の当たりにし、敗残兵と敗将を取りまとめて、夜を徹して幽州へと逃げ戻ります。
楊六郎が城に入って真宗に謁見すると、真宗は誠意を込めて言いました。「そなたは今日朕を救うという功績を建てた。朕はこれからは決してそなたをないがしろにはしまいぞ。」そして彼を加増して三関都巡節度使にしたのでした。六郎は皆に別れを告げ、大軍を率いてまた佳山寨に戻って行きました。