なんだか情けなくなってくるね。
「『全面撤退』を社長自らが言ってきたがそんなことは許されない。首相自らが現場の吉田所長に連絡を入れ指示を直接出した・・・」
「『全面撤退』とは言っていない。原発と関わりのない社員だけを撤退させる予定だった。東電幹部を飛び越し、直接吉田所長に指示を出したので混乱が生じてしまった・・・」
前者が官邸側、後者が東電側のおおまかな言い分。
大筋を見通すと官邸側の言い分の方がすっきりするような気がするが
どっちが正しいか、間違ってるかなんて詮索してもしょうがない。
もう『言った、言わない』の世界になっちゃってるからね。
まあ、これは芥川龍之介の小説「藪の中」と同じだわな。
結局当事者は客観的な判断なんてできないんだよ。
どうしても主観的な判断になってしまい、そのエゴにより状況の読み取りが偏ってしまう。
トップがどうして現場に立たずに後方から前線へ指示を出すのかっていうと
常に冷静で客観的な判断が求められてるから。
今回、官邸や東電幹部がなんでこんなに当事者のようなパニックを起こしたかっていうと
この非常時に官邸へ正しい情報がほとんど入ってこなかったからなんだよね。
次から次へと信頼できる情報が上がってくれば、また違った展開になったと思うよ。
今現在活発に行われてる「原発再稼動問題」も、
ここら辺がクリアにならないと
いくら「原発安全宣言」を出しても同じことが起きると思うんだけど、
この「情報の上がるシステム」を見直したっていう話はトンと聞かない。
いくら事故を未然に防ごうとがんばっても起きるときは起きるもんだよ。
高い代償だったけど今回の事故はそれを教えてくれたと思う。
それが「想定外」であろうとなかろうとね。
その事故が起きたときどう対処するか・・・。
ここが大事なところで、一番見直さなくちゃいけないんじゃないかと思うんだけどね。
それなのに議題に上るのは「新しい安全基準」のことばっかり。
まあ、たしかに大事なんだろうけど
結局、その『想定外』のことが起きりゃ同じじゃん?
「情報の流れ」を見直すことのほうがよっぽど大事だと思うけど
そのへんどうなのよ?偉そうなことばっかり言う橋下市長さん!