福島第一原発事故を検証する委員会は
国会が設置した「国会事故調査委員会」、民間人による「福島原発事故独立検証委員会」、もうひとつは東電による「福島原発事故調査委員会」と三つあるらしい。
それぞれどういう役割分担なのかは知らないが
今朝の朝日新聞の一面に「国会事故調査委員会」(黒川清委員長)が発表した内容が載ってた。
そのポイントは以下の通りらしい。
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・東電が「全面撤退」を検討した形跡は見受けられないので、菅総理が東電の全面撤退を阻止したとは認められない。
・「退避」した場合の残留させる10人という数字は、吉田所長(当時の福島第一原発所長)が漠然と思い浮かべた数字で東電本店の決定ではない。
・政府は初動で情報伝達や避難指示が遅れ、頻繁に発電所への介入を繰り返し現場を混乱させた。
・東電本店も官邸の干渉を調整せず、官邸からの指示伝達のみにとどまっていた。
・混乱を防ぐという名目で責任回避に主眼がおかれ、住民の健康と安全確保の視点が欠けていた。
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ひどいよね、結論のつけ方が。
事故に対し何もしようとしなかった連中は、そりゃ何もしないわけだから悪いこともしないだろうさ。
でも、良いこともしないよね、そういう連中は。
そういう連中こそ自分の責任問題に発展しないようにすることだけには腐心するからね。
「国会事故調」は『原発事故のことは東電に任せておけばよかったんであって官邸は何もしないのが正解だった』って言いたいのかな?
でも、そうだったら多分東電は「全面撤退」したと思うよ。だって10人で何ができるっていうのさ。
でも、そのことを突かれたら「これは東電の正式決定ではない」とかなんとか・・・。
だいたい、「退避」という言葉を使ったのは「全面撤退じゃないから」だなんてねえ・・・。(苦笑)
なんでいちいちそんな緊急事態のときに辞書を調べなくちゃいけないの?
その言葉を聞いた方が全員「全面撤退」と受け取ったんだからそう受け取るような言い回しする方がどうかしてる気がするけどね。
べつにボクはその当時の官邸の肩をもつわけじゃないよ。
でも、コレまで公開したやり取りを見てると、
ほとんどの人がその当時の自分の行動や判断の理由について
「〇〇さんがこう言ったから・・・」とかいう小学生みたいな『逃げの言い訳』を繰り返しているのに対し、
菅さんと枝野さんの答弁には一切そういう言葉がでてこなかった。
ココが大事なんだよね。
その当時の限られた情報の中でも、その時々の『ベストの判断』を下そうという姿勢が見て取れる。
その判断が結果的に良かったのか悪かったのかは別次元の問題なんだ。
以下は僭越ながらボクの見立てをちょっとだけ。
今回の事故の混乱の原因は基本的な「ほうれんそう」が徹底できてなかったからなんだと思うよ。
(ほうれんそうとは、【「ほう」・・・・報告、「れん」・・・連絡、「そう」・・・相談】の三つのこと)
そりゃ必要な情報が上がってこないんだもん、判断ミスもするよ。
そこをあげつらうんじゃなくて、さ。
事故は起きないって決めつけてたところに問題があるんだよ。
『事故は起きないんだから起きたときの心配をしたってしょうがない』という思考回路が根本原因。
だから「事故当時の誰々が事故を拡大させた原因だ」とかじゃなくて、
そういうところから調査しないといけないんじゃないのかな。
全員が専門家になれるわけないんだから、専門家は専門家として自分の知識をしっかりと責任の取れる人に伝えていく必要があるわけで。
東電の社長自体が現場のことをよくわからなかったんだから、官邸が現場に出向くのも致し方ないんじゃない?
一刻を争ってたわけだしね。
しかし、まあ・・・。
ホントにこの事故を次にしっかりとつなげていこうと考えてるんでしょうか、この国のお偉いさん方は・・・。