80年代に思春期を過ごしたにもかかわらず、
昔からボクは
どうにも80年代以降の音楽にイマイチ興味が湧かなかったんであるが
妻が最近、昔好きだったというシンディ・ローパーのベスト盤のCDを購入してきたんで
一緒になって聴いてみて
その理由がようやくわかった気がする。
↓(シンディ・ローパーを知らない人はこちらをどうぞ。)
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YouTube: Cyndi Lauper - Girls Just Wanna Have Fun.avi
聴いてみて、昔も今もやはりイマイチに感じてしまったんだが
今までだと、「もう聴かない」ってなったんだけど
何でイマイチだと思ってしまうんだろうと、しばらく分析のために聴いていたら、
なんとなく音が嫌だというのに気がついた。
「何の音が嫌なんだろう?」とまたしばらく聴いてると、
シンセやらギターやらドラムのスネアやらに過剰なエフェクトがかかってるのがやけに気になる。
んで、ハッとひらめいた!
この、音と音の隙間を埋め尽くしてしまうエコーやらのエフェクトが嫌だったんだってことが
いまになって、ようやくわかった。
実は
ストーンズが86年に発表した「ダーティーワーク」というアルバムもわりと好きな曲が多いのに
なんだかイマイチ手を伸ばさないのは、この「エフェクターの音」が気になってたんだ、
ということにも、それはつながっていった。
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YouTube: Rolling Stones Back To Zero 86年に発表されたこの曲と
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YouTube: Fingerprint File The Rolling Stones 75年に発表されたこの曲を聴き比べてみるとよくわかる。
75年に発表された「フィンガープリント・ファイル」では、
強調したい音はダブルトラックなどの多重録音で表現してるし、エフェクトも最小限だから
音の隙間はしっかりとあるし、
その何もない空間が、出てる音をさらに強調してるし、
だから曲全体の起伏もしっかりと表現できており、
わりと長い曲調でも飽きさせないが
86年の「バック・トゥ・ゼロ」ではエフェクトで隙間が埋め尽くされて
まるで、尻尾の先まであんこのつまってしまってあんこの甘さしか感じないたい焼きみたいに
単調な味わいに終始してしまってる。
ファンキーな曲調は同じなのに
エフェクトが過剰なせいで逆に起伏が感じられなくなって平坦に聞こえちゃうんだね。
それぞれの音がエフェクトの海におぼれちゃって見えなくなっちゃってる感じ。
そのおかげで、ミュージシャンのそれぞれの個性や主張や感情なんかもアイマイな状態。
だから、
積極的に聴こうとは思わないんだな、
聴いててもつまんなく感じてるんだなって
最近、ようやく気がついた次第でございます。
なんでもそうだけど、
良いからといって過剰な摂取にならないように気を配ることが、
健康にも音楽にもよろしいってコトがこれで証明されたね。