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ここ半年くらいの記事でUPしているとおり、なるべくアンテナを目立たないようにするため、銀色のエレメントなどに黒色の布絶縁テープを貼り付けて“ステルス処理”を行っているが、この流れだと当然MDシリーズもその対象になってくる。
しかし、ステルス処理にはノーマル状態と比べてf0がドロップするという代償?が伴う。そこで、ステルス処理前と処理後のf0に差があるのか、何か他に問題が潜んでいるのか等を確認するため、完璧な条件ではないが対照実験してみることにした。その条件は以下のとおり。
■測定条件
・測定場所 :自宅@常置場所の玄関前(波長に対して干渉物が無い広々とした空間ではない。)
・モービル :シエンタ+天井にシステムキャリア
・アンテナ地上高:実測で約1.8m
・アンテナ基台 :パイプ基台(COMET_RS-215)+自作パーツ
・同軸ケーブル :18MHz用アンテナチェックケーブル
・アース :接続ケーブル長=150mmに加工したマグネットアース(第一電波_MAT50)×2枚
・測定器 :アンテナアナライザー(COMET_CAA-500、視差軽減対策を試みたが、現在不調中)
・その他 :帯域はSWR≦1.5の範囲
上記の測定条件で、とりあえずMDC16@18MHz用カセットコイルをメインエレメントに装着し、調整バーを目いっぱい長くした時と目いっぱい短くした時のf0を、ステルス処理前と処理後に測定する。
これだと条件の差はステルス処理の有無だけになるので、それぞれの値の差を見れば影響の程度が把握出来る。それと、玄関前とは言え他の条件は本気測定に相当するので、ある程度は参考になる結果が得られるというプランだ。
と言うことで、早速測定開始。ノーマル状態のメインエレメントにMDC16を装着し、①調整バーが最長、②調整バーが最短、それぞれの状態で測定。その結果は以下のとおり。
■ノーマル状態のメインエレメント
①f0=18.744MHz、SWR≒1.09、Z≒48Ω、帯域=18.370~19.118MHz(18.744MHz±374kHz)
②f0=16.819MHz、SWR≒1.04、Z≒49Ω、帯域=16.496~17.142MHz(16.819MHz±323kHz)
次に、メインエレメントにステルス処理を行い、③調整バーが最長、④調整バーが最短、それぞれの状態で測定。その結果は以下のとおり。
■ステルス処理後のメインエレメント
③f0=18.525MHz、SWR≒1.12、Z≒49Ω、帯域=18.136~18.914MHz(18.525MHz±389kHz)
④f0=16.626MHz、SWR≒1.01、Z≒49Ω、帯域=16.310~16.942MHz(16.626MHz±316kHz)
↓
以上の測定結果を踏まえて分かったことは、以下のとおり。
(1)ステルス処理によって18MHz帯で発生したf0のドロップ量は、200kHz程度である。
(2)ステルス処理の有無に関係なく、調整バーの上限および下限周波数はバンド外にある。
(3)調整バーの可動範囲が2MHz近くあり、バンド幅より大きい。
(4)帯域が±300kHzを超えているので、これもバンド幅より大きい。
(5)前述の(3)と(4)を踏まえると、バンド全体を帯域内に納める調整が可能と考えられる。
(6)広々とした場所でなくてもSWR値が1.2以下なので、更に開放的な場所で調整すれば確実に良好な値が出そう。
ということで、とりあえず18MHzは使える結果が出そうだ。他のバンドは確認していないので何となくだけど、極端な差は出ないと思う。なので、このシリーズ(3.5~28MHzまでの全てのハムバンド)は基本的にステルス処理を施したメインエレメントで調整していくことにして、問題があれば都度検討していこうと思う。
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