はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

タムシバとコブシ 違い

2024年04月11日 | 樹木・草花のお話

 前回のお話「タムシバ」の続編として、今回は「タムシバとコブシの違い」について。

 まずは、タムシバの葉とコブシの葉の違いです。

 

 タムシバの葉は、広被針形で、コブシと比べると細長い

 コブシの葉は、倒卵形or広倒卵形で、タムシバと比べると幅広い

 

 簡単に言えば、葉が細長いとタムシバで、葉が幅広いとコブシです。

 もう少しマニアックに言うと、タムシバの葉は真ん中あたりが最も幅広く、コブシの葉は先端付近が最も幅広い。

 幅広い位置の違いを記しますね (^_-)。

 

 次は花の違い。

 実は、これが一番分かりやすい (^o^)

 

 タムシバの花は、葉が開く前に咲くので、葉がない

 コブシの花には、葉が1枚付く

 

 花の裏を見て、葉がなければタムシバ

 花の裏を見て、葉が1枚付いていたらコブシ

 

 あっ、これもわかり易いですね。

 「葉をかじると少し甘い」がタムシバです (*´∀`)。

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タムシバ

2024年04月09日 | 樹木・草花のお話

 新しい葉がまだ開かれていない少し淋しい早春の時期に、大きな白い花を咲かせ、森林を色づけてくれる樹木「タムシバ」。

 ヤマザクラ同様、早春の淋しい感じの森林を色づけてくる代表的な樹木の1つですね。

 

 タムシバは、本州・四国・九州の山地に自生する在来種亜高木性落葉広葉樹です。

 樹高は10m程度と、亜高木層を担う重要な樹木の1つ。と、個人的には考えています。

 

 タムシバは、尾根などのやや乾燥した場所にも生育しており、アカマツやモミと混じって白い花を咲かせる姿をよく見かけます。

 おそらく、マツ枯れによってアカマツが減少し、伸び伸びと成長できるようになったのではないかな~、個人的に考えています。

 

 タムシバの花は、3月下旬から4月上旬に、葉が展開する前に開花します。

 花の色は白色、花弁は6枚、花径は6~10cmという特徴は、早春の森林の中では、ひときわ目立ちます。

 

 タムシバの葉は、長さ6~14cm、縁に鋸歯はなく、広被針形で細長い形をしており、葉の付き方は互生です。

 葉を咬むと少し甘いことから、「噛柴(カムシバ)」と呼ばれ、それが転訛し「タムシバ」になったのが名前の由来です。

 

 タムシバの樹皮は、灰色で滑らかで、これといった大きな特徴はありません。

 が、枝を切るとその切り口から、幹の樹皮を削るとその部分から、レモンに似た柑橘系のさわやかな香りがします。

 いい香りがする。と聞くと、ついつい、枝を折ったり、樹皮を傷つけてしまいたくなりますが、樹木の健康に悪い影響を与えます。

 どうしても、香りを楽しみたい場合は、剪定バサミなどの刃物を使って、枝先を少し切り取る程度にしてくださいね。

 

 タムシバの花を生薬の原料としても有名です。

 蕾を採取し、乾燥させたものを生薬の「シンイ (辛夷)」 として利用されています。

 ちなみに、辛夷の原材料として、タムシバ以外に、 ハクモクレンとコブシも規定されているそうです。

 辛夷の効用は、鎮静、鎮痛、頭重、鼻炎、蓄膿症など。

 ただし、原材料は「蕾」なので、開花する前に採取する必要があるため、花を楽しめなくなるというデメリットが・・・。

 タムシバを資源として利用する場合、観光資源か医薬資源か、悩むところなのかもしれませんね(^_^;)。

 

 僕は、淋しい早春の森林を彩りしてくれるタムシバの花が好きなので、断然、観光資源ですね!

 生薬としての原料は、コブシやハクモクレンでいきましょう (´▽`)。。

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タラの芽を二度楽しめる水耕栽培

2024年04月08日 | 山菜・キノコなど食を楽しむお話

 春と言えば山菜!

 山菜と言えばタラの芽!

 今回、タラの芽を2度楽しめる「タラの芽の水耕栽培」について。

 

 本題の前に、タラノキは地域の方や所有者の方が育てている可能性があります。

 たとえ、道端で生えているタラノキであっても、管理されている方がいる可能性があるということを忘れず、勝手にタラの芽を採取しないでくださいね

 来年の春もタラの芽を楽しむためには、採り方のルールがありますので、各々が勝手に採取してしまうと、育てて、管理している方は、とても悲しい気持ちになってしまいます・・・。

 

 さて、僕はトゲのない品種「メダラ」を育てています。

 今回の水耕栽培はメダラで解説しますが、通常のトゲトゲのタラノキでも同じことが出来ます(トゲがあって大変だけど・・・)。

 

 タラの芽を採取する時、地上から80~100cmの位置にある「元気そうな芽」の少し上の位置で、幹を鋸などで切ります。

 ちなみに、地上から80~100cmの位置というのは、絶対条件ではありません。

 その位置にある芽が、再び、伸びるので、「来年の春にタラの芽を採りやすい位置」ということで、80~100cmとしています。

 もし、シカによる被害を防ぎたい場合は、シカの口が届きにくい150~180cmくらいがいいかと思います。

 

 採取するとこんな感じで、まずは、「タラの芽」を採取します。

 

 タラの芽を採ったら、残った幹を8~10cmの長さに切っていきます。

 幹を観察すると、ところどころに「小さい芽」があります。

 

 その芽を傷つけないよう、8~10cmの長さに幹を切っていきます。

 

 切り終わったら、水に漬けます。

 場所は陽当たりの良い場所に置いてください。

 水は、毎日交換する必要はありません。

 水の量が減ったり、水が汚れてきたら交換するって感じです。

 あまり、水の汚れは気にしなくても大丈夫かなと思います。

 

 しばらくすると芽が膨らんできます。

 

 そして、徐々に葉が開きます。

 

 概ね3~4週間くらいで、二度目の「タラの芽」をいただくことが出来ます♪

 少し小振りなタラの芽になりますが、そこは量でカバー (^.^)。

 成長の過程を観察しながら楽しめるのも、水耕栽培の魅力の1つですね。

 

 あと、YouTubeでも「タラノキの採り方」や「タラノキの増やし方」という動画も配信していますので、興味ある方は、こちらも是非♪

(1) はぐくみ幸房 - YouTube

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春に咲く樹木の花たち

2024年04月03日 | 樹木・草花のお話

 春になると色とりどりの花が咲いています。

 春に咲く樹木の花と言えば「ヤマザクラ」。

 今回は「桜」以外に楽しめる樹木を一部ご紹介します。

 地域の気温や標高差によって、咲く時期や種類に多少の異なりはありますが、概ね4月上旬に見られる樹木の花をご紹介しますので、是非、山や森を巡って、花を咲かしている樹木を探してみて下さい。

 

 山の中の道路を車で走行していたら出会える、ぶどうの房のように垂れ下がった黄色い花。

 この花は「キブシ」。

 春の山菜の1つで、この花はおひたしや天ぷらで食べられますが、受粉した雌花を食べると苦いです・・・。

 

 キブシと同じように出会える黄色い花。

 これはアロマオイルの原料や和菓子の楊枝に使われる「クロモジ」。

 

 キブシとクロモジは、街から離れた森の中で見かけますが、街に近い森の中で見かける黄色い花を咲かせる樹木。

 この花は「エノキ」。

 国蝶であるオオムラサキの幼虫の食草です。

 

 次は白い花。

 

 まだ新しい葉っぱが芽吹いていない、少し淋しい森の中で目に入る大きな白い花を咲かせる樹木。

 この花は「タムシバ」。

 枝や材にはレモンに似た柑橘系の香りが漂う樹木です。

 

 常緑広葉樹も花を咲かせています。

 鐘状の可愛い花を咲かせている樹木は「アセビ」。

 アセビは有毒成分を含むため、ニホンジカも食べません。

 

 アセビと同じくツツジの仲間で、白い花を咲かせる「ヒカゲツツジ」。

 

 あと、この時期に咲く。というより、この時期まで花が残っているといった方が正しいのかな?

 紅くて大きな花が可愛らしい「ヤブツバキ」。

 

 可愛いというわけではありませんが、こんな花も咲いてます。

 名前にサクラとあるけど桜ではない「フサザクラ」。

 フサザクラは、土壌の移動が多い場所に群生しているので、フサザクラが集まっている場所は、崩壊が起こる可能性が高い場所です。

 

 この時期は、ヤマザクラが目立ちますが、実は、サクラの陰に隠れて開花している「クヌギ」。

 決して目立つ花ではないですが、クヌギも早い段階で花を咲かせています。

 

 以上、4月上旬前後に花を咲かせる樹木のご紹介でした。

 ほんの一部になりますが、サクラ以外にも花を咲かせている樹木たちがいるので、是非、サクラ以外の花を観察してみて下さい!!

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OODAループ

2024年02月11日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 OODAループとは、勝敗に関わる意思決定と実行のために行われる思考方法の1つで、現場の業務や私生活などでの改善に役立つ考え方と言われています。

 一般的には、「PDCAサイクル」の方が馴染みあるかと思いますが、時代の変化やあらゆる状況の変化に対応した行動に繋がる思考という点では、OODAループの方が優れています。

 状況の変化に応じて、臨機応変に対応するには、PDCAサイクルでは限界があるため、OODAループという思考を学ぶ授業を、奈良県フォレスターアカデミーで行ってきました。

 

 まず、OODAループのOODAとは・・・

Observe = 見る(観察・情報収集する)

Orient = 分かる(状況判断)

Decide = 決める(意思決定)

Action = 動く(実行・行動する)

 これら4つの頭文字を繋げたものです。

 

 PDCAサイクルはm、P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(行動)の順に沿って行いますが、OODAループは、必要に応じて、途中から前の段階に戻って再開するという考え方です。

 一方通行のPDCAサイクルに対し、OODAループは、状況の変化に応じて、任意の段階からループをリスタートできるという点が大きな違いです。

 

 このOODAループによる思考を意識し、体験いただくため、カプラを使ったOODAループ体験を行いました。

 

 まずは、2グループに分かれます。

 そして、それぞれのグループで、さらに前半組と後半組に分かれます。

 グループ対抗で、①早く作る ②多く作る ③高く作るの3項目を競い、2項目とったグループの勝利です。

 

 最初は前半組がカプラでらせん階段を作ってもらいます。

 後半組は、前半組の作り方や動きを見て、自分たちが作る場合の作戦を練ります。

 前半組が終了したら、対決を判定します。

 

 次に、後半組がスタートです。

 後半組は、前半組の動きを見て、どうすべきか理解した上で、”こうしよう”と判断して、勝負に勝つための行動に臨んでいます。

 この間、前半組は、次の挑戦に向けて、自分たちの作戦を練ってもらいます。

 前半組は、何もわからないまま、らせん階段を作ったので、勝負の判定や評価、自分たちの行動など全てを振り返って、再び、勝つための思考を巡ります。

 前半組は、一通りの勝負の中で、改善策を見出していますが、後半組の動きを観察することで、さらに改善策が改善されていきます。

 後半組は、勝負自体は初めてなので、作戦通りに進まないという状況になった際、どう行動すべきか、相手の動きを観察し、そこから改善策のヒントを得ようとします。

 

 後半組が終了したら、判定です。

 最後の勝負に向けて、前半組と後半組が一緒になって、作戦を練ります。

 

 最後の勝負は、前半組と後半組を合わせたベストメンバーを選出して行います。

 

 今の時代、常に状況が変化していきます。

 流行も次々と変わり、昔に流行したものが、再び流行することもあります。

 こうした変化に速やかに対応するためには、これまでのPDCAサイクルよりもOODAループの方が優れています。

 もちろん、PDCAサイクルも必要ですが、状況に応じて、OODAループという思考を取り入れていただくことが、今回の授業の目的として行わせていただきました。

 

 OODAループ、是非、この機会に知ってください。

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ヤドリギ

2023年12月25日 | 樹木・草花のお話

 クリスマスを代表する樹木「ヤドリギ」。

 冬の間でも、落葉樹に半寄生する常緑樹のヤドリギは、強い生命力という象徴として扱われ、ヨーロッパでは、昔から、宗教的に「神聖な木」とされたり、「幸運を呼ぶ木」とも言われているそうです。

 

 ヤドリギと言えば、「ヤドリギの木の下で出会った男女はキスをしても良い」という、なんか都合が良いような言い伝え(^_^;)がありますよね 。

 ケルト神話や北欧神話では、ヤドリギは幸福・安全・幸運をもたらす「聖なる木」とされており、非常に縁起の良い植物とされているそうです。

 そんなヤドリギの下を通るとき、幸福・安全・幸運を願うという習慣から、未婚の男女は幸せな結婚を願い「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」という習慣が生まれたそうです。

 ロマンチックな感じがしますが、逆に、ヤドリギの下でキスを断ると、縁起が悪く、翌年は結婚できないとも言われています。

 「え~、私、そんな気、ないのにぃ・・・」という状況だとしたら、ちょっとした脅迫観念に囚われそうな言い伝え・・・・(゚Д゚;) 

 

 

 ヤドリギは「宿り木」と書き、その名の通り、他の樹木に寄生する樹木です。

 主な宿主は、ブナ、ミズナラ、サクラ、ケヤキ、ムクノキ、エノキなどの落葉広葉樹で、宿主から生きるために必要な養分を吸収します。

 時に多くのヤドリギに寄生された宿主は、衰弱し、最悪、枯死するものもあります。

 なので、ヤドリギを「病害」や「病気」とする考え方もありますが、僕自身は病気という認識を持っていません。

 というのも、宿主が枯死するとヤドリギ自身も枯死するので、宿主を衰弱・枯死させるような吸収はしません。

 ヤドリギ自身も光合成を行いますし、宿主から養分をいただく代わりに、宿主が水分や養分を吸い上げるための蒸散を助けています。

 だけど、多数のヤドリギが寄生すると、ヤドリギが宿主の葉を遮り、宿主の光合成を阻害し、宿主の衰弱に繋がります。

 なので、宿主を弱らせたいわけではなく、個々のヤドリギが密集してしまったがために起こった悲しい事故だと思っています。

 

 ヤドリギ自身は、「あっ、この樹木に寄生しよう~♪」と狙いを定めているわけではありません。

 ヤドリギの木の実を食べた鳥が、ヤドリギの種を運び、そこで糞を落とされ、そこに寄生したという結果にすぎません。

( ↑ 発芽した若いヤドリギ )

 

 ちなみに、ヤドリギの種子は鳥にとって、貴重なエサ資源になります。

 ヤドリギが多いということは、多くの鳥が生育できると考えられるので、ヤドリギは生物多様性を支える1つの樹木ともいえます。

 

 なので、それぞれの見方によって、ヤドリギの評価は異なるんじゃないかなと思います。

 サクラの景観を重視する場合は、ヤドリギが発生すると、サクラの樹形を損なうし・・・・。

 多種多様なの鳥が集まれる環境では、ヤドリギがその環境を整える1つの要因になるし・・・・。

 

 結果的に、多数のヤドリギが原因で、宿主を衰弱・枯死させることに繋がりますが、決して、宿主から養分を吸収し尽くして、宿主の命を奪い取ろうという戦略をヤドリギが行っているわけではなく、不可抗力でたくさん集まった悲しき事故だと思っているので、ヤドリギは病気・・・ではないと、個人的には思っています。

 

※2016年12月の記事を改編

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葉痕

2023年12月19日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 冬になって、葉が落ちた痕跡のことを「葉痕(ようこん)」といいます。

 

 冬になると、ほとんどの生き物は冬眠をしたり、植物は落葉や地上部が枯れたりと、寂しい感じになります・・・・。

 そんな時、樹木の葉痕を観察すると、寂しい感じが一転して、楽しい気持ちに変わることがあります。

 

 今回は、そんな面白い葉痕の一例をご紹介します。

 

 葉痕は、枝に着いていた葉の柄が落ちた痕跡なので、葉が大きいほど、葉痕も大きくなります。

 そのため、葉痕の大きさや形は、樹種によって、大きく異なるので、それぞれの違いを観察しても面白いかなと思います。

 

 さて、枝に着いた葉は、枝と葉の間で水分・養分のやり取りを行っています。

 この水分・養分をやり取りする器官を「維管束(いかんそく)」といい、葉が落ちた後も、この維管束の痕が残ります。

 この痕跡は、点や線のような形で残るので、それが目や鼻、口に見えたりするので、動物の顔や笑っている顔に見える、そんな面白い葉痕に出会えます。

 

 ネジキの葉痕。

 飛行中のムササビを、真上から見下ろしたような葉痕。

 僕には、気持ちよさそうに滑空しているムササビの後ろ姿に見えてきます !(^^)! 。

 

 オニグルミの葉痕。

 オニグルミの葉痕は、「サルの顔」に似ているので、とても有名です。

 個人的には、この写真の葉痕は「ヒツジの顔」に見えます (^_^;) 。

 同じ樹種でも、縦に長い葉痕があったりするので、また表情が違ってきます。

 

 トゲトゲが多くて、林業の造林地でとても迷惑な樹木の1つカラスザンショウの葉痕。

 刺々しいのに、めっちゃ笑ってる (゚Д゚;)。。。

 

 こっちは、愛想笑い・・・か?

 

 なんか、悪いことを考えてそうな笑み・・・(^_^;)

 

 という感じで、同じ樹種でも葉痕に現れる表情が違います。

 

 葉が大きいと、葉痕も大きくなります。

 なので、葉が大きい樹木の葉痕を観察すると、面白い葉痕たちに出会えるかも・・・。

 

 ホオノキ、キリ、アカメガシワなども大きな葉をもっています。

 ちなみに、オニグルミやカラスザンショウなどのように「複葉」というタイプの樹木も、大きな葉痕をもつものが多いです。

 ウルシ、ネムノキ、センダンなども葉が複葉の樹木ですし、身近に生えていることも多いので、是非、どんな葉痕なのか、観察してみて下さい。

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コミュニケーションの研修

2023年12月12日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 ㈱はぐくみ幸房では、コミュニケーションの重要性を実感いただく、参加型の研修を行っています。

 今回は、林業の現場班長や班長候補の方々を対象に行うフォレストリーダー研修にて、コミュニケーションの研修を行いました。

 

 写真は受講生の感想です。画像をクリックすると拡大されます。

 

 

 心理学者のアルフレッド・アドラーの有名な言葉の中に、「すべての悩みは対人関係の悩みである」、「人間の悩みの90%が人間関係」とあるように、私たちの日々の悩みの大半は、人間関係です。

 

 中には、「いや、お金だ!」という方もいますが、実は、お金の悩みも対人関係です。

 請求する人と請求される人との人間関係があって、お金の悩みになります。

 

 例えば、請求する人が期限までに支払えと言ってくるから、お金という悩みが生まれます。

 もし、請求する人が5年以内に支払ってくれたらいいよ、お金に余裕が出来たらでいいよと、自分のペースに合わせてくれると、お金の悩みが解消されます(個人的に「早く支払わないと・・・」とソワソワするのは、個人の問題です(^_^;) 。。)。

 逆に、被請求者が、約束通り支払ってくれない、全然支払ってくれないという状況も、お金ではなく、払ってくれない被請求者との人間関係の悩みです。

 

 脱線しましたが、「人の悩みの90%が人間関係(対人関係)である」としたら、人間関係を良くするためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 では、コミュニケーションとは何なのか?

 コミュニケーションとは、「自分の伝えたい情報を正確に、上手に伝える。」ことと「相手に伝えたい情報が正確に、上手に伝わる。」こと、この双方向が成立することをコミュニケーションといいます。

 自分の伝えたいことが、相手に正しく伝わって、はじめて、コミュニケーションが成立します。

 相手の想いや気持ちを無視して、一方的に自分の考えや思いを語ることは、コミュニケーションとは言えません。

 

 コミュニケーション能力が高い人が話す場合、相手の反応を見つつ、伝える方法を工夫しながら、伝えたい情報を正確に伝えようとします。

 逆に、聞く側に回った場合、相手が伝えようとする情報を理解しようを耳を傾け、自分が受け取った情報が正しいか、相手に確認をとろうとします。

 これがコミュニケーション能力が高い人材の特徴です。

 つまり、初対面の方ともすぐに仲良くなってお話できる人が、コミュニケーション能力が高いと言うわけではありません。

 

 さて、弊社の研修では、「意識する」と「無意識」をキーワードに「コミュニケーションの大切さ」を実感するグループディスカッションを取り入れています。

 例えばグループディスカッションの1つとして、2人1組になって、話し手と聞き手に分かれ、あるテーマについて、2分間話し合ってもらいます。

 

 1回目は、相手の話を聞くポイントを意識しながら相手の話を聞きます。

 

 2回目は、相手の話に対して一切の反応をしないと意識して、相手の話を聞かないようにします。

 

 1回目と2回目の違いを研修生同士で話し合ってもらいます。

 2分という体感時間の違い、話しやすさの違いなどなど。

 特に2回目は、意識して相手の話を無視するので、お互いに精神的ストレスがかかります。

 通常、日常生活において、意識して相手を無視することは、ほとんどありません。

 しかしながら、実は、日常生活の中で、無意識で相手を無視したり、無視に近い行動をとっています。

 そのことに気づいてもらうことが、このグループディスカッションの目的です。

 

 実際、2回目の時は、教室全体の雰囲気が恐ろしいほど暗くなるので、講師の立場である僕自身も、気が滅入ります(゚Д゚;)。。。

 

 

 林業界において、よく言われている

 ・生産性を向上したい

 ・生産コストを下げたい

 ・人材を育成したい

 ・労働安全の向上を図りたい

 ・職場の離職率を下げたい

 ・職場の定着率を上げたい

 といったことは、コミュニケーションという土台がしっかりと出来ていることが前提です。

 

 「こうすべきではないか」、「こうした方が良かったのではないか」、「次は、こうしてみようか」などなど、お互いの意見を言い合える雰囲気が出来ることで、それが信頼関係の構築へと繋がっていきます。

 「いいから、黙って言うとおりにやれ!」なんて、言葉が行き交う関係では、信頼関係を構築することは、とてつもなく難しいです。

 上司や先輩にカリスマ性があり、かつ、部下や後輩に恵まれないと信頼関係の構築は難しいと思います。

 

 生物多様性の重要性が言われるように、人の多様性も重要です。

 僕自身、「人の多様性=価値観の多様性」だと考えています。

 人の多様性が多いほど、色々な視点から物事を考えられ、色々な価値観に触れ合うことができます。

 逆に、人の多様性が多いほど、話が平行線になったり、もめたりすることもあるので、その場合は、明確な目的を設定し、全員がその目的に向かう必要があります。

 いわゆる「バックキャスト(バックキャスティング)」という思考で、未来・目的・目標・ゴールを統一しておけば、それぞれの価値観を最大限に発揮できるのはないかと思います。

 そのためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 それを実感していただくため、全員の生き残りを賭けた(という設定の)ゲームをしていただきます。

 

 

 従業員は組織の資産です。

 従業員が成長すると組織の価値が上がります。

 従業員の成長志向が高くなると、その組織は成長し続けます。

 

 これからは、人が働きたい組織を選べる時代。

 「この組織で働きたい!」と思ってもらえる組織になるためのツールがコミュニケーションです。

 

***************

 

 この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 研修等のご依頼や詳しい内容を知りたいという方は、「morikatsu108108108@gmail.com」まで、メールください。

 なお、迷惑メール防止のため、先述したアドレスは、数字と@が全角になっています。

 

***************

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ヒナカマキリ

2023年11月27日 | 昆虫類+αのお話

 体長2cmに満たない日本最小のカマキリ「ヒナカマキリ」。

 出会うと、テンションが上がり、ついニンマリしてしまう可愛いカマキリです (^_^) 。

 

 ヒナカマキリは、体長1.2〜1.8mmと日本最小のカマキリで、本州(東北以南)、四国、九州、沖縄に分布します。

 常緑広葉樹林に棲息する森林性のカマキリで、主に林床や落ち葉の下など地面を徘徊しますが、サイズが小さいので、なかなか出会えない(見つけられない?)カマキリです。

 オオカマキリやコカマキリなど他のカマキリと違って、成虫になっても、跳ぶことが出来ないため、地面を徘徊しながら、トビムシなどの土壌生物を捕食します。

 たまに、ショウジョウバエなどを捕食する姿も。

 ヒナカマキリが最大サイズになる10〜11月くらいに、常緑広葉樹林の林床や落ち葉の下を観察すると、出会えるかなと思います。

 11月頃に2cm未満の小さいカマキリに出会ったら、きっとヒナカマキリだと思います!

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ハリガネムシ

2023年11月21日 | 昆虫類+αのお話

 カマキリに寄生するハリガネムシ。

 

 ちなみに、ハリガネムシは、カマキリだけに寄生するわけではなく、カマドウマやキリギリスにも寄生します。

 

 ハリガネムシの生態は、非常に興味深く、そして、面白い!

 

 ①ハリガネムシに寄生されたカマキリは、体を操られ、川の中に入水自殺させられます。。。

 ②川の中に飛び込んだカマキリの内臓から、ハリガネムシが出てきます。

 ③川の中で、ハリガネムシは交尾し、産卵します。

 (どのようにしてメスとオスが出会うのか、謎ですが・・・(゚Д゚;) )

 ④孵化したハリガネムシの幼虫は、カワゲラなどの水生昆虫に寄生します。このとき、水生昆虫は中間宿主として、寄生します。

 ⑤水生昆虫は、羽化するために陸上へ上がります。

 ⑥陸上に上がった水生昆虫、または陸上で成虫になった水生昆虫が、肉食性のカマキリ、雑食性のカマドウマやキリギリスに食べられます。

 ⑦このとき、ハリガネムシがカマキリなどの内臓に寄生します。

 ⑧寄生したハリガネムシは、カマキリの体内で成長します。

 ⑨成長したハリガネムシは、カマキリを操り、水の中へ・・・・という風に再び①へ

 

 本来、カマキリは、泳ぐことが出来ないので、水に飛び込むようなことはしないのですが、ハリガネムシによって、本来起こさない行動を取るようになってしまいます。

 恐ろしい・・・と感じる生態ですが、実は、このハリガネムシが川の生態系を支える重要な生き物であることが証明されています。

 

 通常、カマキリやカマドウマは、川の中に飛び込むような行動はしません。

 ところが、ハリガネムシに寄生されることによって、川の中に飛び込んでしまいます。

 すると、肉食性の川魚などの生き物にとって、格好のエサとなります。

 もし、ハリガネムシがいなければ、肉食性の川魚たちは、川の中に生息する水生昆虫だけがエサとなってしまいます。

 つまり、ハリガネムシが存在することで、陸生昆虫が肉食性川魚たちのエサ資源となり、その分、水生昆虫の被害が抑制され、川の中の生態系が豊かになる一助となっていることが、研究によって明らかにされています。

 

 いかにも寄生生物っぽい、うねうねした動きのハリガネムシですが、実は、川の中の生態系を豊かにする貴重な生き物です。

 

 まさに、見た目で判断してはいけないとは、このことですね (^_^;)。

 

 最後に、とっても珍しいハリガネムシの写真です。

 入水自殺させるハリガネムシが、なぜか、木の上で、引っかかっている・・・

 不思議な現象 (´▽`)。

 これだから、自然観察は面白い !(^^)!

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