はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

次世代を担う木材資源

2016年03月19日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 今、シカ捕獲の調査で植栽地を巡り歩いてるんですが、どこもかしこも食害で…

 時々、食害をまぬがれ、立派に成長した植栽地を見ると嬉しく思います

 シカ捕獲が進み、生息密度が下がれば、こういう山をたくさん見たい

 一方で、こういう山も気になります

 

 シカ害から免れて、無事成長しても、これでは良い木材として育ちません。

 無節や床柱、銘木の需要がほとんどないし、価格差に出ないから、枝打ちは敬遠されたり、不要とされたりで、枝打ちされた山って、あまり見なくなりました。

 状況が状況なだけに、仕方ないといえば、仕方ないですが、個人的には全くしないのもどうかと不安に思います。

 枯れた枝は、アカネ材(アリクイ、虫害材)の原因となる、スギノアカネトラカミキリを招くし、死節になって、柱の角に出ると服が引っ掛かったり、床板では穴埋めという一手間に埋め木の費用も発生し、製材コスト増にもつながります。

(←虫害材)

  (←埋め木した内装材)

 集成材なら死節はOK…というわけでもなく、表に出ないよう選別するという手間が発生することも。

 合板も用途によっては敬遠されますし。

 実際のところ、BC材だったら材質は何でもいいというわけではなく、やはり欠点の少ない木材を好まれると思います。

 住宅需要が先細り、これからは内装やリフォーム向けの木材需要が見込まれると言われる中、育林施業を簡略した木材が、こういう需要に応えられるのか、市場で勝ち残れるのか、正直、不安を感じます。

 国産材は欠点も多く、扱いにくいと、うんざりするほど聞かされてきました。

 低コストも大事でしょうが、外材に対抗できる、川下に使ってもらえる木材を生産することも大事ではないかと・・・。

 次世代の山が熟し、市場に流れたとき、再び、問題になりそうな気がします。

 そして、最低1回は枝打ちが必要と言われても、その頃には枝打ちをできる人って、何人いるんだろう・・・。

 枝打ちは直接、材質と材価に影響を与える施業。

 下手な枝打ちは材に変色を与えます。

 もし、枝打ち技術が失われれば、取り戻すことは困難です。

 マニュアルを見てどうこう出来る技術ではないです。(手鋸ならいけるでしょうが、ヨキでは…)

 木材の売り上げだけで、枝打ちなどの育林費用を賄うことは難しい。

 だからこそ、広葉樹や花木など山の資源をフル活用したトータル的な収入をもって、育林費用を賄い、山元にお金が残る仕組みができないか、と妄想し続けています。

 良い物づくりは良い材料があってこそ。

 良い住宅も、良い家具も、良い木材があってこそ。

 低コスト造林も大事。

 木材需要の拡大も大事。

 そして、次世代の資源を育てることも大事。

 今なら間に合う山は、たくさんあるはず。

 手遅れになる前に、育林にも力を入れるべきでは…

 あ、それと、良い物づくりの職人さんと良い山づくりの山主さんを繋げる事が出来ないかな〜…と妄想する今日この頃

 この妄想が正しいか、否か。

 20年後、30年後にわかるのかな~


広葉樹資源を取り入れた林業経営

2016年01月25日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 これまで何度か妄想し続けてきた「広葉樹資源を取り入れた林業経営」について、一度、図を作成して、整理してみました

 ちなみに、「広葉樹資源を取り入れた」としていますが、用材ではなく、薪炭やキノコ原木など特用林産向けの広葉樹資源としています。

 今回も長文になりますし、あくまで、僕の妄想ですので、お時間があるときにお付き合いいただければと思います

 

 まず、インフラ整備が充実した環境は、植栽・育林・搬出・管理などあらゆる面で、コストを縮減できる要素を備えています。

 一方、インフラ整備が不十分な所は、コストの縮減が難しい・・・

 なので、インフラ整備が不十分なところは、手間のかからない森林管理・林業経営が無難かと思います。

 なので、これからの再造林は、萌芽更新が可能(再造林が不要)、早生樹、短伐期など手間がかかりにくい広葉樹を植栽するという選択肢を加えることも必要だと思います。

 もちろん、施業を進めながら、徐々に樹種転換する方法もアリやと思います。

 ここでの目的は、用材から薪炭やキノコ原木へ・・・とします。

 もちろん、用材より収入は小さくなるというデメリットもありますが、再造林が不要で、人工林よりも育林コストをかける必要がなく、短伐期(10~20年)というメリットもあります。

 あと、薪炭やキノコ原木なら、フォワーダやプロセッサなどが走行できる幅員の大きい作業道なども不要になるので、インフラ整備が不十分でも、軽トラが走行できるくらいの小さな作業道なら作ることができるかもしれない・・・という可能性もあります。

 

 そして、立木で購入してくれる方に直接、売り込む

 直売りは、搬出などの委託経費を縮減できますし、同時に出口も確保できます。

 

 ただし、立木購入者は、

  ・萌芽更新が可能になるよう適切な伐採を行うこと

  ・自身も所有者の林業経営の一部を担っていることを認識すること。

  ・次も購入できるように、循環的かつ安定的に収穫できる計画性をもつこと。

 という意識が不可欠です。

 これは、森林所有者と強固な信頼関係を築くために必要な要素だと思います。

 信頼関係があれば、

 「10年後もお願いね」、「あとこの場所もどう?」と安定的な資源の確保が約束されます。

 上手くいけば、同じ所有者の山を転々としながら、毎年や隔年ごとに資源を確保することも可能です

 資源を探しに、山を帆走する手間も、所有者を調べる手間も省くことが出来ます。

 

 一方、現在の森林所有者は、スギやヒノキなどの収入があっても、委託経費などを支出すると、あまり手元に残らず、山への投資も苦しい状況・・・

 

 ここに、広葉樹の立木売りという副収入源を作ることで、支出を抑えつつ、収入を得ることが可能に。

 そして、その収入を育林やインフラ整備などに投資。

 

 勿論、これは、机上の空論であり、図のようには上手くいかないのが現実です

 かなりの資源量が取引されないと、施業を賄える収入確保は難しいと思います。

 何より、実現するためには、人・山・流通・体制など色々な要因やハードルもあると思います。

 

 しかし、今のまま、コスト縮減を求められると、底が見えません

 5000円まで抑えたら、次は4500円、その次は4000円・・・

 そうなってくると、下刈りや除伐、つる切り、枝打ち、間伐といった育林施業を減らすことになり、結果、良い木材が生産できなくなります

 最終到達地点は、「支出は主伐の費用のみ」になりかねません。

 

 「良い木材を生産しても、それに見合う価格で売れない。だから、育林の手間を省く。」と反論されるかもしれません。

 でも、「見合う価格で良い木材を生産する方法を考える」ということを、放棄していいとは思えません。

 

 だから、コストをかけず、粗放状態でも収入源となりうる広葉樹資源を林業経営に取り入れるのも1つの手法。

 最近注目される「コウヨウザン」でもいいと思います。

 強度はスギ以上、再造林不要、早生樹という特性を生かし、B材を生産し、その収益で品質の良いA材を生み出す。

 B材やC材の需要に応える、満たしていくことも重要です。

 B材やC材は、A材のような高い品質を求めないという特性があります。

 その特性を生かし、とことんコストを縮減し、利益を上げ、それを元本にA材の品質を高める・・・という方法も考えられると思います。

 (ただし、B材やC材は外材との価格争いは否めません。キノコ原木や備長炭原木なら樹種も限定され、外材との価格競争も少ない。事実、キノコ原木の価格は、昔からあまり変動がないことが統計からも分かります。)

 

 「良い木材を生産する」ことを否定してはいけないし、諦めてはいけないと思います。

 「良い木材を生産する」ための方法を考え続けないといけないと思います。

 

 だって、こんなキレイな木材が無くなるなんて、絶対あってはならない

  

 キレイな木材を見ると、テンション上がります

 キレイな木材が生産できれば、モチベーション上がります

 

 「良い木材を生産する」1つの方法が「広葉樹資源を取り入れた林業経営」・・・という妄想でした

 ストレートにいうと、「粗放で儲かる林業」ですね。

 

 僕の妄想話に、最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました

 

※関連記事 

 昔の拡大造林と現代の再造林 

 再造林における植栽樹種の選択


昔の拡大造林と現代の再造林

2015年12月28日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 年の暮なので、昔の拡大造林とこれからの再造林について、考えて いや、妄想してみました

 僕の手元に、1963年(昭和38年)に作成された「和歌山県勢」という本があります。

 実は、今、住まわせていただいている家が、築100年くらいの立派な家で、古い本を漁っていたときに見つけました

 当時の和歌山県の財政状況や人口、そして、各市町村の状況がまとめられています。

 もちろん、一番気になったのは、当時の和歌山県の林業について。

 

 今回は、当時の造林について簡単に紹介したいと思います。

 当時の用材林の伐採量は、約59万立方(素材生産量を示しているかはわかりませんが)で、用材林の年間成長量は約41万立方と過剰な伐採が問題視されていたそうです。

 そこで、過伐の解消と国土保全のために造林の長期計画が推進されるようになりました。

 そして、将来的に、人工林面積を大幅に拡大し、資源の増強と成長量の確保を図ることとしています。

 そのために、造林に対する補助や融資を行うとともに、雑木林や粗悪林などの採算の合わない林地を人工林に転換するといったことも書かれています。

 僕が気になったのは、「雑木林や粗悪林などの採算の合わない林地を人工林に転換する」という文面。

 前にも掲載しましたが、下のグラフは、林野庁の統計資料にあるシイタケ原木とスギ・ヒノキ・カラマツの価格を示したものです。

 ☆スギ・ヒノキ・カラマツの価格は製材用の中丸太(直径14cm以上30cm未満)の価格です☆

 昭和38年のデータはありませんし、スギ・ヒノキ・カラマツの価格は、簡単に一定の数値に置き換えることはできないので、一概には言えませんが、「採算性の合わない雑木林や粗悪林」を人工林に転換したのであれば、これからの再造林は・・・

 「用材として採算性のある山をスギ・ヒノキ、シイタケ原木として採算性のある山をコナラ・クヌギを植える」

 ではないのか・・・というのが、今回の妄想。

 正確には、「何を植栽すれば採算性が高いのか」というのが、これからの再造林ではないか・・・という妄想ですね。

 これに、経営も委託・請負なのか、内製・自営(自伐)なのか、立木売りなのかという点や出口・需要のことも考えないといけないと思います。

 特に広葉樹は、萌芽更新が期待できるので、再造林不要など育林経費を抑えられるメリットや短い周期で収入が得られるというメリットもあります。

 また、和歌山県の場合は、「紀州備長炭」というブランド炭もあるので、ウバメガシやアラカシという手も考えられます。

 今年の林業経済学会でも、ウバメガシ林の方がスギ・ヒノキ林よりも経済性が高いという報告もあります。

  → http://www.jfes.org/kenkyukai/JFES_2015_Fall/2015_yoshi_A2.pdf のA7にその報告が書かれています。

 

 と、妄想を膨らませていると・・・

 

 所有山林に何を植えれば採算性が高いのか。

 そして、所有山林内の資源を使って、地域を活かせる方法は何か。

 他業種の人も含めて、様々な人たちが集まり、知恵を出しあって、色々な方法を考えることが重要ではないか。

 

 やはり、そこに行き着きます。

 

 とは言え、樹種転換・林種転換は時間もかかるし、大変です。

 人に勧める前に、まずは自分で実践。

 ということで、竹林を薪炭林に転換中・・・。

 ★これに関連した記事(再造林の樹種選択)はこちらです

  → http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/63dbc2d900b5a215e7d58fc1b476921f


再造林における植栽樹種の選択

2015年11月16日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 以前にお話した低コスト造林に関連して、再造林でスギ・ヒノキ以外に適した樹種とは・・・。

 という妄想に、今回は、お付き合い下さい

 しかも、長いんです。ゴメンナサイ

 まず、ここでいう適した樹種とは、林業経営としてスギ・ヒノキ以外に適した樹種という意味です。(スギ・ヒノキとありますが、カラマツなど一般用材に向けの樹種も広義的に含みます。)

 まぁ、以前にも同じような事を書きましたが、シイタケ原木のコナラやクヌギ、和歌山県なら紀州備長炭の原木のウバメガシが現実的かと。

(その時の記事はこちら → http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/4e02a1eeb5e28ab9c7c907813ce8e9ef )

 以下、僕の妄想。

■理由1(妄想)
 スギ・ヒノキの価値とコナラ・ウバメガシの価値に差がない(というか逆転してる?)。

 ウバメガシの根拠は、先日(11/14-15)行われた林業経済学会2015年秋季大会において、「持続可能な備長炭原木生産に向けたウバメガシ育林の経済性評価」というタイトルで発表が行われました。

 結論的には、スギ・ヒノキ林よりもウバメガシ林の方が経済性が高いとなっています。

 (その内容については、学会HPの「要旨(統合)」または「要旨(A会場)」からご確認できます。

  学会HPはこちら→ http://www.jfes.org/kenkyukai/JFES_2015_Fall/2015_fall.html

 ※この要旨を見て、「ん?」と思う方がいるかと思いますが、気にせず、サラッと流してください。

 次に、コナラやクヌギ。

 林野庁の統計で発表されているシイタケ原木の単価と製材用のスギ・ヒノキ中丸太の単価を比較してみました。

 

 昭和45年から平成25年までの単価の変動が分かりやすいようグラフにしてみました。

 見比べると差がない・・・というか、コナラやクヌギの方が高くなってます。

 スギ・ヒノキの単価自体が相場制で、季節変動もあるし、比較対象も製材用の中丸太(直径14cm以上30cm未満)なので、一概には言えませんが・・・

 でも、スギ・ヒノキの伐期とコナラ・クヌギの伐期、再造林のコストを考えると、ウバメガシ林同様、経済性は後者の方が高いかなと・・・あっ、それは次の理由ですね。

■理由2(妄想)

 植栽から主伐までの1サイクルがコナラ・ウバメガシの方が圧倒的に短い。

 スギ・ヒノキの1サイクルを50年とした場合、コナラ・ウバメガシなら2〜3サイクルできるかな。

 加えて、萌芽更新が可能だから、伐採後の再造林が不要

 逆に、スギ・ヒノキは伐採したら植栽は必須

 この時点で植栽という投資費用の差が出る。



 

■理由3(妄想)

 需要と流通ルートができてるので、乗っかかりやすい。

 シイタケ原木は東日本大震災以降、安定供給が難しくなってます。

 営業先は生産者やJA、菌種メーカーかな。

 ただし、原木シイタケの生産者が減少しつつあるので、対応が遅れた分だけ損するかも…?

 何にせよ、供給できる体制を整え、信頼を得ないといけないので、早い者勝ち的なとこはある…?

 

 とまぁ、コナラ・ウバメガシを再造林の樹種として、選択する理由はこんな感じかと…

 簡単にまとめると…

 ①スギ・ヒノキとの価値に差が少ない(というか逆転してる?)。

 ②萌芽更新で再造林が不要。

 ③需要もある。特に備長炭はブランド品という強みがある。

 しかし、課題もあります。

●課題1(妄想)

 需要と供給のバランスがわかりにくい。
 市場というものがあまり存在しないので、問題点が浮き彫りになりにくいかな・・・。

●課題2(妄想)

 伐採と萌芽更新という循環かつ安定供給が可能な山になるまでに必要な施業とその期間、経費に関する情報が少ない。

 ましてやスギ・ヒノキの後に植栽となると…。

 

課題3(妄想)

 循環かつ安定供給が可能なな山づくりを目指すには伐採者の技術や意識が重要。

 次も、この山で伐らしてもらうなら、山主との信頼関係を築かないといけないと思う。

 

 ちなみに、この妄想の発端は、和歌山県に多い大規模山主が、スギ・ヒノキ以外で安定的な副収入を得る方法がないか…と考えていたとき、

 と、同時に、

 ナラ枯れ対策をどうしよう・・・と考えていたら・・・

 2つの悩みが出会い、回答がぴったりと寄り添え会えたからです。

 もう・・・3〜4年越しの妄想になるかな〜

 ウバメガシ林の循環施業を可能とする択伐技術を取り入れている炭焼きさんなら、年間で1〜1.5haのウバメガシ林が必要だそうです。

 ウバメガシ林の回帰年数を20年としたら、20〜30haのウバメガシ林があれば1人の炭焼きさんを一生雇えますので、毎年、炭焼きから収入が入ることになります。

 (2人なら収入が2倍、3人なら3倍!)

 しかも、立木売りなので、山主負担は0。

 得た利益でインフラ整備してもいいし、蓄えてもいいと思います。

 

 また、スギ・ヒノキとコナラ・ウバメガシは、生育環境を住み分け出来るので、スギ・ヒノキに適さない痩せ気味の土地にコナラ・ウバメガシを植えると言う手もアリかと思います。

 今のスギ・ヒノキの需要や価格を考えると、スギ・ヒノキだけの林業経営では、色々とリスクが高いと思うので、リスク分散と安定的な副収入を視野に入れ、コナラ・ウバメガシが再造林の対象樹種として十分に考えられる。

 そんな妄想です。

 最後までお付き合いいただいた方

 本当にありがとうございます

 m(_ _)m。


里山利用

2014年05月24日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 「里山」の定義って、今ひとつピンっとこないのですが、一般的に使われている言葉なので、「里山」という表現を使いたいと思います。

 広葉樹資源の話ともつながりますが、昔は、燃料となる薪や焚き付けの枝葉、肥料(緑肥)となる落ち葉などは、里山から採集してました。
 採集するために、里山までの道を整備したり、薪に適したコナラやクヌギなどの木を維持するために、自然(植生遷移)をコントロールしてきました。
 人が山に関わってきたことで、本来なら自然の生存競争に負ける樹木や野草が残り、繁栄し、逆に、生存競争に勝つハズだった樹木や野草は、抑制された

  
 そして、燃料革命以後、薪の利用がなくなり、肥料も化学肥料に代わり、落ち葉を採集することもなくなったため、自ずと「里山と人の関係」は希薄に・・・

 
 やがて、人の手が加わらなくなった里山では、自然の生存競争が再開され、「強い者が勝つ」時代に戻り、立場が逆転
 今、貴重だと言われている植物らが、生存競争に負け、その姿が消えつつあります
それに依存していた昆虫類も・・・

 

 分かりやすい昆虫やと、カブトムシやクワガタムシなどがいい例ですが、以前に紹介したモンクロベニカミキリにも当てはまると思います。

Monkurobenikamikiri01(コナラやクヌギに集まるカミキリにとって、薪炭林の喪失=生活圏の喪失・・・です。)

 でも、モンクロベニカミキリはカブトムシやクワガタムシ程、影響は少ない方だと思いますが

 

 
 
 「古き良き日本を」というわけではありませんが、貴重な植物を取り戻そうと、里山整備・里山利用に取り組んでいる人たちがいます

 収入を目的とする取り組みもありますが、いずれも里山利用はいわゆる生物多様性や林地などの保全にも繋がるという評価が定着しています。

 

 山主にとって、山は資産。

 でも、持ち山が「自然文化」という価値があると認識している、「自分の山って、こんな価値があるのか」という喜びを感じる山主って、どれくらいいるんでしょう?

 何もしなくても山に税金はかかります。

 むしろ、木材価格のことを考えると何もしないほうが、さらなる労力も経費もかからない。

 そういう背景が、山主から 「自然文化」という価値の喜び・誇りを喪失させてしまっているような気がします・・・。

 

 今のところ、自分の山・畑(というか親の山・畑)に、そんな貴重なものは存在しませんが、利用することで、貴重な植物が戻ってきたらいいな・・・と思っています。

 そうしたら、自分の山・畑に自信が持てるような気がします

 いつか、そういう日が来ないかな・・・と思う今日この頃


深層崩壊

2012年09月08日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 先日、仕事で熊野古道を歩いてきました。

 調査した日は、昨年の台風12号が上陸したちょうど1年前です。

 目の前の熊野川が氾濫し、街が水浸しで、どうなるのか不安でしたが、1年経ってみると、あれから復興しつつあり、人の生きる力って、すごいなと思いました。

 でも・・・・

 未だ行方不明の方もおられ、その家族の方の立場を思うと、「復興してきた。すごいな~」とは安易に喜べません・・・。

 歩いた熊野古道は、深層崩壊のあった場所で、

 新聞でもご覧になった方もおられるかと思いますが・・・

Shinsouhoukai

 

 改めて、自然災害のおそろしさを目の当たりにしました。