今、シカ捕獲の調査で植栽地を巡り歩いてるんですが、どこもかしこも食害で…
時々、食害をまぬがれ、立派に成長した植栽地を見ると嬉しく思います
シカ捕獲が進み、生息密度が下がれば、こういう山をたくさん見たい
一方で、こういう山も気になります
シカ害から免れて、無事成長しても、これでは良い木材として育ちません。
無節や床柱、銘木の需要がほとんどないし、価格差に出ないから、枝打ちは敬遠されたり、不要とされたりで、枝打ちされた山って、あまり見なくなりました。
状況が状況なだけに、仕方ないといえば、仕方ないですが、個人的には全くしないのもどうかと不安に思います。
枯れた枝は、アカネ材(アリクイ、虫害材)の原因となる、スギノアカネトラカミキリを招くし、死節になって、柱の角に出ると服が引っ掛かったり、床板では穴埋めという一手間に埋め木の費用も発生し、製材コスト増にもつながります。
集成材なら死節はOK…というわけでもなく、表に出ないよう選別するという手間が発生することも。
合板も用途によっては敬遠されますし。
実際のところ、BC材だったら材質は何でもいいというわけではなく、やはり欠点の少ない木材を好まれると思います。
住宅需要が先細り、これからは内装やリフォーム向けの木材需要が見込まれると言われる中、育林施業を簡略した木材が、こういう需要に応えられるのか、市場で勝ち残れるのか、正直、不安を感じます。
国産材は欠点も多く、扱いにくいと、うんざりするほど聞かされてきました。
低コストも大事でしょうが、外材に対抗できる、川下に使ってもらえる木材を生産することも大事ではないかと・・・。
次世代の山が熟し、市場に流れたとき、再び、問題になりそうな気がします。
そして、最低1回は枝打ちが必要と言われても、その頃には枝打ちをできる人って、何人いるんだろう・・・。
枝打ちは直接、材質と材価に影響を与える施業。
下手な枝打ちは材に変色を与えます。
もし、枝打ち技術が失われれば、取り戻すことは困難です。
マニュアルを見てどうこう出来る技術ではないです。(手鋸ならいけるでしょうが、ヨキでは…)
木材の売り上げだけで、枝打ちなどの育林費用を賄うことは難しい。
だからこそ、広葉樹や花木など山の資源をフル活用したトータル的な収入をもって、育林費用を賄い、山元にお金が残る仕組みができないか、と妄想し続けています。
良い物づくりは良い材料があってこそ。
良い住宅も、良い家具も、良い木材があってこそ。
低コスト造林も大事。
木材需要の拡大も大事。
そして、次世代の資源を育てることも大事。
今なら間に合う山は、たくさんあるはず。
手遅れになる前に、育林にも力を入れるべきでは…
あ、それと、良い物づくりの職人さんと良い山づくりの山主さんを繋げる事が出来ないかな〜…と妄想する今日この頃
この妄想が正しいか、否か。
20年後、30年後にわかるのかな~