海岸に近い森林に生える、見た目がちょっと?特徴的な植物「ツチトリモチ」。
キノコのように見えるけど植物です。
ツチトリモチは、ハイノキ属の樹木の根に寄生し、養分をいただいています。
ちなみに、根茎をつぶしてトリモチに使ったので「ツチトリモチ」。
ツチトリモチ。
見れば見るほど、キノコっぽいよね(^_^;)
海岸に近い森林に生える、見た目がちょっと?特徴的な植物「ツチトリモチ」。
キノコのように見えるけど植物です。
ツチトリモチは、ハイノキ属の樹木の根に寄生し、養分をいただいています。
ちなみに、根茎をつぶしてトリモチに使ったので「ツチトリモチ」。
ツチトリモチ。
見れば見るほど、キノコっぽいよね(^_^;)
ツガとモミを見分ける簡単な方法をご紹介します。
ツガとモミを見慣れていない方にとって、両種の葉が似ていて、どっちがどっちか分からないという意見を聞くことがあります。
一応、実(球果)を見れば、両種の違いは簡単なんですが・・・。
ツガは、松ぼっくりみたいな実(球果)をつけます。
次にモミの実(球果)。
だけど、頻繁に実(球果)が見られるわけではありません。
そこで、今回、ご紹介するツガとモミの見分け方は、葉の付け根に注目した見分け方です。
モミの葉の付け根は、「吸盤」のようになっています。
吸盤でくっついているようなイメージですね
一方、ツガの葉の付け根は、葉柄があって、普通に生えているって感じ(^_^;)。
ツガもモミの葉も、先端がボコッと凹んでいます。
ただし、モミの場合は、先端が2つに分かれて、尖っていることもあります。
このモミの葉の違いは、陽当たりの良い場所に出来る葉「陽葉(ようよう)」と日陰の場所に出来る葉「陰葉(いんよう)」の違いです。
モミの葉先が凹んでいたら陽葉、葉先が尖って2つに分かれていたら陰葉です。
良く見かけるモミの葉は、先が2つに分かれて尖った陰葉だと思います。
ツガとモミの簡単な見分け方は、葉の付け根です。
葉の付け根が吸盤ならモミ。
そして、モミの葉は2種類。
先が凹んでいたら陽葉。
先が2又になって尖っていたら陰葉。
「葉の付け根が吸盤だったらモミ」という風に覚えて、是非、現地で確認してみて下さい!
水面を覆うホテイアオイ。
カワイイ花を咲かせますが、このホテイアオイは外来種です。
明治時代(中期)にアメリカから輸入され、繁殖力が旺盛なため、日本在来の水生植物を脅かしています(>_<)。
外来生物法では、「要注意外来生物」に指定され、世界の侵略底外来種ワースト100と日本の侵略的外来種ワースト100にノミネートされ、オーストラリアでは持ち込み禁止になっています(^_^;)。
一応、日本でも移入規制をしている地域もありますが、メダカの水槽や観賞用として、「ホテイソウ」、「ウォーターヒヤシンス」という名で販売されています。
株から分かれていくので、どんどん増え、溜池・河川・水路の一面を覆い尽くしてしまいます。
こんな感じに・・・
ハスなど日本在来の水生植物は、ホテイアオイの侵略によって、住処を奪われてしまいます。
植物の住処が奪われるだけではなく、漁業の障害や船舶の運航障害など産業にも影響を与えています。
そして、水流阻害にもなるので、溜め池の水が必要!となったとき、大量のホテイアオイが邪魔になって、水を吸い出せない!なんてことも・・・。
例えば、火事が発生し、溜め池の水で消火しようと思ったら、ホテイアオイが邪魔で、スムーズに吸水できない!なんて可能性も0ではないかもしれません(>_<)。
自然環境や生活環境に影響を与えかねないホテイアオイ。
身近に存在していたら、その影響を危惧して下さい。
そして、家庭の水槽や池で鑑賞を楽しむ程度にし、要らなくなっても付近の水辺に捨てたりしないようにしましょう(^_^)。
伐採跡地や道端など陽当たりの良い場所に生えるタケニグサ。
タケニグサはケシ科の植物で、高さ1~2mにまで成長する多年草です。
茎は中身が空洞で、全体的に粉白を帯び、茎を切断すると切り口から橙色~黄色の乳液が出てきます。
この乳液は有毒で、プロトピン、ヘレリトリンなどの成分が含まれており、食べてしまうと嘔吐、最悪の場合は死に至るおそれもあります。
また、この乳液が皮膚につくと、体質によってはかぶれることもあるので、身近な危険植物の1つでもあります。
葉っぱは、長さ10~30cmと大きな葉を展開させます。
7~8月に白い花を咲かせます。
有毒なのでシカも食べないと思いきや、新葉をちょびちょび食べたり、地域によっては、タケニグサを丸坊主にするくらい食べるシカもいます。
タケニグサを食べた後のシカの生死は不明ですが・・・・。たぶん、お腹は壊しているんじゃないかな?
タケニグサという名前の由来は、「茎がタケに似ているから”竹似草”」、「この草と一緒にタケを煮ると軟らかくなるから”竹煮草”」という説があるそうです。
粉っぽい白色の茎なところ、
茎の中が中空ってところ、
そういうところが、タケに似ているって、ことなのかな(^_^;)?
ネムノキはマメ科の樹木で、先端が桃色でかわいらしい花が特徴的で、少し郊外の街中でも見られる一般的な樹木ではないかなと思います。
花も特徴的ですが、オジギソウに似た葉も特徴的なので、覚えやすい樹木の1つではないでしょうか。
ネムノキの葉は、羽状複葉で、葉の付き方は互生。
面白い特徴は、日暮れとともに葉をとじ合わせて眠るところです。
夕暮れになると葉を閉じて眠り、夜明けとともに葉を開いて目覚めるその姿が名前の由来となって「ネムノキ」。
ネムノキを漢字で書くと「合歓木」で、この合歓(ごうかん)は、「夫婦の合歓」から来ており、夜になると葉と葉が閉じ合う姿を夫婦の合歓に見立て、幸福の意を込めて、付けられた名前だそうです。
葉の茎に付着している部分と小葉がそれぞれ付着している部分(葉柄)の基部が膨れていて、そこの細胞内の圧力が、昼と夜で変化するので、葉が開閉するそうです。
←小葉の基部
この膨らみの部分を「葉沈(ようちん)」と言います。
ちなみに、オジギソウの葉は、刺激を与えると小葉が閉じて、そして、葉全体が折り下がります。
これは、虫や動物に捕食されないよう、葉を閉じて防ぐそうです。
ネムノキも、葉を閉じるのは、夜中の”何か”から守っているのかもしれない・・・(^_^;)。
花期は6~7月で、花は、葉が閉じる夕方に咲き、葉が開く夜明けとともにしぼみます。
ネムノキは、花が咲くと葉は閉じ、葉が開くと花がしぼむ、という面白い一面を備えています。
というものの、結構、正午なのにしぼんでいない花もありますけどね・・・(^_^;)。
果期は9~10月で、実の形状は豆です。マメ科ですから。
ネムノキの用途は色々あります。
材は建築材、器具材などに使用され、昔は下駄の歯にも使われたそうです。
ネムノキの葉は「抹香(まっこう)」の材料として有名で、乾燥させた葉を粉末状にして抹香として使われます。
樹木そのものは緑化樹(庭木)としても使われます。
また、ネムノキの樹皮は「合歓皮(ごうかんひ)」という生薬になります。
夏~秋頃に採取した樹皮を日干しで乾燥させ、利尿、強壮、鎮痛、腰痛、手荒れ、打ち身、腫れ物、水虫、精神安定などの効果があるようです。
こうした効果があるからなのか、江戸時代の儒学者である貝原益軒(かいばら えいけん)の「花譜・菜譜」(だったかな・・)にも、
「この木を植えると人の怒りを取り除き、若葉を食べると五臓を安じ、気を和らげる」と書かれています。
江戸時代も怒った人がいたら、
「まぁまぁ、とりあえず、これ飲んで、落ちつきなさいなぁ。」と言って、合歓皮を飲ませていたんですかね。
あと、万葉集でも、ネムノキをテーマに詠まれた詩も多く、僕自身、あまり詳しくないんですが、万葉集では「合勧木(ねぶ)」と詠われています。
紀女郎(きのいらつめ)氏の「昼は咲き、夜は恋ひ寝る合歓ぶの花 君のみ見めや戯奴さへに見よ」が代表的・・・というか、知っている詩がこれくらいで、すみません、あんまり詳しくないです(^_^;)。。
「昼間は美しく咲いて、夜は好きな人に抱かれるように眠るネムノキがうらやましい。」という意味だったと思います。
身近な樹木の1つ「ネムノキ」。
実は、万葉集でも詠まれ、江戸時代の学者にも紹介されるくらい、日本に馴染みなる樹木なんです。
歴史を感じさせてくれる樹木だなー。と思いません?
赤いウィンナーの様な実を付ける植物「ツチアケビ」。(ちなみに実をつけるのは秋です(^_^;))。
ツチアケビは、森林の中に生えるラン科の植物です。
名前の由来は、ご覧のとおり「実がアケビに似ている」からです。
←アケビ
日本固有種の植物で、北海道から九州まで幅広く分布しています。
ツチアケビはギンリョウソウと同じく「葉緑素を持たない腐生植物」です。
腐正植物は光合成を行わない植物なので、植物体には一切の緑色がありません。
ちなみに、腐正植物は「菌従属栄養植物(きんじゅうぞくえいようしょくぶつ)」とも言われています。
詳しくは知りませんが、最近は、後者で呼ぶ方が正しいのかな?
ツチアケビは、光合成をしない代わりに、ラン菌根を作り、ナラタケと共生(寄生?)することで養分を得ています。
光合成をしないと言うことは、光を必要としないので、森林内の日陰によく生えています。
常緑広葉樹林やスギ・ヒノキの人工林の下にも生え、比較的、よく出会える植物です。
6~7月頃に花が咲きます。
開花する前は、黄金色のアスパラガスって、感じです。
開花すると、こんな感じ。
花茎は30~100cmと、結構、立派です。
ツチアケビは、花よりも実の方が目立つし、有名なので、花は見落としやすいかも。
10月頃、赤いウィンナーの様な実をつけます。
ちなみに、食べられません。(^_^;)
実は熟しても、アケビの様に裂けることはありません。
アケビと言うより、バナナに似ている。と僕は思う。。
中身はこんな感じ。
秋の森林の中を歩いていると、遠目でも分かるくらい赤い実が目立つツチアケビ。
食べられるわけでもないし、とりわけ美しいというわけでもないんですけど、見つけると、何か嬉しい気持ちになる植物です。
個人的な所感ですけど・・・(^_^;)。
林内でひっそりと、ユーレイのように咲く植物「ギンリョウソウ」。
ギンリョウソウは、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年植物で、葉緑体を持たないという面白い植物です。
葉緑体を持たないということは、葉緑素を持たないってことなので、ご覧の様に植物体は緑色でなく全体が真っ白です。
ギンリョウソウは光合成を行わない代わりに、根に形成された菌根菌を通じて、宿主樹木の光合成産物を利用して成長するという、ちょっと、変わった植物です。
ギンリョウソウの様な植物を「腐生植物(菌従属栄養植物とも)」と言います。
ギンリョウソウは、他の樹木が生産した光合成産物を利用していますが、寄生関係ではなく共生関係にあります。
菌根菌は、土壌中にある植物の根では吸収できない養分や水分を吸収する能力があります。
ギンリョウソウの根が形成した菌根菌は、宿主樹木から光合成産物をいただく代わりに、宿主樹木の根では吸収できない養分や水分を吸収する手伝いをしています。
つまり、「養分や水分をもっと細かく集める代わりに、光合成産物を分けてね。」ということです。
ギンリョウソウは、山地のやや湿り気のあるところに生え、日本全土に生育しています。
茎の先端に下向きの花をつける姿がユーレイに見えるので、ユウレイタケという別の名も(^_^;)。
花期は5~8月と長期間にわたって開花します。
湿り気のある山の中で開花する植物なので、よく目につく植物というわけではありません。
だけど、珍しいのかと聞かれたら、それほど珍しいとは言えない。咲くところにはいっぱい咲くし。
でも、山の中限定の植物なので、山へ足を運ぶ頻度が少ないと、珍しいと感じると思います。
全身真っ白♪
素敵な植物ですよね(^_^)。
よく見かける紫色の花、「ムラサキカタバミ」。
ムラサキカタバミは、カタバミ科カタバミ属の植物で、南アメリカ原産です。
江戸時代の末期に観賞用として導入されたそうですが、現在は、環境省によって要注意外来生物に指定されています。
ちなみに、ムラサキカタバミは食べられる野草です。
葉、茎、花を茹でて、アクを抜けば食べることが出来ます。
ただし、「シュウ酸」を含むので、食べ過ぎるとお腹がゆるくなるので、少々楽しむ程度に。
子どもの頃は、ムラサキカタバミの花を根元から引き抜いて、その茎をかじりました。
茎に含まれるシュウ酸が、イイ感じに酸っぱくて(^_^;)。
ムラサキカタバミを見ていると、下校中に、友達と花の茎をガジガジした思い出が溢れます。
食べる以外にも、10円玉をキレイに磨く。という遊びもしました。
ムラサキカタバミの茎を潰して、10円玉を磨きます。
茎に含まれるシュウ酸の影響で10円玉がキレイになります。
試したことがない方は、一度、是非、試して下さい。
10円玉を磨くついでに、茎も囓ってみて下さい。
酸っぱいですよ(^o^)。
5月。天に向かって紫色の花を咲かせるキリ。
この花の姿をモチーフにした紋章が「桐紋」で、日本国政府の紋章になっていますし、皇室、豊臣秀吉の政権、室町幕府でも桐紋が使われています(いました)。
桐紋の種類は140種類以上あるそうです。
図に描かれた花の数が「3本・5本・3本」の紋章は五三桐(ごさんぎり)。
図に描かれた花の数が「5本・7本・5本」の紋章は五七桐(ごしちぎり)。
500円玉に桐紋が描かれているので、気になる方は500円玉を見てね。(^_^;)
キリはゴマノハグサ科の樹木で、日本の在来種樹木の中で、一番軽い木材です。
”キリ”という名前の由来は、伐っても伐っても芽を出し、成長するところから「伐る(切る)=キル」が由来という説や、材が白っぽくて木目が美しいので「木理(きり)」が由来という説があるそうです。
北海道南部から九州まで幅広い地域に分布し、陽あたりの良い場所に生育していますが、陽あたりがよくても、湿地や谷など土壌水分が多い場所は好みません。
植生遷移で言えば、先駆性樹種(パイオニア)なので、伐採跡地や崩壊地などに真っ先に生える樹木の1つです。
昔は、娘が生まれたら、庭に桐の木を植え、娘が嫁ぐときに、その桐でタンスを作って、嫁入り道具として持たせたと言われています。
桐材は軽いだけでなく、適度な強度があり、割れも少なく、その上、吸湿性にも優れ、ほとんど膨張しないという非常に優れた特徴を持ちます。
さらに、キリの細胞は空洞が多く、熱を伝えにくいと言う特徴もあり、火に強い性質を備えています。
こうした性質から、昔から、貴重品を桐箪笥に納め、火事から守っていたそうです。
寒い地域で育ったキリの方が、年輪が細かく、良質な桐材が取れるので、秋田県の「秋田桐」、岩手県の「南部桐」、福島県の「会津桐」など寒い地域の桐材が有名です。
キリは成長が早く、20年もあれば十分な大きさに成長するので、娘の成長とキリの成長が一致していたんではないでしょうか。
日に日に、大きくなるキリを見て、娘の嫁入りが近くなることを実感する・・・そんな、父親の複雑な気持ちが想像できます(T_T)。
逆に、大きなキリを見て、年頃の女性がいるなと想像する輩もいるんでしょうね・・・・(`Д´)
若いキリの樹皮は皮目が目立ち、年数を重ねると樹皮に浅い割れ目が生じます。
5月頃、枝先に多数の紫色の花を咲かせます。
花は直径5cmほどで、花の形は鐘状です。
花を拡大してみると、こんな感じ。
キリの花芽。(実じゃないですよ。)
キリの実は、
先が尖った卵形で、直径2~3cmほど。
熟すと二つに割れ、中から翼のある種子が多数飛び出します。
キリの葉は大きく、30cmになるものも!
葉の表裏には、ビロード状の毛があるので、陽当たりが良くて、葉っぱがめっちゃ大きくて、触るとビロード状のふわふわした感じの木があれば、キリに間違いない!(と思います(^_^;)。。)。
国内に流通している桐材のほとんどは中国など海外の桐材だと思います。
キリはタンスだけでなく、強度があって軽く、防虫・防湿・防火効果に加え、音響を高める効果もあるらしく、「琴」にも使われています。
最近は、フローリングに使う試みもあるので、林業という産業の中で、成長が早い「キリ」を育てるのも魅力的かなと思います。
といっても、林業は時間軸が長い産業なので、何かと同時並行に取り組まないと難しいですよね。
キリも20年は育てないといけないし、良材を得たければ、ゆっくり成長させて、年輪を細かくしないといけないので、温暖な地域で良質材を目指すのは大変そう。
だったら、早く成長できる利点を生かして、年輪が粗くても使える桐材生産を、20年後を見据えて、育てる。
まさに、林業は次世代へ繋ぐ産業。
新米・森林インストラクターのときに、必死に覚えようとした「アカシデ」、「イヌシデ」、「クマシデ」の3種類。
同じような悩みを持っている方がいるかもしれないので、僕が覚えた方法をお伝えしたいと思います。
お役に立てれば、幸いです!
アカシデの葉は、若葉の頃、葉や葉柄に毛はあるが、後に無毛となります。
ポイントは、「葉柄や枝が赤い」ところです。
イヌシデの葉は、若枝や新葉に、白い毛が表面に生えています。
これは、次第に少なくなりますが、秋の落葉期でも残っているものが多いです。
アカシデとイヌシデの見分け方は、
葉柄と枝の色と毛の有無がポイント。
2種を比較してみます。
左がアカシデ、右がイヌシデです。
葉柄や枝を見て下さい。色の違いが明確ですよね。
赤い方がアカシデです。
「葉柄が赤いからアカシデ」(最初、柄は有毛で、後に無毛となります。)
「葉柄に毛があるからイヌシデ」。
クマシデの葉は、アカシデやイヌシデよりも葉の側脈数が多いという点がポイントです。
3種類の葉を比較してみます。
写真は、クマシデ・イヌシデ・アカシデの順番です。
葉の側脈の数が違いますよね。
側脈が多い葉がクマシデです。
次は樹皮。
アカシデの樹皮。
滑らかで、幹の肥大成長が均等でないため、表面が凸凹になるのが特徴です。
イヌシデの樹皮。
若齢木では平滑ですが、老齢木になると縦に割れ目が入ります。
アカシデの様に表面は凸凹しません。
クマシデの樹皮は、若齢木では滑らかで、老齢木になると浅く割れ目が入ります。
(※写真データが無いため掲載なしm(_ _)m。。。)
アカシデ、イヌシデ、クマシデの花は、4~5月頃、葉の展開と同時に、垂れ下がるように咲きます。
雌雄同株で、雌花は新枝(当年枝)から頂生垂下し、雄花は前年枝の側生垂下します。
アカシデの花
イヌシデの花
クマシデの花
アカシデ、イヌシデ、クマシデの実は、10月頃にできます。
種子には翼があり、風散布によって種子を運ぶタイプです。
イヌシデの実(種子)
クマシデの実(種子)
以下、アカシデ・イヌシデ・クマシデのネタです。
アカシデという名前は、「アカ」=新葉が赤い・秋に紅葉する、「シデ」=果穂が玉串や注連縄に垂れ下がる紙(四手)に似ているところからとされています。
別名は、コシデで、イヌシデより樹形が小ぶりだからとか・・・。
イヌシデという名前は、「イヌ」=シデと異なるという意味、「シデ」=上記同。
別名は新葉に白い毛が多いことからシロシデ。外にもアオシデ、アオゾヤという呼び名があるそうです。
クマシデの名の由来は、イヌシデより全体がより、壮大だからそうです。(^_^;)
別名はイシシデ、カタシデ。
盆栽ではシデ類を総称して「ソロ」と呼び、アカシデはアカメソロ、イヌシデはシロゾロと呼ばれるそうです。
アカシデは、低地~丘陵地帯の二次林や湿った所に生育します(乾燥する瀬戸内地域では少ないそうです。)。
イヌシデは、丘陵帯~山地帯に分布し、多くは二次林や山道の側などに生育します。
クマシデは、アカシデやイヌシデよりも標高が高い所に生育し、沢筋や緩斜地によく生育しています。
シデ類は、ある程度の耐陰性があり、適応性も高く、分布範囲も広いので、雑木林の構成樹種になりやすい樹木です。
ただ、萌芽力は弱いので、コナラやクヌギなどのように、伐採後の回復は容易ではありません。
アカシデの材は、器具材、床柱、傘の柄、下駄、紡績木管、シイタケ原木などに使われます。
イヌシデの材は、床柱、ステッキ、薪炭、シイタケ原木などに使われます。
クマシデの材は、農機具の柄、炭材、玩具、シイタケ原木などに使われ、成長が遅いので、材質は硬い。
以上、アカシデ・イヌシデ・クマシデの3種類に関するお話でした!
※2016年12月の記事を改編