はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ハンノキキクイムシ

2021年05月14日 | 昆虫類+αのお話

 暖かい日が続くようになり、徐々に、木材の原木価格が下がる季節になってきました・・・・。

 その要因の1つが「虫」。

 林業・木材業界を困らせる代表的な虫の一種「ハンノキキクイムシ」。

 名前に「ハンノキ」という樹木の名前が付いていながら、スギやヒノキだけでなく、マツにも入るし、ケヤキやクスノキなど色々な広葉樹に穿孔するキクイムシです。

 地域差もありますが、3~10月頃にかけて伐採した木に集まり、木の中に入ります。

 入られた木は、キクイムシが穴を空けて、掘り進んだ”ピンホール”という傷がつき、木材の価値が下がってしまいます。

 木材の強度を著しく下げると言うことはありませんが、とにかく見た目が悪くなる💢

 

 住宅の梁に付けられたピンホール。

 ホクロみたいな小さい黒い穴が、キクイムシが木の中に侵入したときに出来た傷です。

 製材の方法によっては、キクイムシが掘り進んだ穴が目立ってしまうことも・・・

 チェーンソーカービング中にキクイムシが寄ってくることもあります。

 上の作品は、キクイムシだけでなく、ゾウムシという大型の虫の被害を受けた丸太で彫った物なので、大きな穴も目立ちます・・・。

 

 木を伐採すると発生するカイロモンという樹木が発する誘引物質に引き寄せられ、キクイムシが集まってきます。

 木に集まってきたキクイムシは・・・・

 

 ほじほじほじ・・・・

 もぞもぞもぞ・・・

 ズポッ!

 って、おい!、こらー!!

 

 という感じで、木の中に侵入します。

 

 キクイムシは、入った木の中で、菌を繁殖させ、その菌を食べて生活します。

 キクイムシという名前なのに、木を食べるのではなく、木の中で育てた菌を食べています。

 このタイプのキクイムシを「養菌性キクイムシ」と呼ばれています。

 基本的に、辺材(白太)の部分を掘り進むので、心材への被害はありません。

 

 しかし、引退したベテランの方の話では、「昔は、それほど多くはなかった」と聞きます。

 おそらくですが、木材価格の低迷によって、売れない木を山の中に放置したり、搬出できない木を放置したり、切り捨てられた間伐木が増えたり、市場の隅っこに放置された競り落としたけど取りに来ない丸太とか、キクイムシの繁殖に適した木がたくさん増えたことが原因ではないでしょうか・・・定かじゃありませんが!

 昔は、土場に置かれていた丸太が盗まれることもあったくらいなので・・・・。

 

 最近は、バイオマス発電の燃料材として、木材が使われるようになり、放置されている丸太を見る機会が減った気がします。

 実際、薪を確保することが難しくなってきてますし・・・・

 キクイムシの繁殖に適した丸太や木が少なくなると、少しは減っていくのかな?

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カマキリ

2020年09月26日 | 昆虫類+αのお話

 夏が終わり、秋を迎えると、カマキリ採集が熱くなる! 

 カマキリと言っても、種類は色々ですが、見分け方は、結構簡単です。

 

 まず、鎌のある前脚の基部(人間でいう胸の部分)が、薄い黄色だと「オオカマキリ」。

 同じ部分で橙色だと「チョウセンカマキリ」。

※あと、オオカマキリの後翅は全体に色や模様があり、チョウセンカマキリの後翅は一部分に色や模様があり、後翅で見分ける方法の方が確実です。 

 

 次に、前脚の基節(人間でいう二の腕)に黄白色っぽい”いぼ状”のものがあると「ハラビロカマキリ」。

 同じ部分に帯状の黒~青黒色の模様があると「コカマキリ」。

 

 ちなみに、同じ部分がリング状の模様だと「ウスバカマキリ」。

 

 体長が20mmにも満たない小さなカマキリ、「ヒナカマキリ」。

 草原よりも森林の中に生息するカマキリなので、ちょっとしたレアなカマキリかも。

 その上、小さな個体なので、気づきにくいカマキリだと思います・・・。

 

 最後におすすめのカマキリ図鑑を紹介します♪

 「昆虫ハンター カマキリのすべて」著者:岡田正哉 出版社:トンボ出版

※2014年11月の記事を加筆

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樹液に集まる虫達

2020年08月01日 | 昆虫類+αのお話

 今年は夏休みが少ない・・・

 子どもはがっかりだけど、意外と親としては有り難かったり・・・(^_^;)

 

 夏といえば、虫捕り

 虫捕りと言えばカブトムシ!!クワガタムシ!!

 子供からのリクエストが絶えません・・・


 ほんの少しですが、樹液に集まる虫たちをご紹介します。

 ちなみに、ここで言う樹液とは、コナラやクヌギの樹液です。

 まずは、昆虫の王様といっても過言ではないカブトムシ

 

 続いて、カブトムシのライバルとも言える存在クワガタムシ!

 孫悟空とベジータ、ナルトとサスケ、矢吹丈と力石徹、勝利マンと天才マンみたいな!?

 カブトムシの対の存在とも言えるクワガタムシ!

 

 コクワガタ。

 

 スジクワガタ。

 

ノコギリクワガタ。

 ノコギリクワガタは、やっぱりアールありの顎がカッコいいですね!

 

 ミヤマクワガタ。

 

 ヒラタクワガタ

 

そして、僕は、まだ野生の個体を見つけたことがない!オオクワガタ

 

 

 続いて、あんまり興味ないわー、見たことあるけど、名前知らないわー的な脇役のような昆虫たち・・・。

 ヨツボシケシキスイ。

 

 オオヨツボシケシキスイ。

 

 スズメバチと間違えて、無駄に怯えてしまう羽音のカナブン。

 

 アオカナブン。

 

 シラホシハナムグリ。

 

 見つけると少し嬉しいクロカナブン

 

 ウシアブ。

 

 ホシアシナガヤセバエ

 

 危険生物!スズメバチ(>_<)

 

国蝶「オオムラサキ

 

ゴマダラチョウ

 

 オオゾウムシ!

 

 あと、コナラやクヌギなどドングリの木の幹で見かける小さな穴。

 これは、カシノナガキクイムシという虫があけた孔で、「ナラ枯れ」と言われる森林被害を引き起こす小さな虫です。

 1つの孔に雄と雌が一対に住み着き、幹の中で子供を繁殖させ、育てています。

 木くずが出ていると、幹の中で、幼虫が育っています。

 

 中には、樹液が出ている孔もあります。

 そういう場合は、上手く幼虫が育っていない、親虫が死んでしまっているかも・・・。

 実は、こういう木が狙い目で、カブトムシやクワガタムシがうじゃうじゃいることも珍しくない!

 

 以上、樹液に集まる虫たちでした♪~

 今年の夏休みは短いけど、色んな虫を捕まえて、観察してみて下さい!

 そして、出来れば、捕った後は、「また来年!」と言って、逃がしてあげて下さい m(_ _)m。

 

 

 最後に、オススメ本のご紹介です。

 文一総合出版の「樹液に集まる昆虫ハンドブック」 1,400円(税抜き)円/冊。

 ポケットに入るサイズなので、夏休みの虫捕りのお共に、是非!

 

※2015年7月25日の記事を加筆

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アゲハチョウ 種類

2020年07月15日 | 昆虫類+αのお話

 身近に出会えるアゲハチョウの種類を簡単にご紹介します。

 

 アゲハ(ナミアゲハ)。

 アゲハチョウと言えばナミアゲハ。というくらい頻繁に見かけると思います。

 春型(3~5月)と夏型(6~10月)があり、少し模様が異なります。

 ちなみに、先の写真は夏型のナミアゲハです。

 幼虫はミカン科植物の葉を食べるので、ミカン、サンショウ、カラスザンショウ、イヌザンショウ、フユザンショウ、カラタチなどをじっくり観察すると幼虫に出会えたり、産卵している成虫に出会えます。

 幼虫にイタズラすると、オレンジ色の角みたいな突起を出して、脅かします。

 このオレンジの角に触れると、クサイ匂いがつくので、要注意です!

 

 キアゲハ。

 ナミアゲハより一回り大きい。

 ナミアゲハ同様、春型(3~5月)と夏型(6~10月)があり、写真は夏型。

 幼虫は、セリやニンジンなどセリ科の植物を食べます。

 セリ科の植物を探して、ウロウロしていると、キアゲハに出会えます。

 

 アオスジアゲハ。

 黒いボディにグリーンのラインが美しい!

 4~10月と長い期間にわたって出会えます。

 幼虫はクスノキ科の植物を食べるので、クスノキ、タブノキ、ニッケイ、ヤブニッケイ、シロダモ、イヌガシなどの樹木を観察していると幼虫に出会えたり、産卵中の成虫に出会えます。

 

 モンキアゲハ。

 黒いボディに白い斑点模様がオシャレ♪

 幼虫はミカン科の植物を食べるので、カラスザンショウ、サンショウ、カラタチ、キハダなどの樹木を観察していると出会えるかも。

 成虫は、林道などに溜まった雨水や川岸で、吸水している姿をよく見かけます。

 成虫は4~10月と、長い期間で会えます。

 

 クロアゲハ。

 黒いボディに包まれ、後翅のオレンジ模様がカッコイイ~

 クロアゲハの幼虫もミカン科の植物を食べます。

 サンショウ、カラスザンショウ、キハダ、カラタチ、ダイダイなど。

 クロアゲハの成虫も4~10月までの期間に出会えます。

 

 カラスアゲハ。

 光沢に輝くブルーが最高!

 黒色系アゲハチョウの中で、カラスアゲハが一番好きだな~

 

 カラスアゲハの幼虫もミカン科の植物を食べます。

 カラスザンショウ、サンショウ、カラタチ、コクサギ、タチバナ、キハダなど。

 

 成虫は春型(4~5月)と夏型(6~9月)があり、先ほどの写真(成虫)は夏型。

 

 以上、簡単にですが、身近に出会える6種類のアゲハチョウでした。

 

 蝶の幼虫は、エサとなる植物の種類が、ある程度決まっていることが多いです。

 お目当ての蝶に出会いたい場合は、エサとなる植物をターゲットに周囲を観察すれば、出会える確率は上がります。

 なので、蝶好きは植物に詳しいとも言われています。

 お目当ての蝶と出会うため、エサとなる植物がどこに生えるのか、知っておくことが基本になりますからね。

 

 と言うわけで、色んなアゲハチョウに出会いたい、黒色系のアゲハチョウに出会いたい場合は、ミカン科の植物を見つけて、その周辺を、時期を変えながら、繰り返し訪ねてみて下さい。

 

 僕のオススメは「カラスアゲハ」!

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アシダカグモ

2020年07月10日 | 昆虫類+αのお話

家の中に潜む大きなクモ。アシダカグモ。

 突然の出会いに「ギョッ!」とする方も多いのでは?

 

 アシダカグモは外来種で、日本では1878年に長崎県で初めて確認されたそうです。

 輸入果物(バナナらしい)とともに日本に入ったらしいです。

 また、真偽は定かじゃないんですが、ゴキブリを駆除するために輸入したという説もあるようです。

 

 毒は無いので、咬まれても「痛ッ!」という程度で終わることがほとんどだと思います。

 

 大きなクモだし、見た目はギョッとするし、イヤァ~~!!!と思うかもしれませんが、素早い動きでゴキブリを駆除してくれる「ゴキブリハンター」なので、殺さずに、大切に扱ってあげて下さいね。

 

 我が家の子ども達は、「アシダカさん❤」と呼び、とても大切に扱っています。

 というか、手なずけている?(^_^;)

 

 家の害虫であるゴキブリを駆除してくれるアシダカグモ。

 見た目ほど恐い存在ではないので、同じ屋根の下に住む仲間として受け入れてあげて下さいね(^_^;)。

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ハンミョウ

2020年05月09日 | 昆虫類+αのお話

 ハンミョウ。

 青色・赤色・緑色が輝く、とても美しい虫で、僕の大好きな昆虫の1種です。

 ハンミョウは、甲虫目オサムシ科ハンミョウ亜科の虫で、ナミハンミョウとも呼ばれています。

 体長が18~20mmと小さな虫で、地面を徘徊し、他の虫を大きな牙で捕食します。

 ハンミョウは、地面に止まっていると気づきませんが、人が近づくと飛び立つので、この時、ハンミョウの存在に気づきます。

 道の上に止まって、人が近づくと数m先に飛んで、再び、道の上に止まる。

 これを繰り返すので、別名、「みちおしえ(道教え)」とも呼ばれています。

 ずーっと、追いかけると、道の横に飛んだり、後ろに戻ったりするので、ホントは、追いかけられるのがイヤなんだと思います。

 平地から低山地の林道など土が露出した地面、川や池など水辺環境に近い開けた場所で見かけます。

 

 ハンミョウの幼虫は地面に穴をあけ、穴の近くを通った虫を捕食します。

 人が近づいたり、穴を突っつくと、中に潜ってしまいます。

 子どものころは、この穴の中に細長い葉や茎を入れて、突っつくと、それに幼虫が噛みつくので、それをゆっくりと吊り上げたりして遊びました。

 異形な幼虫が、こんなキレイな成虫になるから、昆虫って不思議だなーと思いますね。

 

 最近は、コンクリート舗装が進み、昔よりもハンミョウが少なくなった気がします。

 幼虫は地面に穴をあけて過ごすので、コンクリート舗装されてしまうと地面に穴を空けることができません。

 人が便利になる一方、小さな虫たちの住処が徐々に失っているということです・・・。

 ハンミョウのような美しい虫が飛び交う環境を子供たちに残したいなと思います・・・

 

 我が家では、ニワハンミョウは飛び交うんだけどなー・・・

 ハンミョウ、住み着かないかな。。(^o^)

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ニワハンミョウ

2020年05月08日 | 昆虫類+αのお話

 我が家の庭にニワハンミョウが飛び回り始めました♪

 ニワハンミョウは、甲虫目オサムシ科ハンミョウ亜科の虫で、ハンミョウの仲間です。

◆◆ハンミョウについて◆◆

 ハンミョウ(斑猫)は、体長が2cm前後の小さな虫で、地面を徘徊し、他の虫を大きな牙で捕食します。

 地面に止まっていると気づきませんが、近づくと飛び立つので、この時、ハンミョウの存在に気づきます。 

 道の上に止まって、人が近づくと数m先に飛んで、再び、道の上に止まる。を繰り返すので、別名、「みちおしえ(道教え)」とも呼ばれています。

 ちなみに、ずっと、追いかけると、道の横に飛んだり、後ろに戻ったりするので、ホントは、追いかけられるのがイヤなんだと思います(・・・当然か(^_^;)。。)

◆◆ここまで◆◆

 

 ニワハンミョウの体長は15~19mmで、暗緑色をしたハンミョウです。

 上翅に白い小さな紋があり、紋の形は個体によって異なります。

 人家周辺から山地までと広範囲の地面で見かけますが、地面を徘徊する上、地味な体色なので、気づかないことが多いと思います。

 

 ちなみに、ハンミョウは、近づくと飛んで行ってしまうので、写真を撮るのが結構、難しいんです・・・。

 

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マイマイガ

2019年05月05日 | 昆虫類+αのお話

 時々、町中でも大発生する毒々しい姿をした毛虫「マイマイガ」。

 多種多様な植物を食べる毛虫なので、良く見かける代表的な毛虫ではないかなと思います。

 常緑樹や落葉樹、草本類と様々な植物を食べる上、体の模様やその色にも差が見られるので、違う毛虫かなと思ってしまうほどです。

 

 さて、毒々しい姿をした毛虫「マイマイガ」ですが、実は、触れます!

 「いや、触りたくねぇよ!」と思う方が大半でしょうね。

 でも、見た目の割に、フワフワしていて、意外と気持ちいい。

←僕の息子も平気で触ります。

 

 ちなみに、僕が行う観察会では、毛虫を触る体験もしています。

 毛虫を触る体験の雰囲気は、朝日放送の「みんなの木」の動画をご参考ください♪

 https://www.youtube.com/watch?v=eHeC6PDKEmY&list=PL9cXa9v--niU9rIPrFm8_gaSJ7RKAWdoy&index=2&t=0s

 

 ところで、「マイマイガって、毒はないの?」と思いませんか?

 毒々しい姿ですからね。

 マイマイガは1齢虫の時、毛に毒があります。

 マイマイガ1齢虫による皮膚炎も報告されています。(日本皮膚科学会雑誌、2010年、120巻6号)

 脱皮して、2齢虫になると毒毛はなくなります。

 

 ただし、毒毛が無くなっても、抜けた毛が皮膚に刺さり、人によっては、チクチクしたり、痒みが発生する場合があります。

 これは個人差があるので、触る場合は、この点に注意する必要があります。

 チャドクガのように長期間、痒みが続くといったことはなく、1日程度で治まります。

 もしかすると、体質によっては、痒みなどが1日以上続く場合もあるかもしれませんが。。。

 

 もっともよく出会う毛虫「マイマイガ」。

 触ると意外とフワフワしているので、観察会では、ついつい触ってしまいます。

 1齢虫は毒毛を持ち、2齢虫からは毒毛がなくなるものの、抜けた毛でチクチクしたり、多少の痒みが伴う場合があります。

 触る場合は、この点を十分に留意したうえで、触る必要があります。

 

 まぁ、触る必要はないんですが、子どもの豊かな感性を育むという点で、イモムシや毛虫を触るって、イイんじゃないのかな~

 

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カニムシ

2019年01月24日 | 昆虫類+αのお話

 山の中には、サソリに似た小さな虫「カニムシ」という生物がいます。

 体長は5ミリ以下の小さな虫で、さらに小型の虫、ダニやトビムシなどを捕食します。

 落ち葉の下など土壌で生活するタイプ、スギやヒノキなどの樹皮下で生活するタイプがいるそうです。

 上記写真の本種は、ヒノキの樹皮で見つけたカニムシで、名前は分かりません。

 「トゲヤドリカニムシ」かな~と思っているところです。

 

 さて、2018年6月、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所が「マダニを捕食するカニムシ」を発見したと報告されました。

 マダニの新たな天敵とされるカニムシの名前は、「オオヤドカリカニムシ」。

 このカニムシは、アカネズミと共生し、主にコナダニなどを食べているとのことです。

 このオオヤドリカニムシに、マダニの幼虫を与えたところ、ハサミでガッと捕まえて食べたそうです。

 さらに同じサイズのマダニの成虫も捕食するとのことです。

 しかも、オオヤドリカニムシがマダニを捕食する、世界で初めて、天敵であることが示されたそうです

 ちなみに、アカネズミはオオヤドリカニムシを食べないのか?

 研究によると、カニムシが近寄ってきても、少しニオイをかぐだけで、カニムシが毛をつかんで、背中に乗っても、アカネズミは振り落とすようなことはしないそうです。

 ネズミを吸血するマダニを食べてもらうためではないか・・・と推測しており、ネズミとカニムシは共生関係にあるかもしれないということです。

 

 SFTSなどの感染症を媒介するマダニを食べてくれるカニムシ。

 体長5ミリととても小さい虫ですが、マダニの天敵、頼もしいですね。

 サソリに似た虫「カニムシ」。

 山や森に行ったとき、一度、探してみてください。

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ナミアゲハ 幼虫

2018年07月09日 | 昆虫類+αのお話

 馴染み深い代表的なチョウ、ナミアゲハ(アゲハチョウ)の幼虫。

 ナミアゲハの幼虫と言えば、「黄色いツノ」を出す姿が印象深いのではないかなと思います。

 この黄色いツノに触れると、臭いですよね・・・

 ナミアゲハは年4~5回発生する蝶で、春型は3月下旬~5月、夏型は6月~10月に見ることが出来ます。

 これは、夏型のナミアゲハ。春型の写真がないので比較しにくいんですが、春型は夏型よりも黄白色の部分が大きく、全体的に夏型よりも色が鮮やかです。

 

 ナミアゲハの幼虫は、ミカン科の植物を食べるので、ミカンはもちろん、サンショウ、カラスザンショウ、カラタチ、タチバナなどの樹木を観察すると、簡単に見つけることができます。

 刺々しいカラスザンショウに並ぶ2匹のナミアゲハ幼虫。

 葉を平らげられたカラスザンショウ・・・。

  トゲトゲの中を平然と登るナミアゲハの幼虫。

 幼虫の顔、左上のところに黄色っぽい小さい丸いものが卵です。

 

 ミカンの葉に産卵された卵。

 黄色っぽい卵の左斜め下にある黒ぽっい丸い物も卵で、孵化直前になると黒っぽい色になります。

 

 孵化して間もないナミアゲハの幼虫は、緑色ではありません。

 実は、鳥の糞に擬態しているそうです。

 

 どんど成長すると見慣れた緑色の姿に。

 お馴染みのナミアゲハの幼虫。

 ミカン、カラタチ、タチバナ、カラスザンショウ、サンショウなどミカン科の樹木を観察すると、ナミアゲハの卵から終齢幼虫まで、様々な姿をした幼虫に出逢えると思います。


 ちなみにナミアゲハの幼虫も美味しいそうです。
 ミカンの葉を食べてるだけに、ミカン風味だとか。
 ということは、サンショウを食べた幼虫は、サンショウ風味?舌が麻痺するかも?
 ということは、カラスザンショウを食べた幼虫は臭そう・・・絶対臭いな!

 ミカンの葉を食べたナミアゲハの幼虫・・・一度、食してみたいわー

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