今回は、山菜の王様「タラノキ」の育て方をご紹介します。
タラノキの特性と樹木の生理を生かした方法で、上手に管理すれば、安定的に収穫することが出来ます。
一番のポイントは、収穫するとき。
タラノキの芽を収穫するとき、下側にある健康的な「潜伏芽」付近で、幹を伐ります。
この時、潜伏芽を傷めないこと!
暫くすると、潜伏芽が動き出し、新しい葉を展開させます。
やがて、この葉がどんどん伸びて、新しい幹になります。
今年、幹を伐った後に伸び始めた新しい葉です。
その左側にある伐った痕跡が、去年、収穫の時に伐った痕跡です。
これを上手に繰り返すことで、来年の春も同じように収穫することができます。
樹木は、先端の葉が健康だと、潜伏芽から葉が出ません。
しかし、先端の葉が衰弱したり、先端の葉による光合成の生産量が低下すると、潜伏芽が動き出し、そこから新しい葉が作られます。
専門的な話になりますが、植物ホルモンの「オーキシン」と「サイトカイニン」が大きく関係しています。(このお話は、別の機会に。)
さらに、タラノキは陽当たりを好む陽樹です。
幹を伐った後も、陽当たりの良い環境を維持しないと、育ちません。
タラノキの新芽を採ると、その下にある芽から新しい葉が作られますが、その方法だと、どんどんタラノキが成長して、いずれ採れない高さになってしまいます。
この方法だと、少し手間がかかりますが、収穫しやすい位置で、タラノキを安定的に収穫することが可能です。
タラノキをしっかりと観察し、陽当たりの良い環境を維持すれば、タラノキを持続的に育成することが出来ます。
上の写真は、収穫と再生を繰り返したタラノキの幹です。
で、毎年、こんな感じで収穫します。
とにかく、トゲが痛くて、大変です・・・。
こんな感じで、タラノキを維持することで、安定的な収穫が望めます。