1本マストの船
目が覚めた、そんな感覚の番組に出会うことができた。「北前船」は中学校時代に学んだ記憶しかないけれど、これに血が通ったとの認識だ。北前とは日本海側との意という。
船は佐渡島に造船所の一つがあったとか。この船は明治30年頃まで活躍したという。その30年頃にはある程度の田舎にも鉄道が敷設された頃だろう。北前船は日本列島を流れる血液の役割を果たしたようだ。
小樽辺りで採れるニシンを島根県境港や大阪にまで運ぶ。ニシンは食にも上るが加工されて肥料にもなり伯州綿へともなった。利尻島付近のコンブは富山で黒とろろとなりまたコンブ占め食品やコンブだし汁となる。富山では出稼ぎに利尻島付近に行き財を成したりもしたという。北海道のニシン御殿にも繋がっている。
京都ではニシンの乾物を使ってコクの良いニシンそばが人気だったとか。日本三景の一つ宮島は北前船の通う道筋に当たる。航海の安全祈願がなされたことだろう。「新日本風土記」の北前船番組は来週へと続いてゆく。