11月24日(日)は雲が広がっても少し天気は回復しましたが、防寒必須の一日でした。
午後2時からは、今年度第1回「脱炭素学習会」を開催し、「太陽光発電(PPA)について知ろう」と題して、株式会社イー・コンザル 主任研究員 渡邊福太郎氏からご講演をいただきました。
最初に渡邊さんは株式会社 能勢・豊能まちづくり 発電事業リーダーでもあり、様々な経歴をお持ちでした。そしてはじめに、なぜ再生可能エネルギーが注目されているか?日本は多くの燃料を海外に依存、年間で26兆円の燃料を輸入、持続可能ではない現在の社会、自然からの警告、気候変動対策は世界的な急務、再エネ+電動化の時代、国際機関も再エネを主力電源として予想、日本の電源構成のうち約2割は再エネ、太陽光発電は期待されるエネルギーなどの説明をされました。
次に、太陽光発電の基礎知識と導入の仕組みとして、太陽光発電のしくみ、太陽光発電の構造と材料、太陽光発電の寿命はどれくらい?太陽光発電ができるまで、導入方法は主に次の2つとして、自己所有と第三者所有(PPA/リース)、第三者所有とは?太陽光発電の導入モデルの比較、固定価格買取制度(FIT制度)、役立つ情報サイト、太陽光発電の電気代削減効果、導入に向けた流れとポイントなど、詳しく説明されました。
次に、太陽光発電に関わる豆知識として、太陽光発電のメンテナンスは?太陽光発電に有害物質が含まれるのか?適正処理に関するガイドライン、太陽光発電の廃棄量、太陽光発電の廃棄費用、技術的にリサイクルは可能、太陽光発電の感電の危険性、太陽光発電からの電磁波は?太陽光発電は製造時にもっとエネルギー使う?作物もエネルギーも同時に生み出すなど、様々な正しい知識について教えていただきました。
次に、地域に根ざした太陽光発電の導入のためにとして、問題視される乱開発、再エネの最大の障壁、地域の土地利用を地域で考える、住民参加のルールづくりから条例化へ、みんなで支える仕組みづくりなど、地域と共生した再エネ導入の取組を説明されました。
最後に、中山間地域から考えるエネルギーの選択として、能勢町・豊能町での取り組み事例、避けられない人口減少、エネルギーを軸にしたまちづくり、能勢町・豊能町ではどうしたか?中古パネルの利活用×ワークショップ、どれくらいエネルギー代金を支払っているか、不安定な電気代の変動に備えて、エネルギーの選択をどうしていくか?(安定供給・経済性・環境配慮・安全性)など、渡邊さんが取り組んできた内容を分かりやすく説明していただきました。
主な質問・意見とその回答の概要については、
太陽光パネルの解体費用の差については、建物全体の解体時とパネルの撤去だけの場合で違ってくること。
地域の団体への寄付額については、会社の売上の1%で年間200万円くらい、1件当たり5~20万円とのこと。
太陽光パネルの個人の設置については、地域では少ないが、ゴミの廃棄物発電を買い取って地域の皆さんに売電し、地域内で3~4割を賄い、6~7割を外から買い取っていて、太陽光発電は1%未満で、PPAは始めたばかりで2軒とのこと。
将来の設置費用や売電価格の見通しについては、コストの部分で下がってきて、2014年頃に1kWh50円以上であったが、今は10円ほどになり、今後も緩やかに下がっていくと思うし、買取価格も緩やかに下がり、今年度1kWh16円から来年度は15円になること。
パネルがシリコン製からペロブスカイトになると思うが、今はまだコスト部分で課題あり、担当者からは商業化が難しいとのことで、今後、技術革新でコスト減少すれば普及していくとのこと。
火災時の対応については、一般的な家電と同じで、火災は圧倒的に小数で感電もあるので、消防庁では噴霧型で消火することと指導していること。
PPAの蓄電池の契約については、家庭は10年契約で、太陽光発電と蓄電池の両方は10年で回収は割高になり、導入費用が高くて投資回収が難しい。太陽光の10年契約は、10年後は無償で譲渡し、廃棄は譲渡後になるので、廃棄費用は契約者が支払うこと。
個人で何kWhの契約しにつては、1軒ずつ相談を受け、沢山乗せられる場合はリース料金が高いが、個別見積でして一律ではないこと。
小さな村でPPA事業により再エネに取り組むメリットについては、防災の部分ではマイクログリッドなどの小売電気事業で電気の供給は地域内で停電リスクはなく、何処かの道の駅のマイクログリッドでは電気が通じて、充電や温浴施設の提供をしてとのこと。
10年契約した後の譲渡でパワコンは10年後の更新については、その更新費用も含めて試算していること。
ゾーニング後の条例化については、ゾーニングでは土砂災害警戒区域や保安林指定地域、急傾斜地、自然公園など全てを考慮してゾーニングマップを作成した。環境省ゾーニングの補助をいただき、宮城県全体や新潟県(努力義務)などの例があるが、不適切施設の防止からもゾーニングは必要で、今年4月からは土砂災害警戒区域が設置できないなどがあり、早く条例化した方が良いこと。
太陽光発電で電気代ももっと安くすることについては、(株)いくさかてらすは、17%、10%など割り引いていますが、地域の会社で再エネ電力を使ってイメージを上げたり、地球温暖化防止のために再エネ電力を使うこととつながること。
契約を変えるのが面倒であり当社の今後については、予算の使い方であり、初期投資をして、小売事業に特化して行うが、太陽光発電はこらから自前の資金で実施していくこと。
太陽光パネルの今後については、CISとCdTeの化合物パネルは殆ど作られていないで、殆どが単結晶と多結晶であり、パネル1枚辺り300~400kWh以上発電し、今は500kWh発電するパネルもあること。
大雪時に停電した時6kWhの蓄電池で停電しなくて済んだが最近の蓄電池については、家庭用で最大が16kWhであり、普通の家庭では3~6kWhでも良いこと。
ゾーニングや条例化の話し合いとパブリックコメントなどについては、 能勢町内で7団体と自治会と話し合い、20~30名位でワークショップを行い、パブコメを募集した。ワークショップと講演会は3回ずつ開催し、条例化については、地域内の事業所からは異議がなく、住民にはゾーニングにより条例することを話してから進めてきたなど、多くの質問・意見をいただき、丁寧に回答していただきました。
最後に私から、当村の脱炭素先行地域づくり事業はPPA事業が大切な事業であり、今まで説明会を31回、学習会や講演会も開催し進めてきていまして、今年度からは大きくPPA事業が進み出しましたが、民家への設置は思うように進まず、本日渡邊さんから説明いただいた内容を録画していますので、村民の皆さんにPPA事業をもっと知っていただき、当事業を順調に進めていきたいと思いますし、今回の脱炭素学習会はそういう点からも、太陽光パネル等について詳しく教えていただき良かったと思いますなどと御礼の挨拶をさせていただきました。
信濃十名勝「山清路」の風景
△▽ 毎朝恒例の撮影は、大きな奇岩やコバルト色の平ダム湖などの信濃十名勝「山清路」の風景を撮影しました。
その他生坂村では、中学校でバドミントン中南信新人大会、竹林整備講習会、新規採用職員試験、農地に関する話し合いなどが行われました。