ロデオボーイに続き、無駄な大物が我が家にやってきた。
泡盛の甕だ。
先日、北部の村落を散策してたときに発見した。
村の爺さまが広場でぽつんと「一人フリマ」をしていて、
彼の不用品のなかにまじっていたのをゲットしたのだ。
となりの村のばあさんからもらったそうな。
爺さまは、はじめは泡盛を寝かせるつもりだったのだが、
近頃酒が飲めなくなってきたのでいらなくなってしまった、と悲しそうに言った。
ばあさんが言うには100年以上前のものだということだ。
(ほんとかよ)
沖縄の泡盛の甕は戦争のため、古いものはほとんど現存しないのだが、
北部の田舎にこそこうしてひっそりと残されていたものがあったのかもしれぬ。
緑色の苔の隙間に「企」という文字が読みとれた。
大陸から舟ではるばる渡ってきたものなのかもな
と、しばし古の琉球ロマンにひたる。
それにしてもばあさんにも爺さんにも不要なこの甕。
タダ同然だったので思わず衝動買いしてしまって
なんの因果か俺のところにやって来たのだが、
いったい、どうするべきか・・。
爺様の夢にならい、古酒でもつくろうか。
いやまて、10升以上は入りそうだぞ。
原酒だけで数万円は覚悟せねばならんし、
古酒になるまえに飲んじゃいそうな自分も怖い。
う~ん、こりゃ傘たてになりそうな予感がするな。