ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

炎昼

2005-06-26 10:27:12 | 
目玉ひん剥いて

鬼やんまが向かってくる

ずっと昔

箒で叩き落した

あの鬼やんま

青い炎

複眼に燃えている

ざあっと

上をかすめた



そのとき

ぼくは宙ぶらりん

風が巻く

赤い橋がとおざかる

おんなが

石になって見上げている

かりり

かり

かり

炎の音がして

ぼくのあたま

噛み砕かれる


見えてこない

2005-06-26 10:18:50 | 
〈馬〉という字を

じっと視つめていると

鬣をなびかせ

確かに疾走する姿になる

〈骨〉という字には

理科室のがいこつが視える

〈神〉という字を

じっと視つめていても

さっぱりその姿が視えてこない


春ゆうぐれ

2005-06-26 10:10:59 | 
でんきを点けようか
どうか

だぁれもいない倦怠
はるか
ときのかなたで
里芋が煮えている
水が流れている

頚に
かゆいを残し
よろよろ
箪笥の隅へ
蚊が
逃げていく

でんきを点けようか
どうか