ドアボーイの白い手袋が
妙にうやうやしくて
一瞬
ためらいが身体を硬くする
いち にぃ さん!
胸の奥でリズムをとり
一人づつ
せまい空白に自分を滑り込ませる
上手くやるにはタイミングが大事
「一緒じゃなきゃ いや」
そんなことを言って
ぼくを喜ばせたひとがいたような
あるいはまぼろしだったような
あれは小雪のふりかかる
いかめしい門構えのホテル
ふと寄り道してみたくなり
回転ドアの前のたつ
うやうやしくあの日と同じドアボーイ
ひゅう ひゅう ひゅう
ヒト形をしたいくつもの追憶が
にび色の空へ吐き出されていて
たったひとりのぼくは
入るタイミングを失くしている
妙にうやうやしくて
一瞬
ためらいが身体を硬くする
いち にぃ さん!
胸の奥でリズムをとり
一人づつ
せまい空白に自分を滑り込ませる
上手くやるにはタイミングが大事
「一緒じゃなきゃ いや」
そんなことを言って
ぼくを喜ばせたひとがいたような
あるいはまぼろしだったような
あれは小雪のふりかかる
いかめしい門構えのホテル
ふと寄り道してみたくなり
回転ドアの前のたつ
うやうやしくあの日と同じドアボーイ
ひゅう ひゅう ひゅう
ヒト形をしたいくつもの追憶が
にび色の空へ吐き出されていて
たったひとりのぼくは
入るタイミングを失くしている