ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

あした天気になーれ

2007-07-20 23:52:45 | 日記・エッセイ・コラム

はじめてのヒグラシが向かいの西山で鳴いた。

わずか二声、三声ほど鳴いて
そのあとは深い沈黙。
雨模様の中を様子伺いに出てきたものだろう。

地表近くまで這い上ってきて
 ( まだか、まだか ) と、ひしめき
あがいているセミたちの姿が眼に浮ぶ。

暗い土中での七年と泣きとおすだけの七日と
セミにはどっちが現世だろうか。
ほんとうに幸せなのはどっちの世界だろうか。
あの泣き腫らした眼を見るにつけ、そう思う。

ぼくは明け方に鳴くヒグラシが好き。
かそけきその声にはこころが清められようだ。

( ひぐらしはカナシ、カナシと鳴くんだよ )

明日の朝は、
足尾のカジカ浄土を訪ねることになっている。
 ( あした天気になーれ )

   ひぐらしの声この世ともあの世とも    やす