はっきりした理由は判らないが
8月1日がやってくると
胸の奥に熱いものが湧いてくる。
多分、少年時代の何かがよみがえるのだろう。
8月1日といえば夏休みの真っ只中、
川遊び、クワガタ捕り、廃坑探検、トマトの盗み食い・・・・・
毎日がトム・ソーヤの気分。
ふと触れたクラスメートの胸のふくらみに驚き
何かしら未知なるものへの憧れと
禁断の恥じらいにつつまれた初めての夢精。
めくるめく太陽の下で脱皮していく少年。
その頃の少年のときめきが
細胞の一つ一つに記憶されていて
今も8月がやってくると
その記憶が一斉に目覚め
ぼくは少年に還っていく。
8月1日・・・・7月の昨日とは
雲の形も光りと陰も真っ赤なサルビアの色さえも
あきらかに違って見える。
落ちながらもつれあふ蝶日の盛り やす