とかく、ひきぎわは難しい。
他人のひきぎわについてとやかく言うのは易しいが
自分自身のことになるとその見極めは難しい。
多くがそのタイミングを誤まって
見苦しい姿を露呈している。
せっかくの功績が一気に色あせてしまうのだ。
それは政治の世界に限らず
企業に於ける後継者との交代、
スポーツ選手の引退、
父から子への家督の引継ぎ・・・等いろいろある。
権力の座、人気の座というのは
よほど居心地がよろしいのだろう、
摑んだものをなかなか手離そうとしない。
余力のあるうちに引退したほうが
どれほど美しいかを承知していながら
自分自身のことになると
ぼろぼろになるまでしがみついてしまう。
そのときが早すぎれば「放棄」と見なされ
遅すぎたら「執着」として非難を浴びることになる。
最後のその時の姿が、ひとの記憶に残るもの。
だからこそ美しい終り方が肝心なのだ。
「常在戦場」ということはそういうことでもある。
今日、安倍総理大臣が辞任した。
〈9月12日記述〉
コスモスや最終走者まだ見えず やす