ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

さまようものら

2007-09-20 22:12:21 | 日記・エッセイ・コラム

    きょうは一篇の詩を紹介します。

       さまようものら

  ねぐらに帰らないカラスが増えている
  夕刻
  電線に集まってきて
  そこで夜を明かすのだ
  (七つの子との約束はどうしたのだろうか)
  おびただしいその数に
  ひとは首をすくめて通り過ぎる

  ビルの谷間
  地べたにたむろするヒヨコたち
    うち?
    つまんなぁい
    おかね?
    なぁーい あははは
    ごはん?
    ここにいればだれかが声かけてくる
    しんぱいなぁーい
  薄っぺらな服装に病人のような化粧
  ケータイがずっと光ったままだ

  陣を敷いたまま
  とつぜん、総大将が退散した
  胃腸の具合が悪かったということらしいが
  行き場を失くした沢山の美しいコトバたちは
  浮遊霊となって秋の空をさまよっている

  約束はなにひとつ果たされないまま

      
一斉に番ふとんぼう日和かな    やす