屋敷内に新しいボスが現われた。
ペルシャの血を引くのだろうか、
顔の周りにだけ長い毛をふさふささせて、
まるでライオンのたて髪のよう。
ところが 逞しいその姿に似合わず
鳴き声が小鳥のようにかわいいので
「ピイ」と命名。
いつも塀の上で屋敷全体を睥睨している。
ミルクと呼んでる白黒のグラマラスな美猫がいる。
ボス猫ピイはこのミルクにぞっこんである。
餌をたべにミルクが姿をみせると
がむしゃらに接近する。
一方、ミルクは既に避妊手術を受けており
異性にはとんと興味がなく
猛烈なアタックに悲鳴をあげながら逃げ回る。
ピイにとってはそのような事情は知る由もない。
おお、愛しのミルク、
I love you! I want you! 追いかける。
39度の猛暑の中、
今もなおピイは塀の上でミルクを待っている。
この一途な想い
つい応援したくなる。
たましひも言葉も気化し炎天下