大阪Y画廊のオーナー夫妻が訪ねてきた。
いまだに
叔父史郎を慕ってくれていて
美術館内を観たあと
史郎の墓に行きたいと言うので案内する。
墓碑を撫でながら号泣する夫妻の姿に
わたしも胸が熱くなる。
史郎もその息子麦太郎も
大阪を想いだしきっと喜んでくれたに違いない。
思いがけない
佳き春の彼岸のひとときであった。
夕飯は牛もも肉の味噌焼き。
安い肉を選んだのであまり感心しない味である。
〈 安かろう 不味かろう 〉
やはり物にはそれ相応の値段があってしかるべく
安売りがエスカレートするのは
文化の荒廃にもつながる。
売るほうも買うほうも
適当なところで手を打たなければ・・・・と
味のない肉を咀嚼しながら考えている。