庭の辛夷が見事に咲いた。
昨年の秋に余計な枝を伐ってもらったので
なかなかの樹形になった。
ほんのりと薄桃色がかって
辛夷の花は開花するその直前が美しい。
首と顔にひどい怪我をした猫が迷い込んできた。
傷の状態から察するに
人間にやられたものと思う。
カッターのような鋭利なもので切られ
目はよく見えていないようだ。
猫用の薬を何度か塗ってやる。
さわっても逃げないところをみると
飼い猫にちがいない。
〈 もう家に帰らないでここに居ろ 〉と
段ボールにホカロンを入れて小屋を与える。
帰ればまたやられるだろうから。
やっているのは
子どもではなく大人のような気がしている。
ミュウ ミュウ 鳴くのでミュウと名付ける。
辛夷咲く日は切々と照り陰り