ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

積み木崩し

2015-08-24 16:08:14 | 日記・エッセイ・コラム
築百年の隣家が取り壊される。
大きな屋根が引きちぎられて
フクロウのねぐらだった樫の木も倒され
古色蒼然な埃と臭いが塀を越えてくる。

ずっと空家であったが
元の主は福田らんどうの弟子。
夕方になると尺八の音が藪椿の奥から聞こえていた。

百年の歴史も重機にかかればたちまち平らに畳まれ 
柱一本残さず更地になった。

壊すことはまことに簡単。
人の関係も同じことで

永年積み重ねた友情も誤解のひと言で崩れてしまい
50年連れ添った夫婦の熟年離婚。
些細なことでガラガラ崩れる。
70年守り続けてきた平和憲法でさえ 今まさに----

南東の空がぽっかりあいて風通しが良くなったが反面 
台風のとき心配である。


     向日葵やソフィヤローレン懐かしみ