琥珀
おんなの胸の上で
いちおくねん昔の吐息が
静止している
ほつ と
ひとつぶの気泡
だれが吐いた
交尾を終えたオハグロトンボの哀しみか
白雲を慕うアラウカリア*の憂愁か
それとも夢が精霊のつぶやきか
[夜明けの空] を愛で
賢治は
黄褐色の雫の中にジュラ紀の恐竜を見た
おんなは胸の肌で知っている
ときの彼方に消えていった幾つもの風の音を
なにひとつ閉じ込めてはおけないことを
ようやくおんなが眠りについた明け方には
琥珀の中でかすかに風が巻いて
薄明の空を渡っていくものがある
あれはカササギだろうか
気泡がゆらめいている
*南洋スギ
冬のアクセサリーですか・・・!?
そこまでは知りませんでした。女性ならではの識見ですね。
中に納まっている昆虫のDNAを取り出して太古の生き物を再生することも、時間の問題でしょうね。まさに「ジュラシック・パーク」の世界。
ポエム、ええ感じ。
「どんな人が、書いてはるんやろ」って思わずかんがえてしまう・・・。
人生経験豊富、感性ゆたか、おしゃれ、趣味人、グルメ etc・・・。
おんなの胸の上で
いちおくねん昔の吐息が
静止している・・・・・
琥珀は一億年もむかしの、幹の樹液なんですってね。素肌に優しい感じがします。
虫の姿がそのままっていうのには、驚きますが・・。
けどね、珊瑚と共に冬のアクセサリーなんですって・・・だから、春、夏はあんまりつけないみたい・・・。