ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ポエムの窓

2007-02-27 23:41:00 | 

          藪椿

       「鬼が来る!」 と

       押し入ってきては勝手に

       ふとんをかぶり

       中で念仏など唱える女

       ぼくら家族は黙々と

       塩引きで昼ごはん

       女は

       裏の藪に独りで住んでいる

       連れ合いは

       南の島で戦死した

       椿が咲くと

       脳ミソを食いに

       鬼がやってくるという

       ぽとぽとぽとぽと

       藪が血をしたヽらせ

       女だけに見えている鬼のすがた

       白い人たちに連れられて

       居なくなることもあるが

       いつの間にか藪に戻ってきている

       行き先を尋ねると

       「お・に・た・い・じ」と 

       髪を掻きながら仏のように

       やわらかくわらう

       むこう三軒

       あぶない女もお隣さんの戦後の昭和

       だれもが貧しく

       だれもがかなしく

       村のあちこち

       藪椿がたくさん咲いていた


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3 コメント

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ベンベエさま (大根の月)
2007-02-28 13:01:45
ベンベエさま

藪椿
椿が咲くと鬼が来る
ぽとぽとぽと・・と
藪が血をしたたらせ・・・


以前、いつもの散歩道(海抜200M位の小山)に、「はっ」とするほどまっかにその大木を染めて、椿がさいていた事がありました。
咲くほどに、ぽとぽと・・・と花は落ち、辺り一面が、血に染まったようでした・・・


でも・・・、我が知るやぶ椿は、あくまで清楚なお茶花なんですよねぇ~・・・
お茶のおけいこで、お床拝見のおり、すっ”と一輪花入れに入れられた・・・質素なやぶつばき。
「今日のお手前は、何だろう・・・貴人立てかしら?」などと考えながら、見ていた頃がなつかしい・・・






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べんべえさま (大根の月)
2007-02-28 14:55:11
べんべえさま


貴人点ってこんな字書くんです。
かんにん・・すんませーん。
気ぃついてはりました・・??
何のことかいな、おもわはったでしょう・・・。


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大根の月さん。 (ベンベエ)
2007-02-28 16:23:13
大根の月さん。
ぼくは茶をやりませんので、気づきませんでした。でも確かに野点と書きますね。
ところでぼくの叔父は枚方にアトリエを構えていたので、あなたの関西弁をとても懐かしく思います。
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