床に就いてからもなかなか眠れず
今夜も睡眠薬の世話になるのか
起きるのもやっかいだし
悶々としているうち
ふと 庭のあたりで何か物の気配がする。
しばらくは蒲団の中で聞き耳を立てていたが
気にしはじめるとたまらなく気になるもの
そっと階段を降り
懐中電灯で庭を照らす。
満開の梅がおどろいて闇に浮かび上がり
仏さまのような匂いを放つ。
細い三日月が蔵の屋根をすべり
どうしたのか9匹の猫たちの姿もない。
ガレージの中、池の周り、収蔵庫のうしろ
庭の隅々を照らしあてても
誰もいない、おかしなことはなにもない。
冷たい夜気が背すじを這い
部屋に戻ろうと振りかえったそのとき・・・・・
何ものかが眼の前に立っているではないか。
ひとだ!
闇に包まれ霧のようにぼおっと立っている。
体はちいさな子どもくらい
二つの眼が青々と光っている。
身がまえるぼくに
どうやら敵意はなさそうで
何かを懸命に伝えようとしている。
その顔には口も鼻もないので
言葉にはならないが
そいつの心の中がちゃんと理解できる。
〈エープリルフール 社会ニ害ノ 嘘 ダメ〉
不思議な響きが右脳にちくちく伝わってくる。
咲きたくて咲きたくてさくら
寝ぼけていたのか、ぼけてきたのか・・・・・いずれにしてもエープリルフールでした。
想像力、空想力、直観力の過敏な右脳に完敗?乾杯!!
もし精霊や宇宙人に会う事ができたら、四次元 五次元の驚きの世界を知らされるかも・・・・・。