ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

追い立てられる野生

2008-02-03 11:02:36 | 日記・エッセイ・コラム

我が家の門の前でハクビシンが轢かれた。
たまたま通りがかりの獣医が見つけて裏山に埋めてくれた。

車の通行の多いこんなところにまで現れるなんて驚き!
「前代未聞、毛色の変わった猫か犬だったのでは・・・」
訝しがる僕に
「おれは獣医、間違うはずがない」と自信たっぷり。

おそらく猫たちの餌の匂いにつられて山から下りてきたのだろう。
周囲の山々はゴルフ場として切り開かれ
僕の少年時代、野鳥捕りの恰好の穴場であった向かいの山は
クレー射撃場となって一日、銃の音が絶えない。

人間の遊興のために追い立てられる野生。
わが田舎町に於いても糸トンボや塩辛トンボの姿は見られなくなった。
ーーーーーー絶滅していく野生。
やがていつかそれらの絶滅種の中に人間も加えられるときが来る。

       『ハクビシン』
   体重3・5~5kg 体長50~65㎝ ジャコウネコ科
   東南アジアの諸島、中国、日本の山地や丘陵地帯に生息。
   木登りが上手く、柿や蜜柑を好み
   小動物、小鳥などを食べる。夜行性。
   和名では白鼻心と書き、鼻の真ん中に白い線がある。
   中国では広東料理の食材にされていたが
   SARS伝染の媒体になるとして現在は流通が禁じられている。

     降る雪に無音浄土となりにけり    やす