「太陽がいっぱい」
ラジオから流れてくる。
アランドロン主演、ルネクレマン監督
音楽がニーノロータ。
1960年公開のフランス映画。
金持ちの友人を殺し、
その恋人と財産を手に入れようとした青年の物語。
上京して間もないころ
渋谷の東急名画座で観た。
映画館を出てから道玄坂で真っ黒なインドカレーを食べた。
初めて口にする本物のカレーの味に
カルチャーショックを受け
ニーノ・ロータの哀愁の旋律とともに忘れられない
東京の想い出。
2003年に東急文化会館は解体されてしまったが
プラネタリュウムも想い出の一つ。
大学にも馴染めず孤独を深めていった青春の日々。
遠く四谷辺りから安保闘争のシュプレヒコールが
聞こえていて
いっそう寂しさをつのらせた。
東京は好きだが、同じく嫌いだった。
柿のシャーベットを作ってみた。
昼あんどんのような
なんともぼんやりした味に仕上がって
試食させられた客人には相済まぬことでした。
おでん突つき男にもある嘘涙