ふつう、夢の街なんだから、駅も「かっぱ橋」ってつけてくればいいもののそんな駅は存在しないのって、わかりにくいやん・・・なんて思うの私だけよね(^^;)
そんなこと思いながらかっぱ橋道具街に別れを告げ、また迷子になりそうだったから(日常茶飯事やし ^^;)交番のお巡りさんにしっかり道を聞き、最寄駅の入口にたどり着いたのが午後2時半。
おなかがすいた気もするけど、もう早く帰りたい。
家にかえって人心地つきたいな。と、めずらしくお昼はもういいか、と思う。ほんとはいつも三食ちゃんと食べないとおかしくなっちゃうんです。
と、ふと見ると目の前に
むむむ。なんとなく気になる。
看板を見ると、「天婦羅定食 900円」がお昼のサービスで800円・・・と上書きしてある。
素通りしようとしたら少し前方にドトールが。うーん、コーヒーも飲みたいなあ。
しかし、こんな時間だし、ドトール入ったら、んと、なんとかサンドとか食べるでしょ。もしかしたらミルクレープとかも食べたくなるかもしれん。そしたら・・・この天婦羅定食800円は安いかもしれん。
それに、なんかこの店構え、なんとなく気になる。ピシッと戸が閉まってるけど、ええいっ、入ってしまえ。
急におなかが減ってきたので、「このまま帰って途中で倒れるよりきっといい」・・・とか心の中でつぶやきながらドアを開けると・・・。
むむ。誰もお客がいない。
ひやー、貸切やん。どうしよ。もうおっちゃん見てはるし・・・うーん。
迷うまもなくお茶が出てきて、いい匂いもしてる。いいや、腹をくくって、ここで定食食べよう。
出てきたのは、揚げたての天ぷらと小鉢がいくつか、ごはんと味噌汁。
ほおばると・・・あちあち・・・いや、これおいしい。
それにこのお味噌汁。おだしがきいてる。ちゃんと丁寧に作られている味やわ。
きっと、ここは夜になったら賑やかなんやろなー。お昼間も正午くらいだったらいっぱいやったに違いない。でも、もうすぐ15時。私は今日の昼間の最後のお客さんなんやろなあ。
それにしてもおいしいなあ・・・。
と、お店のどまん中の席に座り、ひとりあつあつの天ぷらをほおばっていると、何だか急に涙がでてきました。
えー、私、どうしたんやろ。おいしいし感激してる?いや、そんなことじゃない。なんだかわからないけど、ぽろぽろ泣けてくる。
そうか、私、こわいんやなあ・・・と思いました。
お弁当26食も、おばんざいランチ80食も、すごくうれしいし、頑張ろうと思う。
でも、人様に料理を食べてもらうのはすごく大変なこと。いくら心をこめても、きっと何かが狂うとおいしいものはできないし、お客様に喜んでいただくものにならない。
いくら準備してもしても、それは本当にその時になってみないとわからない。経験のない私たちには不安定要素がいっぱいだ。
そんなことが、このお昼の天婦羅定食を食べていたら浮かび上がってきて、「あー、私、こわいんやなあ」と広い店内にひとり、大きな音で「ミヤネ屋」がついてるテレビの画面をしばし見つめたのでした。
ではさて、お弁当の結果はどうだったか、はい、また書きます。